10月下旬に、南イタリア・シシリアの名門オリーブ園に伺い、「素晴らしい新オイルの味見」をして来ましたが、パレルモ滞在中には、市内にある大きな市場3ヶ所(カポ、バラッロ、ブッチリア)を隅々まで歩いて回り、新鮮な旬の食材が豊富に揃う店先から「南イタリアの冬の訪れ」を肌で感じ取ることが出来まして、とても嬉しかったです。
そして、何度も来ているパレルモの市場ではありますが、今回、改めて気付いたことがありました。それは、「買い物客の殆んどが男性である」ということです。
イスラム圏の国々では、女性はあまり外出しないため、市場に買い物に来るのは、殆んどが男性ですが、シシリアはイスラム圏ではなく、少し不思議な感じがしましたが、私自身が自分の買い物をしているうちに、その理由が分かってきました。
日本であれば、殆んどの皆さんは、車でスーパーマーケットに行き、入口に近いパーキングに駐車して、買い物用カートを使い、同じスーパーマーケット内で全ての買い物を済ませ、自分自身で重い荷物を長時間持ち歩くことはあまり無いかと思いますが、パレルモの旧市街にある市場は、古い歴史があり、車社会が普及する前から建っていますので、まず、車が近くまで入って行くことが出来ません。
そのため、買い物客の皆さんは、石畳の狭い道を歩いて来るわけですが、この石畳は、結構疲れますし、カートを転がして来るのが難しいので、買った物は、自分の手で持って帰らなければなりません。
しかも、お店は、八百屋、魚屋、肉屋・・・等、分かれているために、一箇所で買い物を済ますということが出来ないのです。量的にも、日本であれば、少量のパック入りで、必要な分だけ購入出来ますが、イタリア(殆んどの海外)では、「量り売り」なため、キリのいい量まで、お店の人に、たくさん詰め込まれてしまうのです(笑)たとえ、その中にキズ物が入っていても、ちゃんと代金を払うのがイタリア流ですから、こちらでは「良い物に換えてよ!」と文句を言ってはいけません(笑)
この様な状況で買い物をしていますと、アッと言う間に重い荷物が増え、とても女性が石畳を歩いて持ち帰るのは大変ですので、「買い物は、お父さんの役割」というのが、古くからのこちらの習慣のようです。買い物慣れしているお父さん達の「食材を選ぶ眼」は、真剣その物で、素晴らしいことだと思いました。日本の男性も見習ったら良いですね。
週末の「蚤の市」も見て回りましたが、こちらも殆んどが男性で、商品も男性が好きそうな物が多かったです。