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「情熱大陸」回想録 アーカイブ

2010年04月22日

「情熱大陸」回想録 <法事のお宅>編 (1)

2009年4月12日に放送されました「情熱大陸」(TBS系)に出演させて頂いてから、丁度、1年が経ちました。(「ユーチューブ」で御覧頂けるようです)
放送後の反響は、私の予想を遥かに上回るものでして、全国の皆様から「感激しました!」とか「勇気を頂きました!」といった内容のメールやお手紙を、本当に沢山頂きました。
もちろん、本業でもあります「出張料理」や「食育関係の講演会」の御予約、お問い合わせも増えまして、本当に有難く思っております。
「番組内で紹介されていた、独創的で美味しそうな御料理を詳しく教えて下さい。」とのリクエストも、多数頂きましたので、これから何回かに分けまして、御説明させて頂きたいと思います。
今回の撮影は、半年以上前の2008年10月上旬から始まり、御協力頂いたにも関わらずに、番組内で全く御紹介出来なかった皆様も大勢いらっしゃいます。そんな皆様へも、感謝の気持ちを込め、当ブログ内で、撮影中の様子等を御紹介させて頂きたいと思っております。
今、思い返しましても、私は、本当に多くの皆様に支えて頂き、ここまで来ることが出来ました。私ひとりが出来ることなど、微々たるものだとは思いますが、これからも、「食」を通して、皆様に恩返しが出来ますよう、精一杯頑張りますのて゛、応援を宜しくお願い致します。
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まずは、番組の冒頭で御紹介させて頂きました、千葉県内のお宅での「法事の出張料理」の模様です。
御客様は、40名様以上とのことでしたので、着席ビュッフェ(大皿盛り)の形式にさせて頂きましたが、御料理は、デザートまで入れまして、全部で9品御用意させて頂きましたので、盛り付けから皿洗いや後片付けまで含め、かなり大変でした。
もちろん、いつものように、アシスタントは使わずに、私ひとりで、すべてをこなしましたが、寒い日であったにも関わらずに、汗びっしょりで動き回っているシーンが印象的でした(笑)。


「情熱大陸」出演記念のポストカード、私の宝物です



御野菜中心のヘルシーな御料理は、大好評でした


撮影は、2台のカメラで行われました

「情熱大陸」回想録 <法事のお宅>編 (2)

法事のお宅でお作りした御料理を、1品ずつ御紹介させて頂きます。
基本的には、上質のオリーブオイルと御醤油や和風出汁をベースとした「コグレ流創作料理」ということになりますが、御野菜は、必ず30種類以上使うことを心がけておりまして、老若男女、どなたにも安心して美味しく食べて頂ける御料理をお作りしております。
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  季節野菜15種類と帆立貝、才巻海老が入った特製テリーヌ、和風コンソメゼリー添え

15種類の御野菜は、それぞれ別々に味を調整した和風出汁で下煮してあります。つなぎは、溶き卵と帆立貝のすり身、和風出汁です。人気定番メニューのひとつです。


    完熟トマトとクリームチーズのイタリア風サラダ

イタリアンの定番「カプレーゼ」のアレンジです。モッツラレラチーズの代わりにクリームチーズを使うのがポイントです。


    鰹の叩き風マリネ、切干大根とごぼう、人参の和風サラダ添え

鰹は、秘伝のタレに半日程、漬け込んでいます。切干大根とごぼう、人参の和風サラダと一緒にお召し上がり頂くと、とても美味しいです。



    天然海老のミモザ風サラダ

天然海老は、和風出汁で軽くボイルしています。ソースには、上質なオリーブオイルと醤油、バルサミコ酢を使って、シンプルに仕上げています。刻んだゆで卵をかけるのが「ミモザ風」です。


    蒸し鶏と、風呂吹き大根の梅・赤シソ・白ゴマソース添え

このオリジナルソースは、オリーブオイルで作ったマヨネーズに梅肉、赤シソ、白ゴマ、和風出汁を加えて仕上げます。シーフードにも合う万能ソースです。


    キノコが入ったトマトソースのパスタ(ペンネ)

トマトソースのベースには、上質なオリーブオイルを惜しみなく使っていますので、とても美味しいパスタに仕上がりました。


   ひじきと数種類の豆入り、黒ゴマソースのパスタ(リングイネ)

ソースのベースは、上質のオリーブオイルと白味噌、黒ゴマ、ひじき、豆類です。パスタ以外にも、ステーキや焼き魚のソースとしてお使い頂けます。


  和牛のフランス・リヨン風クネル仕立て、赤味噌入りカレーソース添え

私が25年前に修行したフランス・リヨン地方の名物料理「クネル」(「洋風はんぺん」とでも言いましょうか)をコグレ流にアレンジ致しました。お箸でちぎれるくらい柔らかく、とても好評です。


    本日のデザート、3種類の盛り合わせ

「アズキとバナナとサツマ芋で作ったココナッツ風味のムースケーキ」と「ゴマ風味のパウンドケーキ」、「セイロンティーで煮込んだプルーン」の3種類ですが、どれも素材を見ながら、料理感覚で作りますので、決まったレシピが無いのです(笑)。添えてあるミントは、我が農園で、無農薬で栽培しておりますので、安心して葉も食べて頂けます。
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これらの他には、コグレお薦めの美味しいオリーブオイルと、焼き立てのバケットをご用意致しました。(御飯をご希望される場合には、ご自由に御客様の方で炊いて頂きます。)



今回の収録では、御料理自体の撮影にも気を使って頂きました。


    
   

2010年04月26日

「情熱大陸」回想録 <ボジョレーヌーボーパーティー>編 (1)

