10年程前の事です。雑誌でボクを知ったと言う、佐渡が島のホテルオーナーから、こんな依頼が有りました。
「今度、結婚式を挙げられるお客様から、都会に負けない、記念に残る素晴らしい料理を出して欲しいと言われ、今の調理スタッフでは、自信が無いので、力を貸して貰えないでしょうか?」と。
かなり、切羽詰まっているようでしたので、すぐに下見に伺いました。それで分かったことは、人数は、150名、当日は、別の宴会も有るため、プロのヘルプは無理等など。
いつも、たった一人で全国に伺っていますので、普通なら、不可能ですと断るところでしょうが、あまりにオーナーが悲痛な面持ちだったものですから、「やれます!任せて下さい。」と即答してしまいました。
帰りの船の中では、「なんて無謀な返事をしてしまったのだろう」と、自己嫌悪に陥りましたが、新潟駅から新幹線に乗り換える頃には、「絶対に成功させてみせるぞ!」と前向きな気持ちに変わっていました。
万全の準備に一週間以上かけ、当日の助っ人は、普段、部屋掃除等をしているおばちゃん達でしたが、ボクの緊張感を感じ取って頂き、本当に良く動いてもらいました。
披露宴は、大成功で、その模様は、夕方のフジテレビ系のニュースと、産経新聞でも紹介されました。