朝晩、めっきり涼しくなり、ようやく秋の気配を感じる今日この頃ですが、みなさまは、夏バテせずに、お元気でお過ごしでしょうか。
信濃毎日新聞に、毎月好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」、9月のメニューは「豆と野菜たっぷりのライスコロッケ」です。イタリアでは、どの地方に行きましても、必ずメニューにあり、人気の高い「温かい前菜の定番」ですが、ご家庭でも、簡単に出来て、とても美味しい御料理ですので、是非、みなさまもお試し下さいませ。
今月も、私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きます。
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今月のメニューは、「豆と野菜たっぷりのライスコロッケ」です。
イタリア各地のレストランでは、温かい前菜の定番として、とてもお洒落で、人気のある1品なのですが、実は、マンマ(お母さん)の知恵が詰まった家庭料理「リゾット」が、その原点なのです。
「リゾット」とは、お米の入ったお鍋に出汁とチーズやバターを少しずつ加えながら、歯応えを残して炊いてく「洋風おじや」とでも言いましょうか。多めに作って残りますと、乳脂肪分が入っているために、冷えて固まりますが、それを丸めてパン粉の衣を付け、フライにしたものが、「ライスコロッケ」なのです。
残り物を無駄にせず、新しいメニューに変身させて、家族に喜んでもらおうとする、マンマの「愛情溢れた素晴らしい知恵」、家庭料理ならではですね。
みなさまも、このように、残り物を無駄にせず、新しい料理にアレンジすることはありますでしょうか?
例えば、肉じゃがを潰して、コロッケにすると美味しいですし、残りご飯で作った焼きおにぎりも、私は大好きです(笑)。
くず野菜を炒めて、卵焼きの具にしたり、出汁を取った後の昆布と鰹節を刻んで、オリーブオイルと醤油で炒め、ふりかけにするのもいいですね。みなさまも、美味しいアレンジメニューをお持ちでしたら、是非、教えて下さいね。
「リゾット」は、基本的にお米が主役の御料理ですが、コロッケにした時の彩りや味のバランスを考えまして、今回は、豆やミックス野菜を多めに加えています。
もちろん、魚介類やチキン等の肉類を加えて頂ければ、ボリューム感も出て、これ1品でメインディッシュにすることも出来ますし、自由な発想で、色々な具材の取り合わせをお楽しみ下さい。
揚げ物と言いますと、「どうしても爆発して中身が出てしまう」といった類の、お悩みの相談を頂くことがありますが、ポイントは、揚げ油の温度を180℃から200℃にしっかり保つことが大切なのです。では、どのようにすれば、適温を保てるのでしょうか?
家庭用のコンロは、プロ用に比べて、火力が充分ではありませんので、一度にたくさん揚げないことです。お腹をすかせた御家族にせかされると、一度に、たくさん揚げたくなりますが、それでは、急に温度が下がってしまいます。慌てずに、少しずつ揚げることが適温を保つことにつながるのです。
どうしても、一度にたくさん仕上げなければならない時には、予め、やや強火で、表面だけ焼き色を付けておき、まとめてオーブンで中まで火を通す方法もありますが、ひとつずつ、丁寧に揚げていくほうが、時間(愛情)をかけている分だけ美味しいと思います(笑)。
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<材料・2人前>
(A)
・大豆水煮 80g
・ミックスベジタブル 100g
・ホワイトソース 100g
・オリーブオイル 大さじ2杯
・ピザ用チーズ 60g
・トマトケチャップ 大さじ2杯
・カレー粉 大さじ1杯
・ご飯 120g
(B)
・小麦粉 適宜
・溶き卵 適宜
・パン粉 適宜
・揚げ油 適宜
<作り方>
①(A)を合わせて、チーズが溶けるまで炒める。
②①を冷まし、食べ易い大きさに丸める。
③小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけて、180℃の油で揚げる。
イタリアでも人気の「ライスコロッケ」は、温かい前菜の定番メニューです。
ピザ用チーズを加えることで、コクと旨味が増し、丸め易くなります。
バットに広げて冷ました具材を、食べ易い大きさに丸めていきます。
魚介類や肉類を加えれば、主菜(メインディッシュ)にもなります。
180℃の油で、衣がキツネ色になるまで、しっかりと揚げます。
完成した御料理の、自然光を活かした撮影風景です。