以前、マクロビオテックの久司道夫先生から、こんなお話を聴いたことがあります。
「1858年2月11日、ピレーネ山脈のすそ野、ルルドのポー川のほとりにある洞窟の近くに、薪を集めに来た14歳の少女がいた。その名は、ベルナデット・スービルー。突然、彼女の前に現れた聖母マリアは、その後17回に渡って同じ場所に出現し、ある日<泉に行って水を飲み、顔を洗いなさい>と命じた。洞窟近くの地面を掘ると泉が湧き始め、その湧き水によって病気が治癒する奇跡が何度も起きた。それから、この小さな町は、年間170ヶ国から600万人が集まるカトリック最大の巡礼地、特に、病を持つ人々にとって重要な聖地となった・・・・。」
2011年6月下旬に、ピレーネ山脈を挟んで、スペインとフランスに広がるバスク地方を訪れた私は、何としても「ルルドの奇跡」を体験したいと思っていました。
もちろん「ルルドの湧き水」も、マリア様をかたどったボトルに汲んで、その場で飲ませて頂きましたが、ルルドの地で、私のフランス修行時代の仲間だった女性シェフが、レストランを経営していることを思い出し、そちらに伺って「ルルドの湧き水を使った<命のスープ>」を3品作らせて頂きました。
そのひとつは、「田舎風・豆のスープ」でして、特に、出汁を加えることもなく、水と天然塩、豆の味を生かした、とても素朴で美味しい、家庭料理の定番スープです。仕上げに、オリーブオイルを加えますと、グッと味が引き立ちます。
次は、甲殻類で出汁を取り、少し手間をかけた「シーフードコンソメスープ」ですが、こちらも、食べる瞬間にオリーブオイルをかけますと、フワッと香りが広がり、極上の味わいになります。
3品目は、ブロッコリーとほうれん草、ポテトをベースにした「青野菜のポタージュスープ」です。
「ポタージュスープ」と言いますと、普通は、生クリームやバターでコクを出すのですが、今回は、オリーブオイルを使い、あえて、動物性の脂肪を一切使いませんでした。逆に言えば、生クリームやバターに頼らなくても充分に美味しく、体に優しい味わいに出来たのです。
これも「ルルドの奇跡」ではないでしょうか。
聖母マリアが出現したとされる洞窟です。「奇跡の泉」は、マリア像の左下奥にあり
今もこんこんと水が湧いています
世界中から訪れた人々が、容器を持参し、洞窟の脇で色々な
想いを胸に「奇跡の湧き水」を汲んで行きます
地元で購入した「マリア像型のボトル」にも「奇跡の湧き水」を
汲ませて頂きました
復活祭から10月15日まで、毎晩行われる「ろうそく行列」に参加させて頂きました
行列の先頭は「神秘的なマリア像」でして、信者に担がれ、静かに大聖堂前の広場を一周
します
雨模様にも関わらず、大勢の人々が参加した「ろうそく行列」です。「ルルドの大聖堂」まで
歩きます
最後に大聖堂前の広場で、敬虔なミサが行われます。病気の人、車椅子の人、それを押す
青年、看護婦さん、シスター、一般の方々。この空間では、すべての人々の「熱い祈り」と
「強烈なエネルギー」がうねりとなり夕闇の空に舞い上がって行くようでした
「ルルドの湧き水」で「命のスープ」を作らせて頂いた、私の仲間が経営するレストランの
外観です
キッチンで、御手伝いして頂いたシェフのみなさんと記念の1枚です。スープの試食も
大好評でした(笑)
水と塩が決め手の「田舎風・豆のスープ」です。仕上げにオリーブオイルを加えると、旨味
が引き立ちます
甲殻類の出汁で贅沢に作った「シーフード・コンソメスープ」です。上質のオリーブオイル
と共に「絶品」でした(笑)
動物性の脂肪を一切加えない「青野菜のポタージュスープ」です。ヘルシーでコクがあり
「体に優しい味わい」でした