フランス修行時代の思い出のもう1品は「Filet de daurade sauce vin blnc」 (真鯛のムニエル、白ワインソース)です。
このソース、微塵切りのエシャロットと白ワインを合わせて、かなり煮詰め、少し魚の出し汁を
加えてから、クリームとバターをふんだんに加えて仕上げるのですが、フランス・リヨンで初めて食べた時の感動は、忘れられません。
渡仏前に、日本でも同じソースは食べていましたが、本場の味は想像以上の美味しさ、インパクトだったのです。
作り方は同じはずなのに、「コク・酸味・まろやかさ」の全てにおいて「こんなにも違うのはなぜ?」と、ずっと疑問を抱いていましたが、やがて分かりました。素材が違うのです。
バターもクリームもフランス産は水っぽさが無く、濃厚で美味しいのです。
最近では、日本でも上質の乳製品が入手出来るようになりましたが、このソースを作る度に当時
のフランスを思い出し、初心に帰ります。