10年以上前に国際オリーブオイル協会からのお招きで、初めてアンダルシア地方のオリーブ農園を周らせて頂いた時のこと。ある農園で、オリーブオイルのテイスティングの際に、いつものスライスしたバケット、リンゴの他に、表面がしっとりとした、見事な霜降りの生ハムが並んでいたのです。
それを一口食べてびっくりしました。スペイン産の生ハムと言いますと、イタリア産のそれに比べて、乾燥・熟成期間が長いために、「硬い」イメージがあったのですが、この生ハムは全く違いました。口の中で「フワッ」と溶け、「独特の香り」が広がるのです。
こんなに美味しい生ハムは、初めてでしたので、農園のご主人に尋ねましたら「ハモン・イベリコ」という答えでした。「ハモン」は生ハムの意味ですから、「イベリコ豚を使った生ハム」ということなのですが、今だにその時の味が忘れられずに、今回も美味しい「ハモン・イベリコ」を求めて各地の「バール(居酒屋さん)」をハシゴしました。お店によって、微妙に味は違うのですが、コルドバの「メスキータ」近くのバールで食べた「ハモン・イベリコ」が今回の旅では、値段も良心的で一番美味しかったように思います。
じつは、この生ハム、脂肪の組成が、オリーブオイルの成分にとても近いのですが、そのお話は(2)でさせて頂きます。