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スペイン・中世の風情漂う「トレド」の街並み

三方を「タホ川」に囲まれ、クレタ島生まれの画家「エル・グレコ」が後半生を送った、16世紀頃の佇まいを今も残す、世界遺産の街「トレド」を初めて訪れたのは、今から15年位前のことでした。
夕闇迫る頃に、トレドの駅に着き、古い建物がぎっしりと並ぶ、迷路のような道を歩いていますと、あたかも中世の時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るほどの「素晴らしい空間」だったことを鮮明に覚えています。初めて食べた「マジパン(アーモンド風味のケーキ)」の美味しさも衝撃的でした。
もし、スペイン国内で、「一箇所だけ訪れることが出来る」としたら、迷わずに「トレド」を選ぶと思いますし、今回も、トレドに立ち寄ることが出来て、とても感慨深いものがありました。
お昼前に到着した「トレド」の街並みは、以前と変わらずに雰囲気があり、とても素敵でしたが、「何か」が変わっている感じもしました。小道を歩きながら、それを考えていたのですが、やがて、分かりました。地元住民が少なくなり、シャッターを閉めたままのお店が多くなって、ここに住む人々のざわめき、明るい会話が無くなってしまったです。
日陰で涼んでいたおじいさんに、そのことを聞いてみますと「旧市街は不便だからね。道は細くて、車も入れないし、ウチの子供達も、郊外のマンションに引っ越してしまったよ。」と、とても寂しげな表情でした。
たまに訪れる観光客にとりましては、「車の無い時代に出来た、車も入れないような街並み」が魅力的なのですが、毎日の生活となりますと、やはり、苦労も多いのだろうなと思います。でも、人々がそこで生活していて、はじめて街も活きてくるのですから、何とか「トレド」の素晴らしい街並みを残していって欲しいと思います。



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2008年07月24日 15:37に投稿されたエントリーのページです。

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