各地で、桜が開花し、少しずつ春らしくなってきましたが、皆様は、如何お過ごしでしょうか。
この時期の青果市場を訪れますと、各地から届いた瑞々しい、色々な銘柄のイチゴが沢山並べられており、その「赤い絨毯」の周りは、とても良い香りで満ち溢れています。
粒がとても大きくて、値段の高い物や、形がきれいに揃った物など、大小様々に、本当に色々な種類のイチゴがあるものだなと感心致します。味のバランスも、それぞれに良くて、とても美味しいですよね。
私の世界70ヵ国を周った経験からしましても、これほどまでにレベルの高い果物が数多く揃っている国は、まず無いと思いますし、生産に携わる皆様の日頃の御努力には、心より敬意を表したいと、いつも思っております。
ところで、先日、市場を覗きましたら、1パック150円のイチゴに目が留まりました。
箱を見ますと「B級」の印字がされており、形も不揃いなイチゴでしたので、手に取る人はあまりいませんでしたが、私は、思わず箱単位で、「買い溜め」してしまいました(笑)。
実は、「大きさも不揃いで、形も歪(いびつ)なイチゴ」は、とても美味しいのです!
「なぜか?」と言いますと、形が歪だということは、受粉が巧くいかなかったことを意味するのですが、受粉が巧くいった物は、形も良く、早く色付く(熟す)のに比べ、巧くいかなかった物は、色付く(熟す)のに時間がかかりますので、それだけゆっくりと、甘味(旨味)が増してゆくのです。
この「自然の摂理」に気が付いたのは、もう数年前のことでしたが、なかなか、B級品が出回ることは少なく、「いったい、本当に美味しい、歪なイチゴは、どこに行ってしまうのだろう?」と思っておりました(笑)。
おそらく、B級品は、ペーストにされ、砂糖などを加えて、ジャムなどの加工用に使われるのだと思いますが、それでは、とても勿体無い気が致します。
「本当の自然の甘味(旨味)」を、ひとりでも多くのお子さん達に体験させてあげたいものですね。
皆様も、マーケットなどで、「形が不揃いのB級イチゴ」を見つけられましたら、是非、お味見してみて下さいませ。
1パック150円の、形が不揃いなイチゴです
箱には「B級」の印字があります
歪(いびつ)なイチゴほど、ゆっくりと熟して美味しいのです