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2007年06月 アーカイブ

2007年06月01日

子供達に講演していて思うこと

小・中・高校に伺い、進路指導の講演をすることがあります。今の子供達は、落ち着きが無いとか、学力が低下しているとか、何事にも無気力であるとか言われてますが、それが真実ならば、何が原因なのでしょうか?ボクの講演ポリシーは、会場の空気を読み、子供達がどんな話を聴きたいかを瞬間で判断し、子供の目線で分かり易く話すことなのですが、初めは横を向いていたり、居眠りしていた子供も、ボクが修業時代にいじめに遭った現場をリアルに実況中継すると、真剣に聞き入ります。そして、今は、たったひとりで、フリーで仕事をしていて、一見華やかに見えるかもしれないその舞台裏は、日々苦労と挫折の連続で、それでもここまで来れたのは、努力の積み重ねと多くの方々からの応援、励ましがあったからなんだよ、生きるってことは簡単でなく、大変なことなんだよと、本音をストレートに話しますと子供達の目が輝いてくるのがよく分かります。今の時代、なんでも便利になって、途中の過程を軽視した結果至上主義になりがちですが、それが全てではなく、人に感謝し、感謝される人生の醍醐味を微力ながら伝えてゆきたいと思っております。

2007年06月02日

インドの思い出

今から10数年前に初めてタイに行った時の事。市場や屋台を夢中で歩いていたら迷子になり、道ゆく現地人に尋ねるのですが、誰も英語が分からない。最後の手段として、タクシーをつかまえ、ローマ字書きのホテルの名刺を見せますが、これもNG。10台ダメで11台目のドライバーさんがやっと分かってくれ、戻れた苦い経験が有ります。
 その時以来、英語もフランス語も通じない国では、現地の衣装を着て、外見だけでも現地人に成りきり、あとは、体全体を使ったコミュニケーションで溶け込むようにしています。
 そのきっかけが、カレーの取材で訪れたインドなのです。空港で待ち合わせたインド人ガイドが面白いおじさんで、着くなり、民族衣装の仕立て屋さんに直行です。「数日間でインドを理解したいなら、まずは、外見からインド人に成って下さい。」と、妙に説得力のある言葉。帽子から金の刺繍入りの靴まで、全て特注で、マハラジャ(王様)になってしまいました。
 行く先々でインド人に指さして笑われたり、囲まれて、初めは恥ずかしかったですが、不思議なもので、慣れてくると快感に変わって行くのです(笑)
 今では、数百人を前にした講演会でも緊張しませんか゛、その度胸はインド修業の成果かもしれませんね。

2007年06月03日

ソウルの食文化について

韓国大手の製パン会社の技術顧問として、定期的にソウルを訪れ、調理パンやサラダ類、デザートまで幅広く、メニュー提案をしていますが、その経験から気づいたことを少し。
 まず、OKのストライクゾーンが、日本に比べ、かなり狭いのです。日本では、美味しければ、洋風でも中華風でもエスニック風でも、OKになるであろうメニューが、ソウルでは、殆どNGになったりします。
 この理由は、ソウルの街を歩くと理解出来ます。食事時になりますと、どこを覗いても、カセットコンロを取りだし、ご飯にキムチ鍋を食べている光景を目にします。仕上げには、辛ラーメンを入れるんですが、実際、これが美味しいんです。毎日食べても飽きない味、伝統の味なんですね。日本で言ったら、ご飯と味噌汁、野菜の煮物等でしょうか。
 ソウルでも、若者を中心に外国風の食文化が普及しつつありますが、一方では、先祖が残してくれた食文化を維持しようという強い気持ちが有ります。それが、商品開発にも反映されているのだと思います。