「情熱大陸」で、「法事のお持て成し」の次に御紹介させて頂きましたのが、都内中野区のパーティースペースで、2008年11月に開催されました「ボジョレーヌーボーパーティー」て゛の「出張料理」の模様でした。
主催者でもあります古川様御夫妻とは、私が独立して、この仕事を始めたばかりの20年程前からのお付き合いで、日頃から大変に御世話になっておりまして、10年前には、御夫妻の「結婚披露パーティー」の御料理を、文京区の「鳩山会館」で作らせて頂きました。
今回の撮影日は、丁度「ボジョレーヌーボー」が、解禁になってすぐの週末でしたので、「ヌーボーワインに合う御料理」がテーマでした。
会場は、レンタルスペースということで、キッチンらしいキッチンは無く、配膳台は、会議室用のテーブルを2台使わせて頂き、「お鍋」をする時に使うような、ホームセンターで売っている「家庭用のカセットコンロ」も3台持ち込んで、御料理させて頂きましたが、急ごしらえの仮設キッチン(?)を御覧になった参加者の皆様は、「へぇー!こんな設備で、御料理が出来るのですか?」と、とてもびっくりした様子でした(笑)。
お出しして好評だった御料理は(2)で御紹介させて頂きますが、有難いことに、御客様は、まったくテレビカメラを気にすることも無く(笑)、ボトルは、どんどん空になり、パーティーは、とても盛り上がりまして、私自身も楽しく御料理させて頂きました。


ご参加頂いた皆様と記念撮影させて頂きました。

「家庭用のカセットコンロ」が大活躍致しました(笑)。

とんなに調理が忙しくても、1品ごとに解説するのが「コグレ流」です。

「美味しいオリーブオイル」を持参し、焼き立てのパンに漬けてお召し上がり頂きました。

「仮設キッチン」での盛り付けにも、気合が入ります(笑)。

「情熱大陸」回想録 <ボジョレーヌーボーパーティー>編 (2)

「ボジョレーヌーボーパーティー」で作らせて頂いた御料理を御紹介させて頂きます。
普段の出張料理でも、「このワインに合う御料理を・・・」とのリクエストを頂くことがありますが、フレンチの発想では、「ソースのベースに、御客様がお飲みになるのと同じワインを使うのがベスト」との、鉄則があります。
つまり、今回で申しますと、「ボジョレーヌーボー・ワイン」を、いかに御料理作りのプロセスの中に取り込んでゆくのかが、ポイントになります。それでは、1品ずつ、御説明させて頂きます。

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野菜たっぷりの洋風卵豆腐、帆立貝と天然海老入りの軽いマヨネーズソースとボジョレーヌーボーを加えたトマトソース、和風コンソメゼリー添え

ポイントは、上質のオリーブオイルで作った、軽いマヨネーズソースと、煮詰めた「ボジョレーヌーボー」を加えたトマトソースとの、酸味とコクのバランスです。とても評判の良い「自信作」なのですが、その美味しさを文章で表現するのは難しいですね(笑)。一度、お召し上がり頂くのが一番だと思います(笑)。


和風出汁と真鯛がベースの、白菜と長葱、モズク入り、地ハマグリのヘルシースープ

このスープのポイントは、鰹節と昆布で取った濃厚に和風出汁に、真鯛の御頭を加えて、さらに旨味を凝縮し、最後に地ハマグリを加えて贅沢に仕上げるところにあります。このまま飲んでも、とても美味しいスープなのですが、上質なオリーブオイルを加えますと、さらに風味が良くなり、軽い味わいの「ボジョレーヌーボー」との相性も抜群に良くなります。



真鱈のムニエル、ツブ貝の入った、ブロッコリーのピューレと生海苔の和風ソース添え

ソースに工夫を凝らした1品です。ベースは、濃厚な和風出汁なのですが、ソースのとろみは、くず粉(吉野くず)で付けます。そこに刻んだブロッコリーと生海苔、ツブ貝を加えて軽く沸かせば出来上がりなのですが、仕上げの香り付けに上質のオリーブオイルを加えますと、軽い味わいの「ボジョレーヌーボー」との相性がとても良くなります。
真鱈は、オリーブオイルでマリネし、強火のフライパンで一気に焼くのがコツです。


フレンチの王道をアレンジした「地鶏のボジョレーヌーボー煮込み」

フレンチの定番「地鶏の赤ワイン煮込み」を「ボジョレーヌーボー」で作ってみました。番組内でも、煮汁の中に惜しみなく「ヌーボー」を注ぎこむシーンが紹介されましたが、赤ワインは、香味野菜(人参、セロリ、玉葱、ニンニク)や、鶏肉等と一緒に煮込むことで、それらの旨味が凝縮、一体化し、新たな旨味に変化します。これこそが、伝統的なフレンチのエッセンスなのですが、「ボジョレーヌーボー」を飲みながら食べる、この煮込み料理は、最高に美味しいと思います(笑)。


「ボジョレーヌーボー」で作った、洋梨のコンポート(シロップ煮)、煮汁で作ったゼリー添え

私が修行した、フランス・リヨン地方は、まさしく「ボジョレーワイン」の名産地でして、地元のレストランやお菓子屋さんに行きますと、「ボジョレーワイン」を煮込んで作った、フルーツのコンポート(シロップ煮)が必ず数種類有りました。特に、秋に作られる「洋梨のコンポート」は、フランス人も大好きですが、今回のデザートでは、そんなフランス修行時代を思い出して、再現してみました。
コンポートに使う洋梨は、「生で食べるには固めの物」を選ぶのがポイントです。



御料理1品ずつの撮影にも気を配り、かなりの時間を費やしました。


2010年05月24日

「情熱大陸」回想録 <イタリア・シシリアの名門オリーブ農園>編 (1)

