イタリアも日本と同じように南北に長いため、地域ごとに料理の特徴も異なります。例えば、北イタリアでは、酪農業が盛んですので、チーズ・バターを使った料理が多くなります。
「ミラノ風リゾット」と言えばサフランで香り付けし、たっぷりのバターとチーズでリッチに仕上げますし、「ミラノ風カツレツ」と言えば牛肉を薄く延ばして作ったカツレツを、フライパンに多目に入れたバターでパン粉を香ばしく焼くように仕上げます。
今回は、北のミラノから入り、南のローマから帰るコースでしたが、南下するにつれ、料理の特徴がはっきり変化する様子を見てゆくのは、とても楽しく興味深いですね。世界的にも、これだけ物流システムが発達し、地産地消がどんどん失われつつある現在ですが、イタリアでは各地に、地元の人々に愛され続けている郷土料理がしっかり残されており、子供も大人もみんなそれを美味しそうに食べている、そんな光景がなぜか新鮮に、羨ましく見えてしまいます。