今から10数年前に初めてタイに行った時の事。市場や屋台を夢中で歩いていたら迷子になり、道ゆく現地人に尋ねるのですが、誰も英語が分からない。最後の手段として、タクシーをつかまえ、ローマ字書きのホテルの名刺を見せますが、これもNG。10台ダメで11台目のドライバーさんがやっと分かってくれ、戻れた苦い経験が有ります。
その時以来、英語もフランス語も通じない国では、現地の衣装を着て、外見だけでも現地人に成りきり、あとは、体全体を使ったコミュニケーションで溶け込むようにしています。
そのきっかけが、カレーの取材で訪れたインドなのです。空港で待ち合わせたインド人ガイドが面白いおじさんで、着くなり、民族衣装の仕立て屋さんに直行です。「数日間でインドを理解したいなら、まずは、外見からインド人に成って下さい。」と、妙に説得力のある言葉。帽子から金の刺繍入りの靴まで、全て特注で、マハラジャ(王様)になってしまいました。
行く先々でインド人に指さして笑われたり、囲まれて、初めは恥ずかしかったですが、不思議なもので、慣れてくると快感に変わって行くのです(笑)
今では、数百人を前にした講演会でも緊張しませんか゛、その度胸はインド修業の成果かもしれませんね。