« 2009年11月 | メイン | 2010年01月 »

2009年12月 アーカイブ

2009年12月21日

小豆島オリーブ収穫祭 (6)

午前中に収穫したオリーブの実は、素早く岬工房さんの搾油所に持ち込まれ、早速、本場スペイン製の最新型の機械で搾り始めました。
オリーブオイルの作り方は、「ただ、潰して搾るだけ」と、とてもシンプルで明快です。
添加物を入れ、脱臭、脱酸、脱色など化学処理して人工的、均一的に作られる他の種子油とは違い、オリーブオイルは、「オリーブの実の上質なフレッシュジュース」ですから、例えば、オレンジジュースにも色々な味わいがあるように、オリーブの種類が違えば、味も変わりますので、「数種類のオリーブの実のブレンドの割合や、その熟成加減をどうするのか?」が、その搾油所の腕の見せ所になりますし、何よりも「オリーブオイルには、旬がある!」ことが、自然の摂理に合っていて、とても素晴らしいことだと思います。
今回も、御醤油や和風出汁に合う、とても美味しいオリーブオイルが搾れました。
「これも、手早い収穫に御協力して頂いた皆様のおかげです」と、心より感謝しております。
北半球では、10月中旬から11月上旬にかけてが、短い収穫の時期ですので、そう簡単に、旬の搾り立てオイルを味わえるわけではありません(笑)ので、参加して頂いた皆様には、お料理する前の新鮮で濃厚なオイルをパンに漬けて味見して頂きました。
ヨーロッパのトップクラスのオイルにも負けない、本当に風味豊かで美味しいオイルでしたので、試食した皆様からは「初めての味!」、「美味しい!」と、次々に大歓声があがり、一生懸命に準備して下さった岬工房さんも、とても嬉しそうで、「1年前から、このイベントを企画して本当に良かった」と、私まで、幸せな気持ちになりました。





小豆島オリーブ収穫祭 (7)

今回のメニューは、「すべて、地元産の食材だけ」で作りました。
もちろん、野菜は、有機無農薬。さらに、魚介類もすべて近海で獲れた天然物ばかりですし、しかも、漁師さんの顔や考え方まで分っている。(笑)
今の時代、これって、物凄く贅沢なことだと思いませんか?
「完全なる地産地消」は、言うのは、たやすいですが、そう簡単に出来るものではないことを、私自身、全国を回って、身をもって実感しています。
小豆島には、それだけ豊かな自然、食文化が遺されていることの証だと思いますが、参加者の皆様からの有難い食材の差し入れも多く、お料理していて、本当に楽しく、勉強になりました。
この3日間、皆様の温かい御協力もあり、こんなにも喜んで頂けて、「本当に、このイベントを開催して良かった!」と、心より感謝しております。「来年もやりましょうね、土居さん!(笑)」
「NHKワールドTV」のスタッフの皆様も、長時間に及ぶ撮影を有難う御座いました。私も、機材を運ぶお手伝いを、何度か、させて頂きましたが、とても重く、特に、カメラマンさんと音声担当の方は、お疲れになったのではないでしょうか?番組も見させて頂きましたが、とても良い内容にまとめて頂きました。編集作業も大変だったと思いますが、担当ディレクターの常井さんの英語のナレーションも素晴らしかったです。
この番組を通して、全世界の皆様に「オリーブオイルと日本の伝統的な食文化の融合の素晴らしさ」をお伝え出来たのなら、こんなに嬉しいことはありません。
これからも、微力ながら「食を通した世界平和」の実現に向け、頑張りますので、宜しくお願い致します。





