ミャンマーで反政府デモを取材中に銃撃され、死亡したカメラマンの長井健司さんが契約していたAPF通信社の山路徹代表が、遺体と対面、銃撃現場を訪れるためにヤンゴンに向かったというニュースを見て、10年前に「GQjapan」という雑誌で、一緒に並んで取材して頂いたことを思い出しました。
山路さんご自身も、20年ほど前から、遥か海の彼方で起こった民族紛争の惨状の数々を、その目に焼き付け、現状を正確に伝えてきた「日本人ジャーナリスト」の御一人なのです。
死の恐怖と背中合わせの戦争報道ですが、彼を戦場へと駆り立てる物は一体何なのか?山路さんの答えをかいつまんで言いますと「メディアが報道し、視聴者の世界観をつくりますが、伝える側の都合で、世界観はいくらでも歪められてします。例えば、アメリカのCNN等は、アメリカ人の感情と利害でニュースを「制作」しているわけですから、外電の映像を日本で流しても意味が無く、日本の伝統や歴史を共有出来る人間が日本語で伝えなければ、日本においての真の報道にはなりえないのです。」
ボクも海外で、現地のニュースをよく見ますが、山路さんのおっしゃることは、とてもよく理解出来ます。
長井さんの件は、とても残念ですが、山路さんのジャーナリスト魂と、報道の為の険しい戦いを、これからも応援していきたいと思っています。日本人ジャーナリストの貴重な財産、長井さんに合掌致します。