世界的に見て、オリーブオイルの生産国は、地中海沿岸諸国に集中しています。
その中でも、全生産量の40%を占めるのは、スペイン南部・アンダルシア地方産のオリーブオイルで、品質の良さでも知られています。最近、我が国でも、スペイン産のオリーブオイルを見かけることが多くなりましたが、10年程前までは、商売上手なイタリア人が、原材料(オリーブの実)をスペインから大量に買取り、イタリア国内で搾って、「イタリア産オリーブオイル」として売ることが多かったのです。
そんなところにも、「おおらかで商売っ気の無い」アンダルシア人気質が出ていると思っていましたが、最近では「美味しいところだけイタリア人に持っていかれることは無い!」ということに気が付き、スペイン国内の自社ブランド・製油場が急速に増えて、日本にも輸出されるようになってきたのです。
アンダルシア地方を周っていますと、今秋も多くの実を付けそうな大木に混じって、将来を見据えた小木も年代ごとに植えられています。オリーブが実を付け始めるには、10年以上かかると言われていますが、生産効率のみを追求して焦ることなく、大自然の中でじっくり時間をかけて、良質のオリーブを収穫しようとする姿勢、これこそが、2000年以上も前から先祖代々受け継がれて来た「スローフード」の基本ではないでしょうか。
最初の写真は「ミハスの高台から望む雄大な地中海とオリーブの木々」2番目は「将来を見据え、年代ごとにきちっと植えられているオリーブの木々(車窓より)」最後は「スペイン・アンダルシアブランドの上質なオイルの数々」です。