寒い店外で90分待ち、やっと中に入りますと、そこは、メジャーリーグのスタジアムかと思うくらいの盛り上がりようでした。何しろ、ウエイター氏が広い食堂内を、焼きたてのロールパンを乗せた台車片手に動き回り、次々に手を伸ばすお客さんにパンを投げ込んで行くのです。まだメニューも開かず、座ったばかりだというのに、挨拶代わりに、我々の所にもパンが投げ込まれ、キャッチしますと、これがフワフワで温かい!料理のオーダーをする前から、その美味しさに、思わず、数個、食べてしまいます。
あとで、支配人さんに尋ねましたら、朝の9時から夜の9時まで、パンを一日中焼き続けているそうで、多い時には8000個以上になるそうです。
でも、なぜ投げるようになったのでしょう?理由を聞きましたら、30年程前からランチタイムに、お客さんが殺到するようになり、人手不足で、どうにも丁寧なサーヴィスで対応出来ない。すると、お客さんの方から、「時間が無いから、パンを投げて!」とリクエストされるようになったのがきっかけだそうです。
それからは、全米のあらゆるテレビ局の取材を受けるようになり、どんどん有名になっていったようですが、これを日本に持ち込んだらどうでしょうか?おそらく「食べ物を粗末に投げるな!」とお叱りをうけそうですよね(笑)