オリーブオイルのソムリエでもある私が「世界№1」と認め、秋のオリーブ収穫の時期には、定期的に伺って、新鮮で上質なオイルを搾る作業に立ち会わせて頂いております、南イタリア・シシリアの名門オリーブ園「ラビィダ家」でも、「情熱大陸」の撮影をさせて頂きました。
メンフィーという小さな町にあります、ラビィダ農園の入口を入りますと、正面には、築200年以上の歴史を持つ、重厚な作りのヴィッラ(お城)があり、ラビィダさんのオイルのラベルシールのデザインにもなっています。
綺麗なお庭には、かつて、オイル搾りに使われていた石のローラーをはじめ、歴史を感じさせる道具類がセンス良く並べられており、どこで写真を撮りましても、絵葉書のような感じで、本当に感動致します(笑)。
南イタリア・シシリアの広大な台地に、どこまでも広がるオリーブの木々の緑は、太陽光に照らされ、きらきらと美しく輝いており、地中海からの心地良い風を肌で感じておりますと、「至福の時間」といった感じで、テレビの撮影をしていることや、時間の経つのを忘れてしまいそうになります(笑)。
ラビィダ農園では、まだグリーン色の濃い、若い実だけを90%以上、丁寧に収穫して、すぐに搾り始めます。
オリーブの実は、はじめグリーン色で、やがて赤味を帯びて、完熟すると黒くなるのですが、フルーティーでポリフェノールがたっぷりの上質なオイルを搾るには、まだ若いグリーンの実が適しているのです。
早速、搾り立てのオイルを味見してみました。抹茶のようにグリーン色の濃い、搾り立てのオリーブオイルは、香り高く、本当にフルーティーで美味しかったです。社長のナタリアさんが、バケットをトーストして下さり、熱々のそれに、たっぷりとオイルを浸けて食べてみましたが、本当に、言葉にならないほど美味しくて、日本から同行して頂いた撮影スタッフのみなさんも「オリーブオイルのイメージが変わりました!」と、感動した様子でした。
自然の摂理に合った「食べ物の命を頂くことの大切さ」を改めて実感致しましたし、美味しいオリーブオイルのおかげで、「時差ぼけ」もすっかり吹っ飛びまして(笑)、明日からの市場での仕入れと、本番の、お料理作りへのパワーがみなぎってきました。


ラビィダ家のシンボル、築200年以上のビィッラ(お城)です。

オリーブオイルを搾るために、かつて使われていた道具類です。

ラビィダさんの広大なオリーブ園にて、ナタリア社長、10歳の息子さんとご一緒に。

90%以上は、グリーン色の若い実だけを丁寧に収穫致して、素早く搾ります。

完全オートメーション化された、高性能の機械で搾ります。

グリーン色が濃く、香り高い「搾り立てオリーブオイル」です。

焼き立てのバケットにオイルを浸して試食致しました。最高の美味しさでした。


2010年06月04日

「情熱大陸」回想録 <イタリア・シシリアの市場>編

「情熱大陸」では、私が南イタリア・シシリアの青空市場で、夢中になって食材探しをしているシーンが紹介されました。
旧市街の入り組んだ路地の奥の方にあります、歴史のある「バラッロ青空市場」は、いつも朝から大勢の買い物客で賑わっておりまして、私は、その雑踏が醸し出す、人間臭い雰囲気が大好きなのです(笑)。
今まで、世界70ヵ国以上を訪れ、オリーブオイルを中心とした、世界中の食文化の研究をしておりますが、訪れた初日には、必ず、現地の市場を端から端まで、くまなく歩き回るようにしています。
市場を見れば、その国の食文化はもちろんのこと、経済情勢や諸々のことが、とてもよく分かるからです。
たとえ、言葉の通じない国に行ったとしましも、包み隠すことのない庶民の生き様、表情を見ていれば、言葉以上に伝わってくるものがあります。
実は、肌で感じる、その感覚が、一番大切なのではないかと、最近、強く思います。「これからは感性の時代だ」と思うのは、私だけでしょうか。
南イタリア、特に、シシリアでは、とても新鮮で、生命力に溢れた食材が豊富にあります。
そのいくつかを、写真で御紹介させて頂きます。


歴史と雰囲気のある「バラッロ市場」です。

ナスやズッキーニからも、「生命力に溢れたエネルギー」を感じます。

日本では珍しい「白ズッキーニ」も、規格はずれの大きさです。

特大サイズの「カリフラワー」は、トラックの特設屋台で売られていました。

トマトも、多種類あり、彩りもとても美しいです。

シシリアは、とても美味しいフルーツの宝庫でもあります。

2010年06月13日

「情熱大陸」回想録 <シシリア・ラビダ農園で仕込み>編

「情熱大陸」では、南イタリア・シシリアの名門オリーブ農園「ラビダ家」のヴィッラ(築200年以上のお城)のキッチンをお借りして、翌日に迫ったホームパーティーの仕込みを、額に汗しながら、徹夜でするシーンが紹介されました。
日本からは、伝統的な和の食材や調味料(玄米・昆布・鰹節・醤油・味醂・日本酒・本ワサビ・柚子胡椒・白ゴマなど)もスーツケースに入れて持参し、まずは、鰹節と昆布で「和風出汁」を引くところから、仕込みはスタート致しました。
日本からの素材ではありますが、水も日本からというわけにはいきませんので、水は、地元のミネラルウォーターを使わせて頂きましたが、イタリアの水は石灰分を含む硬水ですので、出汁も微妙に味わいが異なり、微調整するのに、とても苦労致しました(笑)。
一口大にカットして、歯応え良くボイルした、彩りの美しい各種野菜には、その苦労して引いた和風出汁を加えて、半日ほど漬け込んだのですが、野菜の種類・持ち味に応じて、和風出汁の味加減も少しづつ変化させましたので、広い調理台の上には、和風出汁と野菜の入った20個位のお鍋やボールが、所狭しと並び、その迫力あるシーンも、しっかりと映し出されておりました。
「ラビダ家」には、料理が大好きで、撮影中も、ぴったりと私の側から離れずに、楽しそうに仕込みを手伝って下さった、10才になる息子さんがいらっしゃいます。
お刺身サラダ(ワサビ醤油風味のカルパッチョ)用に、新鮮な黒鯛を仕入れたのですが、その下拵えも息子さんに手ほどきしながら、手伝って頂きました。
私が、簡単に説明しますと、すぐに上手に捌けるようになったのには、驚きましたが(笑)、「好きこそ物の上手なれ」なのですね。感心致しました(笑)。
3枚卸しにした黒鯛の身は、昆布とオリーブオイルで3時間ほど、マリネしたのですが、これが、普通の昆布〆よりも遥かに美味しく、「和と洋のコンビネーションの妙」に、とても感動致しました。
デザートは、一切の砂糖を使わずに、少しの塩とオリーブオイルだけまぶして焼いたリンゴと柿(イタリア語でも柿は「カキ」です)のグラタンにしたのですが、この焼きリンゴが、本当に甘くて美味しく、撮影スタッフのみなさんにも大好評でした。
ここまで、仕込みは、ほぼ完璧に出来ましたので、翌日の御食事会本番が、楽しみになってきました。
(実は、翌日、予想外のアクシデントが起きるのですが・・・。)