2007年06月04日

イタリアのウエディングケーキ

雑誌の取材や食べ歩き、食材の仕入等でイタリアには20回以上行っていると思いますが、毎回、印象的なハプニングに遭遇します。指定券を取り、駅のホームで待っているにも関わらず、その列車が来なかったり、レストランで置き引きに遭ったり、色々経験しましたが、一番ハラハラした思い出と言えば、イタリア人の友人に頼まれたウエディングケーキ作りでしょうか。
初めは、ただ、ミラノの結婚式に出席するだけの約束が、わざわざ来てくれるならケーキを作って欲しいとなり、軽く引き受けたら、何と参加者は120人。しかも、会場のオーブンが家庭用程度の小さい物で、
どうやって作るべきか悩みました。5時間後には式が始まるし、取りあえず、オーブンに入る大きさのスポンジを時間ぎりぎりまで焼き、1つ1つを花びらに見たてて、レモンクリームで飾り、ご覧のようなケーキが出来ました。
ケーキは、イタリア人にも好評で、夕方から始まったパーティーは途中からディスコになり、終了時間は、翌朝の5時でした。結婚式中に居眠りしたのは、この時だけです。


ボクはサウスポーです

ボクは、子供の頃から、字を書くのもテニスのラケットも、包丁も全て左ききです。字も巧かったので、先生から、右に直すよう言われたことが無いのです。さすがに、毛筆だけは、右で習いましたので、両刀使いですね。小さい頃から絵のセンスが有ったようで、よく金賞を貰いました。
実は、祖父が左ききの、腕の良い墓石職人だったらしいので、恐らく、隔世遺伝でしょうね。
子供の頃から良く食べ、5年生の時の家庭科で作った目玉焼きを褒められてからは、料理は天職だと思うようになりました。
その時の感激から36年間、フランスに行って、一流の料理人になることだけを考えて頑張って来ました。笑ってしまいますが、将来の為に、サインの練習も子供の頃からしていましたので、お客様から著書へのサインを頼まれると嬉しくなります。


2007年06月05日

イランの明るい子供達

今年の2月、ウズベキスタンの後に、イランに行って来ました。HPの日誌にも書きましたが、イラン程、外からの情報と実際の違う国は無いと思います。予想以上に素晴らしい所でした。
まず、人が優しい。どこにいても、「どこから来たんですか?」とか「良い旅を」とか、ニコニコしながら、声をかけてくれます。
まだ、観光地としては、発展途中だからかもしれませんが、お土産品を買うにも、現地価格というか、ボラずに売ってくれますし、殆どの物が、大量生産でない、手作りの良い物なので、安心して買うことが出来ます。この点は、ウズベキスタンも同様ですね。
特に印象的だったのは、子供達が明るく元気だったことです。女の子は、へジャブというスカーフを頭から巻いていて、活発に運動したら暑いだろうなとも思いましたが、公園等では、元気に走り回っており、見ているこちらまで、エネルギーを貰えた気がします。
イスファハンのイマーム広場では、ジュータン持参の沢山の子供達が楽しそうにピクニックしており、思わず、仲間に入れてもらいました。貰って食べたピスタチオナッツが大粒で、とても美味しかったです。

イランで見つけたプロ魂おじさん

イスファハンのイマーム広場での出来事です。午前中は、観光客も少なく、のんびり歩いていましたら
後ろからダミ声で「スカーフ1ドル、Tシャツ3ドル、マトメテ、ヤスイヨ」と片言の日本語で近づいて来る自転車おじさん。思わず、避けましたが、どこまでも付いて来る。「ボクは、体が大きいから、そんな小さなシャツは着れないよ」と言ったら、さすがにめげて、寂しそうに離れて行きました。
しつこいおじさんだったなぁと思いながら、イマームモスクに入りました。2時間程度観光し、休憩しようとレストランに向かうと、なんと、その入り口に、自転車おじさんが、ボクにピッタリの3LサイズのTシャツを広げて、ニコニコしながら、待っているではありませんか。
これには、感動しました(笑)何しろ、なかなか、ボクに合うサイズは無いはずなのに、広いバザール中を探し回って見つけてきたそうです。
写真のイランTシャツを思わず5枚10ドルで買ってしまいました。ウチでたまに着ています。

2007年06月07日

出張料理の人気メニュー (1)

