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2008年04月 アーカイブ

2008年04月05日

アメリカ・アーカンソーの「リンゴの花」

この時期、アメリカ南部のアーカンソーを歩いていますと、「桜並木かな?」と思うような、白くて綺麗な花々をまとった樹木をあちこちで見かけます。
地元の方々数人に、木の名前を尋ねたのですが、意外にも、みなさん知らないのです。「帰国するまでには知りたいな」と思っていましたら、今回の仕事先であるアカデミーの別館にある「幼稚園」の廊下で正解を発見致しました。「灯台元暗し」のことわざではないですが、最初から子供達に聞けば良かったのですね。
「Apple Blossom(リンゴの花)」確かに、我がスタジオの農園で6月頃に咲く「リンゴの花」と同じように白く可憐な花びらで、「秋には、さぞかし、美味しいリンゴの実がなるのだろうな」と思っていましたら、学長先生いわく、「この木は、残念ながら、いわゆるリンゴの木とは違い、果実は付かないんですよ。」
なるほど!それで、大人が名前を知らない理由が理解出来ました。リンゴの実がなれば、誰でもその木の名前くらいは分かるはずですからね。


アメリカの子供達に「食育・料理教室」

アメリカ・アーカンソー滞在中には、何度か、現地のお子さん達に「食育」のお話をしたり、「料理教室」も開催致しました。
元々、日本とは「食文化」も違いますし、体内(特に消化器官)の構造、味覚も違いますから、「日本流」を押し付けるのではなく、まずは、アメリカ人の目線に立ち、彼らと同じ「食」を経験しながら(かなりきついですが)、語りかけることが大切なのではないでしょうか。
写真は、「オムレツ教室」の風景です。「中に入れる具材は何がいいかな?」と聞きましたら、皆、即答で「ハムとチーズ」。「了解(笑)」。だけど、「1人位「野菜!」って言う子がいてもいいのになぁ」と、内心ぼやきつつ、見本を作り始めますと、子供達は「かなり真剣な眼差し」で、私の手元を見つめていました。
ハムは、事前にオリーブオイルでソテーし、アメリカ流にケチャップとステーキソース、バーベキューシーズニングを加え、仕上げにチーズを入れてみましたが、これが意外に美味しいのです。
溶き卵は、塩・胡椒で軽く下味を付け、高温のフライパンで一気に仕上げるコツを「身振り手振り」で教えますと、子供達は、飲み込みが早く、初めてにしては上手く出来た子が多かったと思います。
付け合せは、これもリクエストに応えて、アメリカ流のスイートなシナモンロールにしました。「次回の付け合せは、ヘルシーなグリーンサラダだよ!」と、試食の時に言っておきましたが、どこまで分かってくれましたかね(笑)


2008年04月06日

アメリカの高校生達に「食育・料理教室」 (1)

アメリカ・アーカンソーのハイスクールで「食育講演会&料理教室」を開催致しました。
日本とは違い、肉食中心の「メタボな食生活」を続けている彼らに、どこまで理解してもらえるか、「自信半分、不安半分」という状態でスタートしましたが、彼らにも「和食はヘルシーらしい」という認識は有り、日本の伝統食・調味料の話には、かなり興味を持って貰えました。特に、アーカンソー周辺では、水田が多く、お米も良く食べているようですので、日本流のお米の炊き方や美味しくヘルシーな食べ方を説明致しますと、みなさん、メモを取りながら、熱心に聴いて下さいました。
日本では「お米が主食(メイン)」という考え方は「メインは肉料理」である彼らにとって、初めは理解しずらいようでしたが、最後には分かって貰えたようで、良かったです。
「料理教室」の方では、「醤油」を使った簡単レシピを2品ご紹介致しました。まずは、和風仕立ての「野菜たっぷりミネストローネスープ」ですが、彼らは、豆を良く食べますので、身近にある物を3種類ほど、具材として加えました。
もう1品はマカロニですが、味付けは、シンプルに塩・胡椒・醤油とオリーブオイルのみです。彼らの発想ですと、ケチャップやマヨネーズ、バーベキューソースなどの「濃い味」を加えたくなるところでしょうが、野菜をたっぷり加え、素材の旨みを味わってもらいました。2品共、想像以上に好評だったと思います。
今回の「食育講演会&料理教室」が、少しでも彼らの参考になり、「ヘルシーな食生活」につながれば嬉しいですね。