日本から持参した「和の調味料・食材」の数々です。

ラビダ家の10才になる息子さんにもお手伝いして頂きました。

前日の仕込みは、徹夜作業になりましたが、楽しかったです。

お刺身用の黒鯛は、昆布とオリーブオイルでマリネしました。

歯応えを残してボイルし、和風出汁に浸けておいた、彩り良い野菜の数々です。

リンゴは、少しの塩とオリーブオイルをまぶして焼きました。

2010年06月22日

「情熱大陸」回想録 <シシリア・ラビダ農園で出張料理>編 (1)

徹夜で仕込みを間に合わせ、いよいよ出張料理当日です。
まずは、テーブルセッティングから始めましたが、ラビダ家に古くから伝わる、シシリアの伝統的な陶器の飾り皿を中心に置きまして、シンプルなテーブルコーディネートを心がけました。
メニューもイタリア語とフランス語を交えて、手書き致しましたが、睡眠不足で、頭がボーッとしていましたので、スペールが正しかったか、どうかは、よく分かりませんでした(笑)。
キッチンでは、初日から懐いてくれていた、10才になる息子さんが、私の隣で、一生懸命に盛り付けを手伝ってくれたのですが、撮影が始まり、カメラマンさんから、離れて着席するように言われますと、とても悲しそうな表情をしていたのが、印象的でした。
彼は、将来、料理の道に進めば、きっと一流のシェフになれるだろうと確信していますが、何しろ、貴族のひとり息子さんですから、そうも行かず、いずれは、シシリアの社交界を背負って立つ、立派な人物になるのだろうな、と秘かに想いを巡らせたりもしました。
1品目の前菜は「野菜と天然海老の和風マリネ、搾り立てオイルとゴマソースの2色仕立て」でしたが、ここで、思わぬハプニングに遭遇致しました。
各野菜は、それぞれの歯応え、美味しさを味わって頂けるように、細心の注意を払いながら、ボイルし、一晩、和風の出汁に浸けておいた「自信作」なのですが、何と、7名様中4名の方が、殆ど手を付けずに残されたのです。
今まで、20年近く出張料理を続けて来ましたが、こんなに残されたのは、初めてでしたので、本当に驚きました。思わず、撮影をストップさせようかと思ったくらい、びっくり致しました。
南イタリア、特に、シシリアの料理は、野菜を何でもクタクタに煮込む傾向が強くて、せっかく美味しい素材の味を台無しにしているような気がしていましたので、今回は、あえて、コグレ流の野菜料理で、その美味しさに気付いて欲しいと思っていたのですが、結果は、御覧の通り、そう甘くはありませんでした(笑)。
異国の長きに渡る食文化を変えることは、そう簡単ではないことを、改めて実感致しましたが、野菜料理に自信はありましたので、正直なところ、ショックも大きかったです(笑)。
今回は、コース仕立てで、2品目をすぐに出さなければいけませんでしたので、「反省」は、一瞬にして、次の「黒鯛のお刺身サラダ、ワサビ醤油風味の搾り立てオイルかけ」の盛り付けに全力を注ぎましたが、撮影をこのまま続けて良いものなのか、心は大きく揺らぎ、内心は、かなり半信半疑でした。


シンプルなテーブルコーディネートを心掛けました。

イタリア語とフランス語を交えた、手書きのメニューです。

息子さんも、プレゼントした帽子をかぶり、一生懸命にお手伝いしてくれました。

ラビダファミリーが集まった、和やかな雰囲気の御食事会でした。

手間暇かけて、野菜の歯応えと旨味を生かした1品なのですが・・・。

2010年06月23日

「情熱大陸」回想録 <シシリア・ラビダ農園で出張料理>編 (2)

コグレ流の、野菜の美味しい歯応えを伝えたかった「自信作の前菜」で、いきなりつまずき、「こんな間抜けなところを全国放送されてしまったら、私の料理人人生も終わりだな!」とか、様々な感情が込み上げてくるなかで、カメラの前では、冷静を装いながら、2品目の「黒鯛のカルパッチョ、ワサビ醤油風味のオリーブオイルソースかけ」を仕上げていきました。
「昆布締め」にオリーブオイルを使うシェフは、おそらく、私くらいだと思うのですが、これが、本当に美味しいのです(笑)。
不思議なもので、美味しい物(黒鯛の昆布&オリーブオイル締め)を一口食べますと、それまで落ち込んでいても、気持ちが段々、前向きになってくるんですよね(笑)。「命ある食べ物のパワー」は、凄いと思いました。
静岡県産の大きな本ワサビを、築地の道具屋さんで仕入れた鮫皮ですり卸し、ワサビ醤油を作ってから、搾り立てのオリーブオイルと混ぜれば、ドレッシングソースの出来上がりなのですが、昆布&オリーブオイル締めした黒鯛との相性は最高で、「これなら大丈夫だろう!」と祈るような気持ちで、食卓を覗きますと、全員がアッという間に完食して下さっており、私とみなさんの目が合うやいなや、「ミスターコグレ、ファンタスティック!」とか「ブラボー!」といった絶賛の声が上がり、ホッと致しました(笑)。
「命のある食材」は、いつも私を裏切らずに、こうして助けてくれるのです。「命のある食材に、感謝、感謝」ですね。
3品目には、「地元野菜とハーブがたっぷりと入ったムール貝の和風コンソメスープ」をお出ししたのですが、野菜は、少し軟らかめに煮まして、仕上げに搾り立ての濃厚なオリーブオイルを回しかけますと、香りとコクが一気に際立ち、極上のスープが完成致しました(笑)。
このスープも、みなさんに完食して頂けたのですが、特に、最初の前菜を残された御老人が、最後の一滴まで、パンに浸けて食べて下さったのには、感激致しました。
これだから、出張料理人は、辞められませんよね(笑)。