2009年12月27日

信濃毎日新聞・洋食の定番(12月) 「チキンと冬野菜のポトフ」

信濃毎日新聞に、好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」、12月のメニューは「チキンと冬野菜のポトフ」です。
私が書いたエッセーとレシピを御紹介させて頂きますので、是非、皆様もお試し下さいませ。
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
朝晩の冷え込みも厳しくなり、今年もあと数日となりましたが、皆様はお元気でしょうか。
寒い時期には、体を芯から温めてくれる「熱々の食べ物」が恋しくなりますが、そんな時に皆様でしたら、何を作られますか?「お鍋」や「おでん」でしょうか。
今回は、「チキンと冬野菜のポトフ」をご紹介させて頂きますが、分かり易く申し上げるならば、「西洋風おでん」と言ったところでしょうか。
私が修行したヨーロッパも、冬の寒さは厳しく、「ポトフ」は、冬場の食卓の団欒に欠かせない「熱々定番料理」のひとつです。
ただし、ヨーロッパでは、日本のようなバリエーションに富んだ練り物を加えることは無く、大抵はチキンやベーコンで出汁をとり、地元で収穫された玉葱、人参、じゃが芋を加えるくらいの、とても質素な内容なのですが、これが、しみじみ美味しくて、初めてフランスのリヨンで食べた時には、その奥深さに感動致しました。
私が働いていたリヨンの名門レストラン「メール・ブラジエ」でも、人気メニューのひとつに「地鶏のポトフ」がありましたが、朝一番の厨房では、幾つもの大きな寸胴鍋に水と天然塩を入れて沸かし、たくさんの地鶏を丸ごと茹でていくのが日課でした。
そのあとには、付け合せとなる野菜の下拵えをしてゆくのですが、ヨーロッパでは、日本のように「綺麗で同じサイズの物だけ」ということは有り得なく、キズがあったり、サイズや形がバラバラなのは当然でしたので、茹で加減を同じにするために、キズを除いたり、大きいものは半分に切ったりするのが、慣れるまでとても大変でした。(笑)
でも、自然の摂理に従えば、形や大きさが違うのは、ごく当たり前のことで、その命を頂く私達が、食材に対して感謝の気持ちを持ち、時間と手(愛情)をかけて食べ易く料理することが、とても大切なのではないでしょうか。
私も「食育活動」を通して、未来を担うお子さん達に、そのことを伝えて行きたいと思っています。
さて、今回のレシピのポイントですが、鶏肉には、ボイルする2時間以上前に塩・胡椒を振っておきます。こうすることで、生臭みの原因となる余分な水分を除くことが出来ますし、鶏肉本来の旨みを引き出すことが出来るのです。
加える野菜は、その時に手に入る物だけで結構ですが、歯応えも大切ですので、面倒でも、一種類ずつ下茹でしてから、スープに加えますと、見た目にも美味しそうで、華やかな感じになります。
そして、「仕上げにオリーブオイルをかける」のも大切なポイントです。こうすることで、グッと素材の旨みが引き立ち、食べた時の満足感が得られると思いますので、是非、お試し下さい。
 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
<材料・2人前>
(A)
・鶏もも肉 250g  ・塩、胡椒 各少々  

(B)
・水 600cc  ・日本酒 大さじ3杯 ・醤油 大さじ2杯  ・味醂 大さじ2杯
・(出汁用)昆布 15g

(C)
・玉葱 1/2個  ・人参 1/2本  ・大根 1/6本  ・牛蒡 1/4本  
・ブロッコリー 1/5個  ・カリフラワー 1/6個  ・カボチャ 1/8個 
<注> 野菜類は、中サイズを基本とする。

(D)
・オリーブオイル 大さじ2杯

<作り方>
①鶏もも肉は、一口大にカットし、塩・胡椒を振っておく。
②(B)のすべての材料と、①を合わせて鍋に入れ、中火で20分ほど煮る。
③(C)の野菜は、それぞれ一口大にカットし、少し歯応えを残してボイルする。
④③のうち、ブロッコリー以外の野菜を②に加え、さらに10分ほど煮る。
⑤最後に、ブロッコリーを加え、軽く温めて出来上がり。
⑥器に盛り、お好みでオリーブオイルをかけて食べる。





2009年12月30日

富士山の麓で「法事のお持て成し」

11月上旬に「オリーブ収穫祭」を開催致しました小豆島から戻りますとすぐに、静岡県富士宮市に伺い、雄大な富士山の麓にある、別荘風の素敵なお宅で「法事のお持て成し」のお料理を作らせて頂きました。
「法事」と言いますと「フレンチ?それとも精進料理ですか?」との御質問を受けることがありますが、私のお料理は、元々、お野菜中心で、クリーム、バターを控えた和風テイストの食べ易いお味ですので、御高齢のお客様でも、お箸を使って安心して召し上がって頂けますし、逆に、お野菜を食べ慣れていない小さいお子さん達にも、親御さん達がビックリするほど好評ですので、幅広い年齢層の皆様が集まる「法事のお持て成し」には、ピッタリだと思います。
特に、お坊さんがお食事に参加される場合には、お坊さんに一番喜ばれるのも事実です(笑)。確かに、法事では、お寺の近くで頼む、ワンパターンの仕出し弁当が多いですからね。
「法事」の場合でも、お客様からリクエストがあれば、「オリーブオイル、ワンポイントセミナー」を開催致します(笑)。セミナーと申しましても、上質なオリーブオイルの風味の解説と、お化粧品としての効能をお話するだけなのですが、これがとても好評でして、今回の皆様も、一生懸命にお顔や手にオイルを塗って下さり、楽しい雰囲気の中で、その良さを実感して頂きました。
皆様、どうも有難う御座いました。このご縁に心から感謝しております。