よく、お客様から「お店を持つのと、ケータリングで、違いは有りますか?」と質問されますが、お店の場合は、その門構えというか、雰囲気で、どんなお客様に来て頂きたいかという主張があるように思います。逆に、出張の場合は、現地に行くまで、老若男女、どんなお客様がいらっしゃるか分かりませんし、実際、レストランには行けない、小さなお子様からご年配の方々まで、多くの皆様に召し上がって頂いております。
お料理の内容も、どなたにでも気に入って頂けるよう、お野菜中心で、クリーム、バターを控え、オリーブオイルでアクセントを付けた、ヘルシーな和風テイストがベースになっております。
写真の前菜は、「季節野菜15種類とホタテ貝の和風テリーヌ」です。野菜には、15種類別々の和風出汁で下味を付けており、完成までに、丸一日かかるお料理ですが、とても好評なので、ずっと作り続けている看板メニュー、スペシャリティーなのです。

2007年06月08日

出張料理の人気メニュー (2)

この前菜は、まず、野菜をそれぞれ別々の和風出汁で煮含め、仕上げに上質のオリーブオイルを絡ませておきます。こうすることで、グッと野菜の旨味が引き立つのです。
中央は、湯引きしたホタテ貝ですが、海老や他の貝類を使うことも出来ます。ポイントは、この白いソースなのですが、オリーブオイルで作ったマヨネーズソースに白ゴマと豆乳を加えて、軽くヘルシーな味わいにした人気のスペシャルソースなのです。
このメニューは、たっぷりと野菜の旨味を楽しみたい方にお薦めです。

出張料理の人気メニュー (3)

この料理は「カツオの叩き風マリネ、自家製切干大根のサラダ添え」で、前菜にもメインにもなる一品です。
カツオまたはマグロは、回りを軽くあぶってから、醤油ベースの秘伝のタレに半日漬け込みます。こうすることで、魚のクセも無くなり、旨味が染み込んで、カツオが苦手な方でも美味しく食べて頂けます。
中央の切干大根は、人参や山菜と共に、和風出汁で軽く煮ておきます。
ソースがポイントですが、秘伝のタレにオリーブオイルを加えて作ります。他種の油ではいけません。
醤油とオリーブオイルは、とても相性が良く、サッパリと軽い仕上がりになります。

出張料理の人気メニュー (4)

これは「季節野菜がタップリの和風ミネストローネスープ」です。
普通、ミネストローネと言いますと、野菜を炒め、チキンやビーフのスープを加えて煮ますが、ボクの場合は、よりヘルシーに仕上げる為に、野菜はボイルして、和風の出汁を加え、醤油、みりん、日本酒等で味を整えます。これだけでも、沢山の野菜から本来の旨味が出ますので、とても美味しい一品となります。個人的には、これに雑穀入り玄米を加えた雑炊が大好きです。

出張料理の人気メニュー (5)

この料理は「白身魚と天然海老の生海苔、生若芽ソース」です。
この料理のポイントは、ソースに有ります。ベースは、和風出汁ですが、生海苔、生若芽、蟹の身、キノコ等を加え、吉野葛でとろみを付け、仕上げに少量のオリーブオイルを垂らして出来あがりです。
サッパリしていてコクが有る、ボクが一番好きなテイストですね。
白身魚と海老は、新鮮であれば、蒸すのがお薦めで、勿論、フライパン焼きでも美味しいです。

出張料理の人気メニュー (6)

フランス修業から戻った直後は、クリーム、バターをタップリ使った、本格的なフレンチを皆様にご披露したいと、肩肘張って頑張りましたが、どうもウケが良くない。都内のレストラン時代は、まだ良かったのですが、16年前に独立し、各ご家庭に伺うようになると、コースメニュー最後の肉料理の頃には、特に、ご年配の方々から「もっと、サッパリと食べられる料理にして下さい。」と言われてしまう。
基本的には、クリーム、バター、ワインを使うのがフレンチですが、食べ慣れていない日本人にとっては、きつく、重く感じるのは、無理も無いことだと思います。
そこで、色々考え、クリーム、バターを控えたヘルシー感覚の料理を目指すようになりました。だから、今、ボクが作っている料理は、フレンチでない、コグレ流の創作料理なのです。
写真は「和牛フィレと風呂吹き大根の梅・白ゴマソース」です。大根と季節野菜をたっぷり添え、あっさりした梅ドレッシングをかけることで、ある程度、お腹が一杯でも、スルッと食べられてしまうオリジナルメニューです。