ワサビ醤油とオリーブオイルの相性が最高の「黒鯛のカルパッチョ」です。

「黒鯛のカルパッチョ」は、全員がアッという間に完食して下さいました。

仕上げに加えるオリーブオイルが決め手の「和風コンソメスープ」です。

2010年06月26日

「情熱大陸」回想録 <シシリア・ラビダ農園で出張料理>編 (3)

コース仕立ての御料理は、前菜2品、スープと進み、次は、メインディッシュの「地鶏のソテー、柚子胡椒風味の搾り立てオリーブオイルソース添え」です。
付け合せの野菜は、1品目と同じように、彩り良く、歯応えを残して、出汁の旨味を浸み込ませた物にする予定だったのですが、それでは、また、残される可能性を肌で感じましたので、急遽、オリーブオイルで柔らかく素揚げしてお出しすることに致しました。
番組内では、額に大粒の汗を浮かばせながら、フライパンでブロッコリーを素揚げしているシーンが紹介されましたが、このあたりでは、全神経をブロッコリーに集中させており、カメラがあることさえ忘れて、調理に没頭しておりました(笑)。
その他、シシリア産の大きなナスも、素揚げして、香ばしく色付けましたし、日本から持参した、玄米のこしひかりは、オリーブオイルとバルサミコ酢を入れて、お鍋で炊き、野菜や豆を加えて、サラダ風に仕上げました。
この、急遽、調理法を変えたメインディッシュも、全員の皆様に完食して頂き、やっと、肩の荷が降りた気が致しました。
最後のデザートでは、リンゴに一切の砂糖を使わずに、軽く塩を振りかけ、オリーブオイルを馴染ませてオーブンで焼いた物と、完熟した柿をグラタン仕立てにしたのですが、これも、大好評で、息子さんは、「おかわり」までしてくれました(笑)。
すべてのコース料理を出し終え、客席に伺って、なぜ、1品目の野菜を残されたのか、ニューヨークから来て下さった、高齢の御夫妻にお伺いしてみました。このシーンも番組内で紹介されましたが、やはり、柔らか目の方がお好きだとのこと。体調も万全ではなかったようです。
予想はしておりましたが、理由をお聞き出来て、スッキリ致しました(笑)。
今回も、壁にぶち当たりながら、何とか乗り越えて行くという、貴重な経験をさせて頂くことが出来ました。
この経験を大きな財産として、今後に生かして行きたいとは思いますが、「南イタリアのみなさんに野菜本来の美味しい食べ方を伝えたい」という、熱い気持ちに変わりはありませんので、これからも地道に、壁にぶち当たることを恐れずに、頑張りたいと思っております。
皆様も、応援を、どうぞ宜しくお願い致します(笑)。



急遽、料理法を変えた「地鶏のソテー、柚子胡椒風味のオリーブオイルソース」です。

料理法を変えたメインディッシュは、全員に完食して頂きました。

デザートは「焼きリンゴと柿のグラタン仕立て」、オリーブオイルが決め手です。

御食事会のお礼に、貴重な「手書きの絵画」を頂きました。

息子さんには、一生懸命に楽器の演奏をして頂き、感激致しました。


2010年06月27日

「情熱大陸」回想録 <学校給食のメニュー開発>編 (1)

「情熱大陸」の後半では、千葉県南房総市の岩井小学校で、学校給食のメニュー開発に携わるシーンが紹介されました。
私は、2007年より、南房総市の「食育推進委員」に任命して頂きまして、そのご縁から、南房総市には、定期的に伺い、講演会や料理教室等をさせて頂いております。
(詳しくは、ブログ内「食育・講演活動」を御覧下さい。)
学校給食に携わる皆様向けの講演会も、何度か、させて頂いておりますが、実際に給食室の中に入り、御指導させて頂くのは、今回が初めてでした。
まずは、「給食の現状」を見学させて頂いたのですが、給食室に入らせて頂くことで「見えてきたもの」が沢山ありました。
「地産地消が理想」とは、誰もが思うことですが、現状では、輸入の冷凍食材や、出来合いの加工食品、化学調味料、缶詰等も使わざるを得ないことに気付きました。
その理由としましては、まず、「コストの問題」があります。各自治体により、多少の差は、あるようですが、南房総市の場合には、小学校で、1食あたり、なんと220円の予算しかないのです。
牛乳が1パック50円位で、必ず付けなければいけないそうですので、それを差し引いた170円で、主食とおかず2品、デザート(又はフルーツ)を作らなければならないのです。これは、至難のワザ、本当にビックリです!
「調理時間の問題」もあります。番組内で、若い栄養士さんとの打ち合わせの場面が出てきましたが、私が「前の日から、出汁や野菜の下ごしらえ等、しっかりと準備して・・・・。」と申しますと、強い口調で「それは出来ません!」と、一蹴されてしまうシーンがありました(笑)。乾物の豆を前日から水に浸けて戻すこともダメだそうで、輸入物の、添加物の入った豆の缶詰を使っている現状は、如何なものかと思いますね。
岩井小学校の場合は、まだ、敷地内に給食室がある、数少ない「自校給食」ですので、食材の搬入が8時半頃にあり、9時頃から調理を開始しますと、2時間半位は、調理に費やせますが、外部からデリバリーして来る「センター給食」の場合には、輸送時間が差し引かれますので、1時間半から2時間弱で、すべてを完成させなければなりません。
このような状況での大量調理では、地元の、新鮮で栄養価の高い食材を使いたくても、なかなか、その下拵えに時間をかけられないことに歯がゆさを感じているのは、私だけではないと思います。
その他には「調理設備の問題」もあります。基本的には、大きな「お釜」で調理するのですが、その数が少ないために、同時進行で一気に仕上げることが出来ません。1つ1つの工程が終わるまで、気長に「お釜」の順番待ちをしなくてはならないのも、「大量調理の難しさ」ですね。それこそ、「お釜」を使う順番を間違えたら、とても時間内に終了しませんので、綿密な調理手順の打ち合わせも必要になってきます。
いずれにしましても、学校給食の現場に携わっていらっしゃる皆様の御苦労は、並大抵のものではないことが、よく分かりました。
日頃から、こうして頑張っている皆様の努力に報いるためにも、今後に繋がり、お手本となるような「完成度の高いメニュー」を、私が考えなくてはいけません。心の奥底から、「やる気」がみなぎってきました(笑)。
給食時間が始まりますと、全クラスを回り、子供達の食べている様子を見させて頂きましたが、とても美味しい「根菜類の煮物」や、「野菜料理」を食べる前からお鍋に戻しに来る子供達が多いことに驚きました。
このあたりのシーンも番組内で紹介されましたが、私が子供達に理由を尋ねますと「美味しくないから!」と、即答されたのが印象的でした。これは、早く何とかしなくてはいけませんね(笑)。


