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鹿児島県阿久根市で「薩摩地鶏の商品開発」 (2)

元気に育つ「薩摩地鶏」を見ていましたら、今から24年前の、私のフランス・リヨンでの修行時代を思い出しました。
「リヨン」と言えば、伝統的なフランス料理に出合うことの出来る「美食の街」として世界的に知られており、フレンチの神様、ポール・ボキューズ氏のレストランをはじめ、多くの有名レストランがリヨン周辺にありますが、そこで味わうことの出来る「名物料理」のひとつに「ブレス産地鶏のポトフ、地場野菜添え」があります。
リヨン近郊の「ブレス地方」は、地鶏の名産地として有名で、私も修行時代に見学に行きましたが、阿久根市の「薩摩地鶏」を見ていましたら、急に24年前の記憶が甦り、とても懐かしい気持ちになりました。
そこで、当初は予定にありませんでしたが、急遽、丸鶏をご用意頂き、フランス時代を思い出して、伝統的な料理方法による「薩摩産地鶏のポトフ、地場野菜添え」を作らせて頂きました。
作り方は、とてもシンプルですが、逆に言えば、素材の良し悪しに大きく左右される、ごまかしの効かない料理で、フレンチのエッセンスが凝縮された、私にとりましては「壁にぶつかった時に、初心を思い出させてくれる」心の拠り所となる、素晴らしい料理です。
まず、深めの鍋に水と天然塩を入れ、丸鶏と香味野菜(人参、玉葱、セロリ、長葱)、ブーケガル二(タイム、ローリエ、丁子、パセリの茎など)を加えて、煮込むだけなのですが、火加減に注意しながら、丁寧にアクを取っていくことが大切です。スタートは、水と塩だけでも、色々な素材を合わせて、その旨味を凝縮してゆくことで「素晴らしい味、新しい味」を生み出すことこそ、フランス料理の真髄なのではないでしょうか。
よく「小暮さんの料理は、何料理ですか?」との質問を頂きますが、私の中では「料理法、その発想、テクニックは、フレンチの方程式で、使う食材は、その土地の物」という考え方で一貫しています。
もっと分り易く言えば、日本では、日本の新鮮な食材を使い、フレンチでも和食でもない「コグレ流の創作料理」ということになりますが、先日、私の料理を何度も食べて下さっている方がこう言っていました。
「小暮さんの料理は、安心できる味なんですが、どこか斬新で、食べてみないと分らない、新しい美味しさですね」と。
とても有り難いお言葉、まさしく、私もその通りだと思います。
ポトフには、オリジナルの「ボンタンソース」、「辛子味噌ソース」、「柚子胡椒ソース」、「梅シソソース」を添えてみました。


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2009年03月09日 10:12に投稿されたエントリーのページです。

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