出張料理の人気メニュー (7)

コース料理の最後には、デザートをお作りしますが、甘党でない方にも食べて頂けるように、いつも工夫しています。写真は「小豆とバナナと薩摩芋で作った、ココナッツ風味のムース」で、手前に紅茶で煮たプルーンとココナッツ風味のアイスクリームを添えています。ミントは、ウチの庭で無農薬栽培しています。
甘過ぎずにコクが有り、何度食べても飽きない味で、好評です。
以前、有名な羊かん会社の社長様宅でも、このデザートを出し「小豆でこんな表現が出来るんだね!」
「ウチで売りたいね」と言って頂き、嬉しかった思い出が有ります。

2007年06月09日

地産地消の料理教室

元々、ボクは、教え好きでして、学生時代には、家庭教師もしていました。教え子達からは、とても分かり易く、やる気が出ると好評で、皆、希望の大学に進学、卒業し、夢に向かって頑張っています。
最近は、食育活動として、全国に伺い、地元の旬の食材を使った料理教室を積極的に実施しています。
主材料として良く使う物は、玄米、豆、胡麻、海藻、味噌、醤油、みりん、豆腐、和風出汁、旬の野菜は何でも、でしょうか。「何だ、普通の和食じゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本人が、昔から食べ続けている、当たり前の料理を当たり前に作れるようになって頂きたいのです。
ただ、生徒さんにしてみれば、折角、世界的に有名な(?)コグレシェフに習うのですから、少しは、オシャレな要素も期待されていると思いますので、隠し味にオリーブオイルを使ったりします。
簡単に出来るレシピと、醤油とオリーブオイルの相性の良さに驚かれる方も多く、毎回、やり甲斐を感じています。

男性必読! 褒めることの大切さ

たまに、男性から「ウチの奥さん、料理が下手なんですけど、何とかなりませんかね?」と質問されることが有ります。まず、言うことは、「ご主人ばかり、美味しい物を食べに行かないで、奥様も連れて行って下さい。」それと、たとえ、まずくとも、「今日も一生懸命に作ってくれて有難う!美味しかったよ」と感謝し褒めることです。すると奥様は、「この程度で褒められるなら、明日はもっと頑張ろう!」と思うものです。
ボクは、料理教室でも、決して否定的なことは言いません。「ここを、こうすれば、もっと美味しく、プロの味に成りますよ!」と。更に、「料理の表現法は、無限に有ります。これもアリですね。」と自主性を尊重します。それが、料理の楽しさなのですから。

2007年06月10日

ボクは農村応援団

仕事で全国に伺っていますが、過疎化した地方で仕事することも有ります。
そんな場所では、お客様から「一流のシェフにお持て成しするような物は、何もないですよ」と言われることが有りますが、全然、そんな事は無いのです。
まず、美味しいお茶(水)が有り、自家製のお漬物、近くの畑で取れた新鮮で力強い、旨味の有る有機無農薬の野菜、米、果物が有る。地元の方々は、それが当たり前の物なので、気付いてないのかも知れませんが、都会では、これほど鮮度の良い物は、なかなか買えませんし、このような食生活は、最高の贅沢だと思います。そして、何よりも、人が優しい。
若い世代が一度は都会に憧れ、生活してみるのも良い経験だと思いますが、心が疲れた時にはいつでも包み込んで癒してくれる田舎の生活、食文化を皆の財産として、大切に守らなければならないと思っています。
写真は、熊本・水俣に伺った時に頂いた、素晴らしい山うどです。朝掘りの竹の子も美味しかったです。