数少ない「自校給食」を実践している、南房総市立岩井小学校です。

「学校給食」には、冷凍野菜を使わざるを得ない現状があります。

限られた時間内での大量調理は、とても大変です。

各教室では、子供達が助け合いながら盛り付けしていきます。

子供達と一緒に、楽しく給食をごちそうになりました。


2010年07月04日

「情熱大陸」回想録<学校給食のメニュー開発>編 (2)

私が、苦心しながら考えました「学校給食のメニュー」を御紹介させて頂きます。
2番目の写真が、2009年3月3日に作らせて頂いた「コグレ流・給食メニュー」なのですが、左下より時計と逆回りに「菜花の和風オリーブオイルソース合え」、「100%玄米のひじき御飯」、「和風ミネストローネスープ」、「鰆の味噌焼き」、そして、雛祭りの日でしたので、「雛あられ」と、定番の「牛乳」を付けさせて頂きました。(牛乳に関しましては、出さない日があっても良いのでは、と思っておりますが、必ず出すのが、決まりだそうですので・・・。)
「情熱大陸」内では、多くの子供達が苦手な「菜花料理」に、スポットが当てられました。
「どうしたら、食べてもらえるのだろうか?」夢に出てくるほど、考えましたが、やはり、私が得意とする「オリーブオイルを使った、和風ソース」で勝負しようと心に決めました(笑)。
まずは、地元・南房総市富山で、「菜花」を作っていらっしゃる農家の朝倉さんを訪ね、いつものように、畑の真ん中で、採れ立ての「菜花」をかじらせて頂きました。
朝倉さんの「菜花」は、多少の苦味の中にも、旨味、甘味があり、「これは、いけるかも!」と、直感致しました(笑)。
ここからは、早かったです(笑)。試作用の「菜花」を頂きましたら、すぐに船橋の自宅に戻り、軽くボイルして、オリーブオイルが決め手の和風ソースを絡めてみたのですが、「菜花」のほろ苦味とオリーブオイルのコクが上手く融合して、とても美味しい1品になりました。
それから数日後の3月3日、いよいよ、給食室での大量調理が始まりましたが、最初は、緊張しつつも、作業が佳境に入りますと、カメラがあることも忘れ、無我夢中で、大きなお釜に向き合っていました(笑)。
「あと2時間後には、子供達の反応が分るのだ」と思いますと、期待半分、不安半分ではありましたが、生産者のみなさんをはじめ、多くの方々の気持ち、愛情が込められた給食ですので、「その想い」だけは、確実に伝えたいと、一生懸命に頑張りました。


菜花の生産者、朝倉さんの畑に伺い、素材のチェックを致しました。

私が考えました、化学調味料を一切使わない、地産地消の「給食メニュー」です。

新鮮な菜花を、まずは、食べ易くカット致します。

大きなお釜で、彩り良く、歯応えを残してボイル致します。

オリーブオイルが主役の和風ドレッシングソースの完成です。

ボイルした菜花と、特製ソースを合わせて、よく混ぜます。

子供達が運び易いように、クラスごとに小分け致します。


2010年07月05日

「情熱大陸」回想録 <学校給食のメニュー開発>編 (3)

「コグレ流・給食メニュー」のひとつ、「野菜たっぷり、和風ミネストローネスープ」では、「一切の化学調味料を使わないこと」にも、こだわりました。
手間は、かかりますが、昆布と鰹節、天然塩だけで出汁を取り、たっぷりの野菜や干し海老などを加えることで、「自然の旨味」を、最大限に引き出しました。
まずは、野菜を食べ易い大きさにカットするところからスタート致しましたが、何しろ大量調理です
ので、人海戦術、「時間との戦い」でした。
ここで、ポイントがひとつあります。各野菜は、それぞれに固さが異なるわけですから、手間でも、別々に、時間差を設けてボイルすることで、「各野菜が持つ美味しさ、歯応え、彩りを最大限に引き出すこと」がとても重要です。野菜嫌いな子供達のためには、「美味しそうに見せること」も大切な要素ですからね(笑)。
子供達の健やかな成長のために欠かせない栄養素のひとつが「カルシウム」ですが、私の持論は、天然塩や、味噌、醤油などの発酵食品、干し海老、海藻類等から「カルシウム」、「ミネラル分」を頂くことです。
出来合いの便利な食生活を続けていますと、体内で潤滑油的な役割をする「ミネラル分」が、欠乏してしまい、せっかくの栄養分を吸収出来なくなって「キレる」、「低体温」など、様々な問題に繋がってしまうのです。
そのような理由から、今回は、多少、コストがかかりましたが、「干し海老」を、途中で惜しみなく加えました。
この頃から、給食室内は、「自然な、食欲をそそる良い香り」に包まれ、「早く、子供達の美味しい笑顔が見たい」と思いながら、醤油、味醂等を加えて、スープの仕上げにかかりました(笑)。


