2012年6月上旬に、旧ソ連のヨーロッパ部分の最南端に位置するコーカサス地方「アゼルバイジャン」を訪れ、カスピ海沿岸の一般家庭で、「本物のカスピ海ヨーグルト」と「バター」の作り方を教わって来ました。日本でも、数年前に「カスピ海ヨーグルト」がブームになりましたが、現地での、各家庭ごとに受け継がれている「我が家流の作り方」には興味深いものがありました。
まず、ベースとなるヨーグルトですが、「タネ」と「ミルク」を1対3で合わせ、15℃前後に保ちながら2時間以上置きますと固まってきます。ヨーグルトに水ときゅうり、香草のディルを加えた物を「アイランド」と呼び、ヨーグルトに水と塩、ディルとお米を加えて30分程度煮た物は「ドブハム」と言い
ます。ヨーグルトは、そのまま食べるだけでなく、色々な物を加えた「ヨーグルト料理」が多かったのは、新鮮な発見でしたね。
「本物のバター」も作らせて頂きました。その伝統的製法とは、長細いツボにヨーグルトと水を3対1で加えて、フタをし、ひたすら2時間かけてシェイクするだけなのですが、これには、根気が必要ですね。2時間経ち、ツボの中から、固まりかけたバターを取り出した時の感動は、今でも忘れら
れません(笑)。早速、完成したバターをパンに塗って食べてみましたが、本当にピュアな感じがして美味しかったです。
何でも便利になってゆく世の中ですが、家族が力を合わせ、手間暇かけて作る「本物の美味し
さ」を、次の世代に受け継いでいくことが大切なのだと改めて思いました。
カスピ海沿岸のお宅で「カスピ海ヨーグルト」の正しい作り方を
教えて頂きました
手前が「牛乳」、奥が「カスピ海ヨーグルトのタネ」です。3対1で
合わせます
教えて下さったお父さんと、出来立ての「カスピ海ヨーグルト」を持って記念の1枚です
カスピ海ヨーグルトに「ディル」や「キュウリ」を加えた物を「アイランド」と言います
ツボに「ヨーグルト」と「水」を3対1で入れてシェイクすると「バター」が出来ます
出来立てのバターをパンに塗って食べてみました。最高の美味しさでしたね!