大人の為の食育祭

食育活動の一環として、九州を中心に「大人の為の食育祭」が開催されています。
内容は、と言いますと、皆さんがそれぞれ、家庭の味、思い出の味を再現して持ち寄り、試食し合いながら思い出を語り合い、改めて郷土料理の素晴らしさを認識し合うというシンプルなものですが、そこには本当に様々なドラマが有り、感動します。
このブログを読んで下さっている皆さんの思い出の味は何でしょうか?
この企画を是非、全国に広めたいと考えています。

2007年06月17日

料理上手は、将棋も強い

ボクは、子供の頃から将棋が大好きでした。13歳の時に、現役プロ棋士の指導対局で、2枚落ちで勝たせて頂いたことも有ります。
なぜ、そんなに好きなのかと言いますと、将棋こそが、人生の縮図だと思うからです。序盤、優勢でも、油断すれば、すぐに逆転しますし、劣勢でも、粘り強く頑張れば、勝てることも有ります。
学生時代にしていたテニスも同様ですが、いかに自分のバランスを保ち、相手のバランスを崩すかが重要なのです。バランスの良い陣形は、とても格好がいいものです。これは、美的センスにも通じるかもしれませんね。
30年前に将棋会館で購入した盤と駒を久々に出してみました。


毎日でも飽きない料理

「プロの料理人さんは、普段も豪華な食事なんですか?」と聞かれることが有ります。
答えは、NOですね。勉強の為に食べ歩きすることも有りますが、普段は粗食です。
基本的には、玄米中心で、豆、胡麻、納豆、豆腐、野菜を良く食べます。
この写真は、雑穀入り玄米の雑炊です。出汁は、和風で、金平牛蒡とひじきをトッピングしていますが
大好きな一品です。

オリーブオイルのお話 (1)

少しずつ、オリーブのお話を綴ってゆきます。オリーブの実は、地中海沿岸で栽培されており、スペインが全生産量の40%を占めています。
オリーブには、数百種類の実が有るとされ、地域によって、様々な味が楽しめます。
同じ実でも、初めはグリーンで、熟すに従い、赤から黒に変わりますが、微量成分タップリの美味しいオイルを絞るには、まだ、実がグリーンのうちに収穫します。
エキストラバージンオイルとは、一切添加物の入らない、オリーブのフレッシュジュースのことです。
ウチのスタジオのオリーブの木もかなり大きくなり、先日まで、白くて可愛い花が沢山咲いていました。

2007年06月18日

オリーブオイルのお話 (2)

りんごのオリーブオイル焼きをご紹介しましょう。
りんごの種類は、何でも結構です。まず、適当な大きさにカットして、軽く塩を振ります。
そこに、バージンオイルをかけ、オーブンレンジで10分位焼くだけなのですが、これが、とても甘くて美味しいのです。
なぜ、砂糖を加えていないのに、アップルパイの具に出来る程、甘く、美味しくなるのでしょうか?
それは、オリーブオイルが素材の持ち味を最大限に引き出してくれるからなのです。
例えば、和風の煮物を作る時でも、野菜をオリーブオイルで初めに炒めます。そうすることで、野菜の旨味が引き出され、コクの有る美味しい煮物に仕上がります。
醤油とオリーブオイルの相性は抜群なので、皆さんも色々、試してみて下さいね。

カレーのお話 

これから暑くなり、食欲が落ちてくると、食べたくなるのが、カレーですよね。
皆さんは、具に何を入れますか?インドやスリランカでは、カレーは、味噌・醤油のような万能調味料であり、様々な料理が有ります。サラダ、スープ、炒め物、煮込み料理等、何でもカレーが入っているような気がします。
ですから、皆さんも、自由な発想でカレーを作ってみて下さい。今日は、ボクの好きな、大根と牛蒡、パプリカ、ひよこ豆入りの玄米カレーをご紹介します。

2007年06月19日

オリーブオイルのお話 (3)