時間との戦いの中で、スープ用の野菜をカットしていきました。

時間差でボイルするために、各野菜は、別々に準備しておきます。

パプリカを加えると、濃厚で上質なコンソメスープのような味わいになります。

干し海老を惜しみなく加え、栄養価(カルシウム)を高めました。

子供達の笑顔を楽しみに、完成したスープを小分けしていきます。


2010年07月11日

「情熱大陸」回想録 <学校給食のメニュー開発>編 (4)

「情熱大陸」番組内では、子供達の苦手な「菜花の料理」を中心に、撮影が進められましたが、今回の「コグレ流・給食メニュー」で、最も特筆すべきは、「<100%の玄米御飯給食>を日本で初めて実施したこと」だと思っております。
白米の中に、少しだけ発芽玄米を混ぜている学校は、長野県上田市辺りにあるようですが、「玄米だけの御飯」を学校給食に出しているところは、全国を調べましても、なぜか、ありませんでしたので、「今回は、何としても、100%玄米御飯を実現しよう!」と、秘策を練っておりました(笑)。
岩井小学校では、富津市内の「マスヤ」さんという、米飯専門業者に、御飯はお任せしているとのことでしたので、何度か、マスヤさんに通い、最初は「玄米100%は、絶対に不可能だ」とおっしゃっていた社長様を、なんとか説得致しまして、試作を数回させて頂きました。
オリーブオイルや天然塩、玄米、黒米までも、私が自腹で用意致しまして、プレッシャーのかかる中での試作でしたが、普段、作業に携わっておられるスタッフのみなさんに、「なぜ玄米であり、オリーブオイルなのか?」を理解して頂くところから始めまして、最後は、みなさんに、心良くお手伝いして頂くことが出来まして、本当に有難かったです。
ここで、玄米が炊けるまでの工程(ライン)の御説明を簡単にさせて頂きます。
まずは、玄米と黒米を混ぜた物に、玄米の5割増しの水を加えて、半日ほど置きます。
そこに、天然塩とオリーブオイルを混ぜて釜に移し、フタをして、ベルトコンベアのようになっている直火のオーブンの中を、約40分かけて、ゆっくりと移動させながら、炊いてゆきます。
炊き上がった釜のフタを開けますと、玄米とオリーブオイルの香ばしい、美味しそうな匂いが立ち
込め、スタッフのみなさんからも歓声が上がりました。
早速、全員で試食致しましたが、とても美味しく炊けており、「これなら大丈夫ですね!」との意見でまとまりまして、やっと安心致しました(笑)。


心良く御協力して下さった米飯業者「マスヤ」さんのスタッフのみなさんです。

玄米と黒米には、5割増しの水を加えて、半日以上置きます。

私が持参した、シシリア産のオリーブオイルと天然塩です。

玄米をしっとり、美味しくするために、オリーブオイルを加えます。

オリーブオイルと天然塩、5割増しの水が入ったお釜です。

お釜にフタをして、直火のベルトコンベア式オーブンに通します。

ベルトコンベア式オーブンの内部です。

約40分かけ、炊き上がった玄米御飯のお釜がオーブンから出て来ました。

炊き上がった玄米御飯は、美味しそうな、香ばしい匂いに包まれています。

保温機能に優れた、デリバリー用の容器に、ほぐしながら移します。

試食したみなさんからは「本当に美味しい!」とのコメントが寄せられました。

2010年07月12日

「情熱大陸」回想録 <学校給食のメニュー開発>編 (5)

何度も、試行錯誤を重ねた「100%玄米御飯の給食」でしたが、いよいよ2009年3月3日、「本番の日」を迎えました。
朝、10時過ぎには、米飯業者の「マスヤ」さんから、炊き立ての「オリーブオイルと黒米入り玄米御飯」が、保温用の青い容器に入れられて、無事に届けられました。
野菜スープ用に出汁を取った残りの昆布と鰹節は、ミネラルたっぷりですから、捨てることなく、細かく刻み、ひじき、人参、油揚げと一緒に醤油と味醂で煮ておき、届いたばかりで熱々の玄米御飯に、サックリと混ぜ込んで行きました。
すると、玄米御飯と、具材の美味しそうな匂いが給食室中に漂い、今までの苦労も忘れて、なんだか、急に幸せな気持ちになってきました(笑)。
本当にたくさんの人々の「熱い想い」、「子供達に対する愛情」が込められた玄米御飯ですから、「不味いわけが無い」と、自信をもって、カメラの前で味見してみましたが、やっぱり美味しかったです(笑)。
配膳の15分前になり、クラスごとの容器に小分けしながら、子供達が、楽しそうに、喜んで完食してくれる姿をイメージしまして、それが現実のものとなるよう、内心、ドキドキしながら、秘かに、祈っておりました(笑)。


玄米御飯に混ぜ込む「ミネラルたっぷりの具材」を煮ているところです。

「マスヤ」さんに届けて頂いた、炊き立ての「100%玄米御飯」です。

玄米御飯に「ミネラルたっぷりの具材」を、素早く混ぜ込みます。

美味しそうな匂いが、給食室全体に漂ってきました。

ついつい、子供達の配膳の手伝いをしてしまいます(笑)。

子供達は、協力し合いながら、手際よく配膳をしてゆきます。

子供達の元気な笑顔を見ると、本当に嬉しくなります(笑)。

2010年08月26日

「情熱大陸」回想録 <学校給食のメニュー開発>編 (6)

