今から10数年前に初めてタイに行った時の事。市場や屋台を夢中で歩いていたら迷子になり、道ゆく現地人に尋ねるのですが、誰も英語が分からない。最後の手段として、タクシーをつかまえ、ローマ字書きのホテルの名刺を見せますが、これもNG。10台ダメで11台目のドライバーさんがやっと分かってくれ、戻れた苦い経験が有ります。
その時以来、英語もフランス語も通じない国では、現地の衣装を着て、外見だけでも現地人に成りきり、あとは、体全体を使ったコミュニケーションで溶け込むようにしています。
そのきっかけが、カレーの取材で訪れたインドなのです。空港で待ち合わせたインド人ガイドが面白いおじさんで、着くなり、民族衣装の仕立て屋さんに直行です。「数日間でインドを理解したいなら、まずは、外見からインド人に成って下さい。」と、妙に説得力のある言葉。帽子から金の刺繍入りの靴まで、全て特注で、マハラジャ(王様)になってしまいました。
行く先々でインド人に指さして笑われたり、囲まれて、初めは恥ずかしかったですが、不思議なもので、慣れてくると快感に変わって行くのです(笑)
今では、数百人を前にした講演会でも緊張しませんか゛、その度胸はインド修業の成果かもしれませんね。
韓国大手の製パン会社の技術顧問として、定期的にソウルを訪れ、調理パンやサラダ類、デザートまで幅広く、メニュー提案をしていますが、その経験から気づいたことを少し。
まず、OKのストライクゾーンが、日本に比べ、かなり狭いのです。日本では、美味しければ、洋風でも中華風でもエスニック風でも、OKになるであろうメニューが、ソウルでは、殆どNGになったりします。
この理由は、ソウルの街を歩くと理解出来ます。食事時になりますと、どこを覗いても、カセットコンロを取りだし、ご飯にキムチ鍋を食べている光景を目にします。仕上げには、辛ラーメンを入れるんですが、実際、これが美味しいんです。毎日食べても飽きない味、伝統の味なんですね。日本で言ったら、ご飯と味噌汁、野菜の煮物等でしょうか。
ソウルでも、若者を中心に外国風の食文化が普及しつつありますが、一方では、先祖が残してくれた食文化を維持しようという強い気持ちが有ります。それが、商品開発にも反映されているのだと思います。
雑誌の取材や食べ歩き、食材の仕入等でイタリアには20回以上行っていると思いますが、毎回、印象的なハプニングに遭遇します。指定券を取り、駅のホームで待っているにも関わらず、その列車が来なかったり、レストランで置き引きに遭ったり、色々経験しましたが、一番ハラハラした思い出と言えば、イタリア人の友人に頼まれたウエディングケーキ作りでしょうか。
初めは、ただ、ミラノの結婚式に出席するだけの約束が、わざわざ来てくれるならケーキを作って欲しいとなり、軽く引き受けたら、何と参加者は120人。しかも、会場のオーブンが家庭用程度の小さい物で、
どうやって作るべきか悩みました。5時間後には式が始まるし、取りあえず、オーブンに入る大きさのスポンジを時間ぎりぎりまで焼き、1つ1つを花びらに見たてて、レモンクリームで飾り、ご覧のようなケーキが出来ました。
ケーキは、イタリア人にも好評で、夕方から始まったパーティーは途中からディスコになり、終了時間は、翌朝の5時でした。結婚式中に居眠りしたのは、この時だけです。
今年の2月、ウズベキスタンの後に、イランに行って来ました。HPの日誌にも書きましたが、イラン程、外からの情報と実際の違う国は無いと思います。予想以上に素晴らしい所でした。
まず、人が優しい。どこにいても、「どこから来たんですか?」とか「良い旅を」とか、ニコニコしながら、声をかけてくれます。
まだ、観光地としては、発展途中だからかもしれませんが、お土産品を買うにも、現地価格というか、ボラずに売ってくれますし、殆どの物が、大量生産でない、手作りの良い物なので、安心して買うことが出来ます。この点は、ウズベキスタンも同様ですね。
特に印象的だったのは、子供達が明るく元気だったことです。女の子は、へジャブというスカーフを頭から巻いていて、活発に運動したら暑いだろうなとも思いましたが、公園等では、元気に走り回っており、見ているこちらまで、エネルギーを貰えた気がします。
イスファハンのイマーム広場では、ジュータン持参の沢山の子供達が楽しそうにピクニックしており、思わず、仲間に入れてもらいました。貰って食べたピスタチオナッツが大粒で、とても美味しかったです。
イスファハンのイマーム広場での出来事です。午前中は、観光客も少なく、のんびり歩いていましたら
後ろからダミ声で「スカーフ1ドル、Tシャツ3ドル、マトメテ、ヤスイヨ」と片言の日本語で近づいて来る自転車おじさん。思わず、避けましたが、どこまでも付いて来る。「ボクは、体が大きいから、そんな小さなシャツは着れないよ」と言ったら、さすがにめげて、寂しそうに離れて行きました。
しつこいおじさんだったなぁと思いながら、イマームモスクに入りました。2時間程度観光し、休憩しようとレストランに向かうと、なんと、その入り口に、自転車おじさんが、ボクにピッタリの3LサイズのTシャツを広げて、ニコニコしながら、待っているではありませんか。
