伊豆・稲取温泉では、雛祭りの際、雛壇の両脇に一対のつるし飾りを飾る風習が、古く江戸時代から現在まで続いています。同じような風習は、山形・酒田や九州・柳川にもありますが、子供達の健やかな成長を願う親心は日本全国、誰しも一緒で、おそらく昔は貧しくとも、何とか端切れを集めて、一生懸命におばあちゃんやお母さんが心を込めて小さなお雛様を手作りし、狭い部屋の中、工夫しながら吊るして飾ったのが最初ではないかと思います。各家庭ごとに違う、味わい深い伝統の「つるし雛」。それらから、祖先の家族を大切にする暮らしぶり、心の豊かさが伝わってくるような気がします。
写真は沼津御用邸公園に展示されている「つるし雛」でして、4月3日まで飾られていますので、是非、多くの子供達に見せてあげたいですね。