いよいよ、南房総市立・岩井小学校の生徒さん達に、私が、苦心しながら開発した給食を食べて頂く時間がきました。
まずは、放送室に入らせて頂き、マイクを通して、全校のみなさんに、本日のメニューの説明と、簡単なご挨拶をさせて頂きました。
その後、生徒さん達の反応が気になり、限られた時間の中で、全クラスを回らせて頂いたのですが、みなさん、最高の笑顔で、とても美味しそうに食べてくれて、ホッと致しました(笑)。
オリーブオイルがベースの和風ドレッシングをかけた「菜花」も、殆どの子供達は、完食してくれましたし、オリーブオイルを入れて炊いた「玄米御飯」も、違和感なく、食べてもらえました。
鰹節と昆布、干し海老等で、手間をかけ、きちっと出汁を取って作った「野菜スープ」も、大好評でしたし、改めて、「自然の摂理に沿った、命ある食べ物を頂く」という「自分の方向性」は間違っていないことを確信致しました。
御協力して頂いた、岩井小学校の職員のみなさま、本当に有難う御座いました。心よりお礼を申し上げます。
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給食作りの3日後には、南房総市立・富浦小学校に伺わせて頂き、卒業間近の6年生のみなさんに「食育・料理教室」をさせて頂きました。「情熱大陸」のラストシーンです。
メニューは、「ざく切り生キャベツのサラダ」と「きちんと出汁を取って作る野菜スープ」、「オリーブオイルを入れて炊く玄米御飯」そして、私の料理人人生の原点でもあります「目玉焼き」でした(笑)。
いつものことながら、子供達の「一生懸命に美味しく作ろうとする、真剣な眼差し」には、心打たれます。
子供達に料理を教えることで、私自身も「初心」に戻ることが出来ますので、これからも、呼んで頂ければ、全国、どこにでも伺い、将来のある全国の子供達と交流して行きたいと思っております。
「情熱大陸」回想録は、ここまでとなりますが、収録に携わった8ヶ月半の間に、本当にたくさんのみなさまのお世話になりましたし、とても素晴らしい経験の連続でした。重ね重ね、心よりお礼を申し上げます。本当に、有難う御座いました。
この経験を今後に活かし、「食」を通して、みなさまに恩返しが出来るよう、これからも頑張りますので、応援を宜しくお願い致します。


生徒さん達の感想が聞きたくて、全クラスを回りました。

殆どの生徒さん達が、私のメニューを完食してくれました。

「美味しい笑顔が溢れる給食」とても嬉しいですね。

富浦小学校で「食育・料理教室」を開催致しました。

私の料理人人生の原点でもある「目玉焼き」を指導中です。

「オリーブオイル入り玄米御飯」も大好評でした。

最後にサプライズで、有難い「お礼の言葉」を頂き、感激致しました。

2013年05月14日

相模原市の住宅展示場で「オリーブオイルセミナー&スープパスタ御試食会」を開催させて頂きました

5月12日に、神奈川県相模原市の住宅展示場「相模原・古淵ハウジングステージ」にお伺いし「オリーブオイルセミナー&スープパスタ御試食会」を開催させて頂きました。午前・午後の2部制でしたが、どちらも先着50名様ずつでしたので、開始時間の随分前から行列して頂き、本当に有難かったです。今回のメニューには、青森県鰺ヶ沢産の新鮮な野菜をふんだんに使わせて頂きまして、小さなお子様連れの御家族にも大好評でした。山菜、行者ニンニク、アスパラガス等もありましたが、私が特に素晴らしいと思ったのは「ササタケノコ」という細いタケノコでした。和風出汁で軽く煮て、EXVオリーブオイルを加えると、香りと旨味が引き立ち、そのままシンプルに「スープパスタ」のベースにしたのですが、御客様の評判も良く、嬉しかったです。御土産にも鰺ヶ沢産の野菜類をプレゼントさせて頂いたのですが、写真のように「新聞で作ったエコバック」がオシャレですよね。
この日は、ソムリエの田崎真也さんもお越しになり、「ワインと食をテーマにした講演」をされました。私も聴かせて頂きましたが「目からウロコ」の素晴らしい内容でした。田崎さんとは初対面でしたので、帰り際に御挨拶させて頂きましたら「小暮さん、情熱大陸見てましたよ!」と、嬉しそうに言って下さり、感激致しました。「ソムリエ同士」で何か企画出来たら面白そうですね。


「母の日」の5月12日に、相模原市古淵の住宅展示場にお伺いし
「オリーブオイルセミナー&スープパスタ御試食会」を開催しました

今回は、盛り沢山の「オープニングフェアのイベント」最終日でした

この日は、ソムリエ・田崎真也氏の講演会も開催されました

田崎真也氏とは初対面でしたので、御挨拶させて頂きましたが
「情熱大陸」を御覧頂き、覚えて下さっていました

私のセミナーは、先着50名様限定でしたので、朝早くから行列して頂き、有難かったですね

会場中庭の特設テントの中に「仮設キッチン」を作り「オリーブオイル
セミナー&スープパスタ御試食会」を開催させて頂きました

オリーブオイルのお話をしながら「青森産細タケノコ入りスープパスタ」の盛り付け中です

「オリーブオイルの効能のお話」では、質疑応答が活発になり、かなり盛り上がりましたよ

初夏を思わせる日差しの中、日傘をさしながら聴いて下さる御客様も多かったですね

「青森産の新鮮な野菜のプレゼント」もありましたが、「新聞で作った
エコバック」がオシャレですよね

新鮮な山菜や行者ニンニク、細タケノコ、アスパラガス等が青森県鰺ヶ沢町から送られて
来ました。青森県も「豊かな自然の恵みの宝庫」ですよね

「細タケノコ(ササタケノコ)」は、軽くボイルしてから、和風出汁で煮ておきます

「上質なEXVオリーブオイル」を適宜加えると、タケノコの香りと旨味が、グッと引き立ちます

「細タケノコの旨味が充分に引き出された和風出汁」を、スープパスタのベースにしました

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