五島列島の特産品のひとつに「平釜で炊き上げた美味しい天然塩」があります。
講演会の前日には、その作業風景を見学させて頂きましたが、昔ながらの伝統的製法による、こだわりの塩作りには、とても感動致しました。
作り方は、一見シンプルですが、手間暇かけた「昔ながらの勘や経験」がモノを言う、とても奥深い職人ワザ、食文化が、この五島の地で継承され続けていることが、何より素晴らしいと思います。
原料となるのは、海水だけですが、まずは、五島灘沖合いのきれいな海水を汲み上げるところから始まります。それを均等に凝縮出来るように、厚手の平釜に移し、五島の薪(廃材)で炊き上げます。地球環境を考え、一切、燃料は使わないそうです。
約10倍の濃度に煮詰めましたら、一晩、瓶(カメ)に移し、砂等の不純物をゆっくり取り除いて、再度、火にかけ、塩の味を決める、最も大切な作業「仕上げ」に入ります。
火加減には、細心の注意を払い、最後まで強火で炊き上げますと、パウダー状の「細かい塩」になり、途中から弱火にしますと、ゆっくりと結晶化した「大粒のあら塩」になるのですが、火加減ひとつで、味が左右されますので、昔ながらの「勘や経験」が大切になってくるわけです。
当然のことですが、生産効率を上げ、人工的に製造するための「合成添加物」は、こちらでは、一切使われていません。昔は、「合成添加物」自体、存在しませんでしたからね。
人類は、海から生まれてきました。「海のミネラル(恩恵)」に感謝し、「有難く頂くこと」の大切さを、これからも、全国のお子さん達に伝えて行きたいと思っております。
今回、御協力して頂きました「五島椿物産館」の皆様、本当に有難う御座いました。心よりお礼を申し上げます。
海水を煮詰める平釜と、一晩寝かせるためのカメです
最初は10倍の濃度まで、強火で煮詰めます
とても美味しい、出来立ての天然塩です
五島産の伝統的製法による天然塩の数々です