アメリカの高校生達に「食育講演会&料理教室」 (2)

じつは「料理教室」では、もう1品、日本の伝統調味料である「味噌」を使った「和風パスタ」をご披露する予定でした。ところが、前日、近くの大型スーパーマーケットに仕入れに行きますと、どこにも「味噌」が無いのです。店員さんに尋ねますと「数日前に売り切れました」との冷たい返事。「こんなことなら、こちらに到着した初日に買っておけば良かった!」と、一瞬後悔しましたが、「無い物は仕方ない!」と気持ちを切り替え、「代用品」を探しました。
ここで、みなさまでしたら、何を使いますか?本当は、「坦々麺」の応用で、ゴマペーストを使いたかったのですが、それも無い。そこで、意を決し、大量に陳列されている「ピーナッツバター」を使うことにしました。その判断までに費やした時間は30秒くらいでしょうか(笑)「裏ワザシリーズの本を出していて良かった!」とつくづく思いました(笑)しかし、それだけでは、「味噌味」にはなりませんよね。「豆系統のコクが欲しい!」と迷っていましたら、これまた大量に陳列されている「チリビーンズ」を発見しました。「これだ!」と数個手に取り、あとは「トマトソース」「ガーリックパウダー」「醤油」などを買って、早速キッチンで試作です。(続く)



アメリカの高校生達に「食育講演会&料理教室」 (3)

これから作る「味噌風パスタ」につきましては、初日の挨拶で、全校生徒・職員、合わせて300人を前に「自信作ですので、是非、試食して下さい!」と、軽率にも(?)宣言してしまい、「大喝采」を頂きましたので、「もはや失敗は許されない状況」、今迄味わったことの無い、かなりのプレッシャーでした。何しろ、味噌が無いのに「味噌パスタ」を作るのですから。
試作中のキッチンには、美味しそうな匂いを嗅ぎ付けてか、何人もの職員のみなさんが覗きに来るのですが、この時ほど、「覗かれたくない!」と思ったことはありませんでした(笑)
試行錯誤の末、「なんちゃって味噌ソース」は完成し、無事に300人のみなさんにご試食して頂きましたが、これが「大好評」で、びっくりしました。
最初は、「社交辞令かな?」と思っていましたが、学生食堂の栄養士さんから「是非、定番メニューにしたいので、レシピを教えて下さい。」と真剣にリクエストされ、「これは、本当に喜ばれたんだ!」と、急に嬉しくなり、肩の荷が降りた気がしました。
あとで、思ったのですが、「味噌でなく、馴染みのあるピーナッツバターだから良かった」のかもしれませんね。



2008年04月11日

アメリカでPTA向け「食育・料理教室」

アメリカ・アーカンソーのアカデミーでは、親御さん向けの「食育・料理教室」も開催致しました。
メニューは、オリーブオイルが隠し味のヘルシーな「コーンブレッド」と、砂糖は使わずにオリーブオイルと天然塩で甘みを引き出した「リンゴのソテー」です。
コグレ流「コーンブレッド」は、生地に上質のオリーブオイルを加えますので、とても風味が良く、それだけで食べても美味しいので、バターやジャム等を食べる時に塗る必要が無く、そのヘルシー感が好評でした。
砂糖を使わない「リンゴのソテー」は、国内の料理教室でもご紹介し、いつも好評なのですが、それ以上に今回のみなさんには評判が良く、「感動的」だったようです。何しろ、一切の砂糖を使わずに、使った時以上の甘み、旨みを引き出すのですから、普段、大量の砂糖で調理していることと比較して、「これはマジック?今までは何だったのかしら!」と真剣に驚いている親御さんが多かったですね。「私は、日本一のオリーブオイルのマジシャンです!」とジョークで言いましたら「確かにその通りね!」と真顔で返されてしまいました(笑)
家族の健康のために「何を作り、食べさせたら良いのか?」を真剣に考えているお母さん方が思っていた以上に多く、「ヘルシーな和食」への関心、質問もかなり有りました。その時、私はこう答えました。「みなさんの食生活、食文化を否定するつもりはありませんが、日本人は、お米を中心として、控えめな味付けの野菜、魚料理を永い歴史の中で食べ続けてきました。その食生活が、「長寿国・ニッポン」の大きな原動力となっています。しかし、最近は、欧米型の食文化に憧れる子供達が増え、その結果、色々な病気が増えています。これを私は何とかしたいのです!」と。すると、みなさん、うなずいて「これからコグレさんには、日本だけでなく、日米両国で指導して欲しいわね!定期的に来て下さいね」これほど有難く、やり甲斐を感じるお言葉を頂けるとは思ってもいませんでした。頑張ります!



