最近は、地域活性化のお手伝いをさせて頂くために全国を訪れる機会が増えてきましたが、先月下旬には、鹿児島県阿久根市を訪れ、「地場野菜や薩摩地鶏を使った商品開発」の仕事をさせて頂きました。豊かな自然の中で栽培されている有機野菜や、柑橘類には、しっかりとした力強さがあり、とても美味しくて、健康的に育てられている薩摩地鶏との相性も抜群でした。
素晴らしい食材を前にして、瞬間的にメニューを考えるのは大好きでして、私の最も得意とするところですが、今回も創作意欲が大いに掻き立てられましたので、その時の模様を何回かに分けて報告させて頂きます。
まずは、すべての料理の基本となる「ブイヨン」の取り方です。鶏がらは、丁寧に血合い部分を取り除き、少しの天然塩を加えた水から煮出してゆきます。一度、沸騰させ、アクをとり除いてから、旨味を補うための香味野菜(人参、玉葱、セロリ、にんにくなど)と、ブーケガルニ(タイム、ローリエ、丁子、パセリの茎などをガーゼで包んだ物)を加えて、通常は、中火で4時間以上煮てゆくのですが、素材が良いためか、今回は、2時間位で、美味しい「ブイヨン」に仕上がりました。
「ブイヨン」のことをフランス語では「フォン」とも言いますが、これは「土台、基礎」という意味です。ブイヨン(土台)がしっかりと美味しければ、あとは、どんなアレンジを加えても、美味しい料理が出来ますので、地味で手間のかかる仕事ですが、手抜きをしてはいけないということだと思います。