群馬県藤岡市で、ラジオがご縁の「お誕生日の出張料理」

11月中旬に群馬県藤岡市のお宅に伺い、「お母さんのお誕生日会」のお料理を作らせて頂きました。
「今回、呼んで頂いたきっかけは?」と言いますと、5月27日に生出演させて頂いたNHKの人気ラジオ番組「ラジオビタミン」内での、私のロングインタビューを聴いて、とても感激して下さったお母さんの一言だったそうです。
お嬢さんに「ねぇ、私が死んだら、法事のお料理は、是非、小暮さんに頼んでね・・・・。」
それに対して、お嬢さんは「何言ってるのよ!お母さんが直接会って食べなかったら、意味が無いでしょ」
と言うことで、お嬢さんが私のHP、連絡先を探して下さり、半年前の5月末日に、この日の出張料理が決まったのです。
お食事会には、元気の良いお孫さん達も集まって下さり、とても賑やかな雰囲気の中での、楽しいひと時になりました。
特に、お料理の準備をしていますと、お子さん達がキッチンの私を取り囲むように集まって来て、興味深く、色々な質問をしてくれるのですが、その内容が、いかにも子供らしい感性で微笑ましく、思わず、私自身の子供の頃を思い出してしまいました(笑)。
食器棚には、お子さん手作りの素敵なお皿がありましたので、パン皿に使わせて頂きましたが、私も小学生の頃に、手作りのお皿に絵を描いて先生に褒められた記憶が甦ってきました。
「子供を褒める」って、とても大切なことですよね。その嬉しさが自信につながり、私のように40年以上経った今でも、その時の「感激」、「熱い気持ち」を心の支えにして頑張れるわけですからね。
これからも、子供の頃に褒められて抱いた「初心」を忘れずに、頑張りたいと思いますし、夢や志のあるお子さん達に出会ったら、どんどん、良いところを褒めてあげたいと思います。
この日のご縁に感謝致します。半年も前から呼んで頂き、本当に有難う御座いました。




2009年12月31日

2010年 新年のご挨拶を申し上げます。

いつも応援して下さっている皆様へ

明けまして、おめでとう御座います。
本年も宜しくお願い致します。

昨年も、出張料理人として、全国に伺わせて頂き、「笑顔の溢れる食卓」をお届けして参りました。今、振り返りましても、本当に素敵な、心温まる想い出ばかりで、その全てが、私の大切な財産になっております。本当に、呼んで下さった皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。
心よりお礼を申し上げます。

昨年4月に放送されました「情熱大陸」内でも御紹介させて頂きましたが、近年は「食育」、特に「学校給食のご指導」にも力を注いでおります。
未来を担うお子さん達の健やかな成長を願い、今年も「より良い給食」の実現のために頑張りますので、是非、皆様の御意見もお聞かせ下さい。

昨年6月には、生まれて初めての長期入院生活を体験致しまして、「病院食」の重要性も実感致しました。
カロリー計算や成分分析だけでない、「健康になるための食事、病院食」のご提案も、これから積極的にして行きたいと思っております。

昨年5月に出演させて頂きましたNHK「ラジオビタミン」内で申し上げ、とても反響が大きかったのですが、私の究極の目標は「食を通した世界平和の実現」です。
その第一歩としまして、まずは各地方での「食を通した地域活性化」の実現に向け、私が最も得意とするところの「地産地消のメニュー開発」等で、お手伝いさせて頂きながら、皆様と共に、明るく活気のある町作りをしていけたら最高です。

今年も、喜んで全国に伺わせて頂きますので、宜しくお願い致します。


About 2009年12月

2009年12月にブログ「小暮BLOG」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2009年11月です。

次のアーカイブは2010年01月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

料理研究家 小暮剛 オフィシャルサイト