韓国大手の製パン会社の技術顧問として、定期的にソウルを訪れ、調理パンやサラダ類、デザートまで幅広く、メニュー提案をしていますが、その経験から気づいたことを少し。
まず、OKのストライクゾーンが、日本に比べ、かなり狭いのです。日本では、美味しければ、洋風でも中華風でもエスニック風でも、OKになるであろうメニューが、ソウルでは、殆どNGになったりします。
この理由は、ソウルの街を歩くと理解出来ます。食事時になりますと、どこを覗いても、カセットコンロを取りだし、ご飯にキムチ鍋を食べている光景を目にします。仕上げには、辛ラーメンを入れるんですが、実際、これが美味しいんです。毎日食べても飽きない味、伝統の味なんですね。日本で言ったら、ご飯と味噌汁、野菜の煮物等でしょうか。
ソウルでも、若者を中心に外国風の食文化が普及しつつありますが、一方では、先祖が残してくれた食文化を維持しようという強い気持ちが有ります。それが、商品開発にも反映されているのだと思います。