「お薦めのオリーブオイルは?」と聞かれれば、「イタリア・シシリア産のオイルが最高です。」と答えます。良いオイルは、生産量も限られるために、なかなか地球の裏側の日本まで届きませんが、ボクは、何度もシシリアに通い、譲ってもらえるようになりました。
とにかく、軽くて美味しいのです。パンに付けて食べたら、オリーブオイルのイメージが絶対に変わります。お化粧品としても、最高級品で、ボクも毎晩、顔に塗っており、46歳になった今でも、イタリア人から「ノーラインだね」、つまり、「シワが無いね」と言われます。
ちなみに、バージンオリーブオイルは、無添加で、日焼け止めにもなるのです。
7年前に初めてシシリアを訪れた時の写真ですが、小さな実を手摘みしています。このことだけでも、品質の良さをお分かり頂けると思います。

2007年06月20日

宝飾展示会のお持て成し

ジュエリーや呉服の展示会にいらしたお客様にお料理させて頂くことが有ります。先週は、青森県五所川原市に伺い、お料理させて頂きました。
昼、夜2回に分け、3日間作らせて頂きましたが、前日から会場入りし、地元の食材を使ったメニューは、とても好評でした。
今回は、青森テレビと陸奥新報社に取材して頂き、滞在中に夕方のニュースと新聞に登場しました。
会場も素晴らしく、是非、定期的に来させて頂きたいなと思いました。

将来の名シェフ

五所川原の展示会のお持て成しの為に、前日入りし、丸一日仕込みをしていたのですが、今回は、強力な助っ人が来てくれました。
写真のお二人、宝飾展主催者のお子さんなのですが、料理が大好きということで、ずっとボクの仕事ぶりを色々質問しながら見学しつつ、とても楽しそうにお手伝いしてくれたのです。お嬢さんは、ボクの似顔絵まで書いてくださり、大切にウチのスタジオに飾っています。
ボクの子供の頃もそうでしたが、好きな事だと、夢中になれるし、とても楽しいので、毎日、積み重ねることが出来ますよね。
今の時代、オールマイティーに、平均的に何でも無難にこなすよりは、これなら誰にも負けないという才能をどんどん伸ばして行くべきだと思います。好きな事であれば、壁にぶち当たっても乗り越えられますし、毎日がとても充実してくると思います。
次回、伺った時には、お二人とも大きくなって、両手で抱っこは出来ないかもしれませんが、再会が楽しみです。

人柄も味のうちですね

五所川原滞在中に、毎晩通ったラーメン屋さんが有ります。幼稚園用大型バスを改造したお店で、何度かテレビで紹介されたこともあり、前から興味を持っていました。
店内は、深夜でも、いつも賑わっており、おでんと素朴な味わいのラーメンが美味しくて、何度でも食べたくなるのです。
このお店、工藤さんという、40歳から、この道30年以上のご主人がひとりで切り盛りされていて、尊敬してしまいます。疲れた顔は一切見せずに、いつもニコニコ接して下さる。
連日、通って、人気の秘密がよく分かりました。味もさることながら、人柄は、最高のスパイスですよね。
ボクも70歳過ぎても、工藤さんのように張りたいです。


NHK・FMラジオに生出演しました

3月に10分程喋らせて頂いたのが好評で、今回は生放送に呼んで頂き、30分以上、オリーブオイルのお話や、食育のお話をさせて頂きました。
限られた時間の中で、要領良く話せたかは分かりませんが、知り合いからは、「熱弁で、リスナーの心に響いたよ」と言って頂き、安心しました。
ラジオは、楽しいですね。チャンスが有れば、またスタジオに伺いたいと思います。
番組担当のアナウンサー・熊崎さん、ナイスフォローを有難う御座いました。


