今回、参加して頂いたみなさんは、小学校低学年の小さなお子さん達が中心で、普段、包丁を使うことが少ないようでしたので、「包丁を使って食べ易い大きさに野菜を切ることの大切さ」を理解して頂くために「正しい切り方」のご指導には、かなりの時間を費やしました。もしかしたら「<切り方>だけで2-3時間の教室を開催しても良かったかもしれない」と思えるくらい、お子さん達は、熱心に、そして楽しそうに野菜と格闘してくれました。
全国で「キッズお料理教室」を開催していますが、親御さん達の中には「手を切ったら困るので、(まだ小さい)ウチの子供には包丁を持たせないで下さい」とおしっしゃる方もいらっしゃいますが、私は、そうは思いません。我々、プロの料理人も、何度も痛い思いをしながら、包丁の使い方を体で覚えて来たわけですし、子供の頃に「料理を作る大変さ」を体験することで、「食」や「それに携わって下さった多くの方々」に対する感謝の気持ちが生まれ、「自分も人々から感謝されるような人間になろう」という、熱い気持ちが芽生えるのです。少なくとも、私がそうでした。
つまり、自分で(切り方などを)考え、お料理することは、「子供の頃の人間形成」に欠かせない、とても大切なことだと思うのです。
この日は、私の指導が良かったためか(笑)、手を切るお子さんはいませんでしたが、これからも、繰り返し包丁を使って、お家で朝食の「味噌汁」などを作り、「ご家族から感謝される醍醐味」を味わってほしいなと思います。
会場には、生後数ヶ月の赤ちゃんもいましたが、お兄さん、お姉さんが作ってくれた「愛情たっぷりの野菜スープ」を、本当に美味しそうに飲んでいました。手をかけた本物のお料理の良さは、赤ちゃんにも伝わるのですね。見ていた私も、とても嬉しくなりました。