2008年04月15日

アメリカの素敵な授業風景

アメリカ・アーカンソー州のアカデミーでは、日本と比べますと、教室以外での「課外授業」が多く、今回の滞在中も、数回の「課外授業」を興味深く見せて頂きました。特に印象的なものとしましては、体育館で、小学5年生の生徒さん達が、歴史の授業の一環として、200年前の西部開拓時代に、現在の平和で幸せな世の中を創造するために、先人達がどれほどの苦労を重ね、大変な生活をしていたかを振り返り、改めて感謝の気持ちを深めようと、生徒さん達自ら、当時の衣装を用意し、幌馬車や当時の大変な農作業を体験したり、質素ではあるけれども、知恵を絞り、工夫を凝らした当時の食文化に触れ、その食事を実際に頂くという、とても素敵で感動的な授業に参加させて頂きました。
子供の頃から、このような貴重な体験を積んでゆくことが「将来への財産」になってゆくことは間違い無いですよね。



2008年04月30日

アメリカ・アカデミーのお昼休み

アメリカ・アーカンソーのアカデミーでは、お昼休みの時間になりますと、幼稚園児から高校生まで、同じカフェテリアでランチを取ります。その雰囲気は、とても和やかで明るく、低学年の子供達は、少し離れた、お兄さんお姉さん達の食卓を眺めながら、テーブルマナーや食べ方等、色々な事を学んでいるようで、とても微笑ましく思いました。
食事が終わりますと、生徒さん全員が体育館に集まり、先生方と生徒の代表で簡単な相談をして、これから行う「本日のリクレーション」を決めます。それは、例えば、バスケットボールだったり、ミニサッカーだったりするのですが、この日は、プラスチック製のバットとボールを使ったミニ野球に決まりました。
先生チーム対生徒代表チームの戦いでしたが、私も急遽、先生チームに入れて頂き、二度、バッターボックスに立たせてもらいましたが、この時の声援が物凄い盛り上がりようで、気分は「ヤンキースタジアムで4番を打つコジラ・松井選手」のようで、最高でした(笑)
こんなに楽しく、自分の存在感と、学年を超えた連帯感を感じることの出来るアカデミーは素晴らしいと思いましたし、日本の学校も参考にすべき点が多いのではないでしょうか。




アメリカで、サロン風「オリーブオイルクッキング」

今回のアメリカ・アーカンソー滞在でお世話になったアカデミーの先生方へのお礼の意味で、キッチンが広めな先生のお宅をお借りし、「ホームパーティー風・ヘルシー料理教室」を開催させて頂きました。
まずは、オリーブオイルの効能や上手な使い方の御説明をさせて頂き、その後、みなさんと御一緒に楽しくお話しながら、お料理を作らせて頂きました。
そのメニューは?と言いますと、まずは、「プチトマトのピザトースト」です。プチトマトは、オリーブオイルをかけて焼くことにより、とても旨みが増します。次のサラダも、ドレッシングは、シンプルに3対1の割合で合わせたオリーブオイルとバルサミコ酢だけですが、とてもコクが有り、好評でした。
殻付き海老は、醤油とオリーブオイルで30分位マリネし、そのまま高温のオーブンで軽くローストしたのですが、海老の甘味が充分に引き出されていて、美味しく、一番人気でした。
チキンは、白ワインと醤油、オリーブオイルであっさりと40分程煮込み、野菜たっぷりのパスタを添えました。
どの料理も軽いのですが、旨み、コクが凝縮しており、「ヘルシーで美味しい!」と喜んで頂けました。
このパーティーの翌日、みなさんと「来年の再会」を約束し、2週間の滞在を終えて帰国の途につきましたが、14時間に及ぶフライト中は、「来年は何をご披露させて頂こうか?」と、色々なメニューが頭の中を駆け巡り、なかなか寝付けませんでした。しかし「取り合えず、帰国して、ざるそばを食べてから考えよう」と思い直すと、すぐに爆睡出来て良かったです(笑)





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