2007年06月22日

出張料理の七つ道具

全国に伺いますので、どんな状況にも対応出来るよう、準備は万全でなければいけません。
食器類は、いつも車に積んでいますし、鍋、フライパン等の調理器具も持参します。
遠方に伺う時には、宅急便で送ります。いつも時間に正確なヤマトさんには感謝しています。
プロの道具には興味の有る方も多いと思いますが、ウチでの仕込みは別にして、仕事先では、その辺のホームセンターで売っているような家庭用の鍋、フライパンを使っています。なぜかと言えば、ご家庭の火力は弱いですから、プロ用の厚手の鍋等は、熱するのに時間がかかり、逆に不便なのです。
「郷に入れば、郷に従え」ですね。家庭用の道具でプロが料理するのを見て頂くのは、とても勉強になると思いますので、お客様も、どうぞ、キッチンに入って来て下さいね。


大切な学校給食の役割

ボクは、子供の頃から、よく食べていましたので、小学校の給食も、毎日楽しみでした。
お昼近くになり、給食室から美味しそうな臭いがしてくると、真っ先に給食室に走り、中を覗きこんで、何を作っているのか、よく質問しました。こんな生徒は、他にいなかったように思います。
ところで、最近の給食事情はどうでしょうか。骨付きの小魚を見ると泣き出してしまう子供がいたり、体に良い和風のお惣菜を出すと、残す子供が多いと聞きます。O157の影響で、キャベツでも何でもボイルしなければいけなかったり。これでは、折角の栄養素が消えてしまいますよね。
普段の家庭料理から、体に良い物を食べていれば、免疫力が高まり、生の野菜でも、バリバリ食べられるようになるはずなのですが、どこか歯車がずれている気がします。
体温が35度台の子供も増えていますし、辛うじて、給食で生き延びている子供も多いのです。
ボクは給食応援団長です。みんなで給食を盛り上げてゆきましょう。
この写真は、南房総市の食育料理教室をお手伝いして下さった栄養士の皆さんですが、凄く勉強されていて、頭が下がります。


2007年06月23日

料理教室の御食事会

立川市で料理教室を主催されている宮川順子先生のスタジオに2回続けて伺い、御料理させて頂きました。なぜ、2回も?宮川先生には、日頃からお世話になっているのですが、今回の趣旨には感動致しました。「ウチの教室では、本物だけを生徒さん達に教えているんです。高級レストランの食べ歩きも沢山しているけれど、お店を持たない小暮さんのことは、是非、皆さんにご紹介したくてね。」と。これは、社交辞令の多い世の中で、なかなか、出来ることでは有りません。
ボクとしても、当然、料理作りにも力が入りましたし、ミニ講演会もさせて頂きましたが,熱意は伝わりましたでしょうか?
今度は、皆さんが作られたお料理を試食させて頂きたいですね。宮川先生の焼いたパンも美味しそうでした。

福岡の美味しい岩牡蠣

博多に行くと、大好きで必ず立寄る、厳選した天然物だけを扱う「なにわ鮨」のご主人から見事な生牡蠣を送って頂きました。早速、レモンを絞ったり、オリーブオイルをかけて食べましたが、もう、言葉にならない位美味しいのです。
元々、九州の魚が美味しいことは、各地を回って知っていましたが、まさか、玄界灘の牡蠣がこれほど美味しいとは思っていませんでした。本当に自然の恵みに感謝ですし、日本人で良かったなぁとつくづく思います。
これから福岡に飛んで、「なにわ鮨」さんの美味しい寿司を食べたくなりました。

2007年06月24日

良く噛むことの大切さ

昨日、母校・東邦医大付属高校の28年振りの同期会が有りました。仲間は、ドクターや薬剤師さんが多く、食育の話題もかなり出ました。特に歯科医師からは「最近の子供は、柔らかい物が好きで、良く噛まないんだよね」という意見が有り、ボクも同感です。
もっとも、柔らかい物好きは、大人を含めた、日本人全体に言えることかもしれません。例えば、ステーキにしても、必ず「柔らかくて美味しいですね」というコメントが帰ってきます。
欧米では、全く逆で、固い部位を良く噛んで食べる方が美味しいと言います。国民性、食文化の違いは有りますが、出来れば、子供達には、玄米や豆類を良く噛んで食べてもらいたいですね。
写真は和風出汁で軽く煮た豆です。これに上質のオリーブオイルをかけたら、とても美味しく、豆料理のファンになること、間違い無しです。

2007年06月25日

アンチエイジングにピッタリの一品 (1)

このお料理、温やっこ豆腐なのですが、ソースが凄い!完全栄養食です。
簡単なレシピを。まず、和風出汁を沸かし、少量の赤味噌を溶き入れます。適宜、黒の擦り胡麻とボイルしたヒジキ、卸生姜、バージンオリーブオイル、ごま油を加えます。更に、水煮した豆(大豆、ひよこ豆等)も加えて、軽く沸かし、葛粉または片栗粉でとろみを付けます。豆腐は、蒸して暖めておきます。
この一皿には、お肌にとって申し分の無い栄養素が凝縮しています。このソースをパスタに絡めても美味しく、お子様にも人気が有ります。


2007年06月27日

フランス修業の思い出 

1985年の春に初めて渡仏し、リヨンを中心に幅広くヨーロッパの料理、食文化を学びました。
日常のあらゆる事が新鮮な驚きの連続でしたが、かつて、フレンチの神様・ポールボキューズ氏も修業したという、名門レストラン「ラ・メールブラジエ」でのハードな修業経験は、今のボクの貴重な財産になっています。とにかく、厨房全体、仕事中の集中力というか、パワーが凄い。早く、仕事を終わらせ、プライベートな時間、家族との時間を多く持とうという発想ですね。帰国して分かりましたが、日本のレストランでは、これが、なかなか難しいんですよね。何でですかね?
また、日本では、仕事は、盗むものだという発想が根強いですが、フランスでは、何でも聞けば教えてくれます。理由は簡単です。チームとして、若手が伸びれば、お店のレベルアップに繋がり、お客様の満足度が増して、繁盛するのですから。色々な意味で、フランスは合理的だなと思いますし、フランス料理のレベルが高い理由が良く分かりました。

将来を決めた目玉焼き

小さい頃から手先が器用で、食べることが大好きでしたので、小学5年生から始まった、家庭科の授業は毎回、とても楽しみでした。
今でもハッキリと覚えていますが、初めての調理実習が、目玉焼きと粉吹き芋でした。皆が卵の黄身を崩し、上手く出来ない中で、ボクだけ、偶然に、とても綺麗に焼けたのです。
それを見た先生が、皆の前で褒めて下さったのです。「さぁ!皆、小暮君の目玉焼きをお手本にしましょうね」って。物凄く嬉しくて、その瞬間に、「絶対に一流の料理人になるぞ!」と心に決めたのです。
その気持ちは、一度も揺らぐことなく、36年間、頑張って来ました。
普段食べる目玉焼きは、バージンオリーブオイルで軽く焼き、醤油と胡麻、かつおの削り節をかけるのが好きです。

2007年06月30日

夢中で見ていた「料理天国」(TBS系)

ボクが中学3年生の時に始まった「料理天国」は、毎回、テーマに沿った料理を辻調理師専門学校の先生方がアイディアを凝らして作りあげるという、それまでに無かった、単なる料理教室風で無いところが新鮮、感動的で、毎週、土曜日の6時から、欠かさずに見ていました。
特に、西洋料理担当の小川忠彦先生は、ボクと同じ左利きということもあり、凄く憧れていました。
「ボクも小川先生のように、誰からも尊敬される、立派な料理人になるんだ!」すぐに、大阪の本校から案内書を取り寄せ、気持ちは、どんどん、大阪に傾いていきました。
写真は、1985年4月・500回記念の収録風景です。辻調・卒業間際のボクは、勇気を振り絞り、神様のような小川先生に、大胆にも直接、頼み込み、都内の撮影スタジオで見学させて頂きました。西洋料理の小川先生が和食を作り、和食の畑耕一郎先生が中華を、中華の松本秀夫先生が西洋料理を作るという、普段では考えられない、とても楽しい内容で、テーマタイトルは「500分の1の珍事」でした。


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