これには、感動しました(笑)何しろ、なかなか、ボクに合うサイズは無いはずなのに、広いバザール中を探し回って見つけてきたそうです。
写真のイランTシャツを思わず5枚10ドルで買ってしまいました。ウチでたまに着ています。
仕事で、世界中を飛び周っていますが、何度伺っても魅力的な国の1つにトルコが有ります。
皆様は、トルコ料理が世界3大料理の1つであることをご存知ですか?理由は?と言えば、1つの国の中にヨーロッパとアジアが有り、各地に素晴らしい郷土料理が沢山有る事でしょうか。お米が日本の物に近く、サッパリと食べ易いんですね。トルコ人は、親日家としても知られ、とてもフレンドリーです。
トルコでは、地中海沿岸で、上質のオリーブオイルやへーゼルナッツが生産されており、その普及活動をトルコ輸出協会等から何度か依頼され、現地や日本で、プレスや一般向けに講演しています。
写真は、4年前、幕張での、世界の食のイベントでの講演シーンですが、同時通訳が、英語、トルコ語、フランス語、スペイン語、イタリア語の5カ国語で有り、凄く有名人になったような不思議な気分でした。
モロッコは、意外性という点で、とても魅力的な国です。特に、フェズのエルバリ地区には、1000年以上も前に建設された街並みと生活が残っており、複雑な迷路は、まるで、タイムスリップしたテーマパークのようです。歩けば歩くほど、その活気や楽しさにどんどん惹き込まれて行くのが分かります。
例えば、家具屋さんの隣りでは、丸太を切って家具を作っていたり、金物屋さんの隣りでは、鉄板を叩いていたり、卵屋さんの隣りには、鶏小屋があったりします。圧巻は、革のなめし場の脇に並ぶ、染色桶の作業場でしょうか。沢山の人々が、中世そのままに手仕事で革を染め付けているのですが、とにかく、臭いが強烈なのです。しかし、生活の知恵でしょうか、ミントを鼻に近づけていると、臭わないから不思議です。ちなみに、この辺は、ミントも沢山採れ、ミントティーを良く飲みます。自然の摂理は凄いなぁと思いますね。
モロッコで代表的な料理と言えば、タジンですね。それは、基本的に煮込み料理なのですが、調理法は独特で、厚い陶製の皿に材料を入れ、三角帽子のような皿と同質の陶器をかぶせて火にかけるのです。中身は、チキン、羊肉がメインで、じゃが芋、人参、玉葱も加え、サフラン、パプリカ等のスパイスで味付けします。クスクスという粗粒状の小麦も入れると、かなりのボリュームになりますが、色々な味の染み込んだクスクスは、とても美味しいです。
ちなみに、モロッコは、イスラム圏ですので、ポークは絶対に食べません。アルコールも限られた場所でしか飲めませんが、我々、外国人には、それほど厳しくはありませんので、レストラン等では、アルコールの持ちこみが許される事が多いです。
地球温暖化の影響でしょうか、オーストラリアが大干ばつで、農作物にかなりの影響が出ています。
「南半球の遠い国だから関係無いでしょ。」とお思いの方がいらしたら、それは、大きな間違いです。
まず、小麦です。最近、コシが有って美味しいうどんが増えてきましたが、その殆どが、オーストラリア産です。パンの値段にも影響し始めています。
コシヒカリ等のお米も作ってもらっていますし、日本人の嗜好に合う黒毛和牛もオーストラリアで飼育されていますが、その餌となる牧草が枯れてしまっているのです。
国内自給率の低い日本ですから、海産物やフルーツ等、オーストラリアに依存している物は、まだまだ沢山有り、この先が心配ですね。コアラも棲めなくなったら大変です!
少しずつでも、国内の生産者の方々を応援し、地産地消に向かうことが、益々、重要になってきています。
暑い日々が続いていますので、涼しげな中国・四川省の九塞溝をご紹介致します。
最近、航空会社のCMにも登場し、その素晴らしい景色で人気が高まっているのですが、成都の北450km、標高3000m以上の高地に有る為、いきなり飛行機で九塞溝に入りますと、高山病にかかる恐れがあります。ボクの場合は、長時間かけて、デコボコな山道をバスで登って行きましたので、高山病は大丈夫でしたが、かなりきついバス移動でした。
苦労して辿り着いた分、感動も大きかったのですが、石灰岩が階段状に重なり、エメラルドグリーンの美しい湖水は、言葉にならない程、素晴らしかったです。
是非、皆様もチャンスが有りましたら、訪れることをお薦め致します。
暑さも和らぐ、これからの時期、紅葉を見に名所を訪れるのも楽しいですが、世界的に有名な見所と言えば、カナダ・ケベック州のメイプル街道(日本人が名付けたそうです)もその一つだと思います。
2年前の秋にボクも訪れましたが、メイプルの紅葉は、日本には無い鮮やかな色で、とても素晴らしかったです。
ケベック州の特産品と言えば、メープル(かえで)の樹液を煮詰めて作る、メープルシロップが有名ですが、森の中を歩いていますと、その可愛らしい作業場「シュガー・シャック」を所々で見かけます。
近くのレストランで、メープルシロップを使った開拓当時の伝統料理を頂きました。カリカリベーコンの入ったオムレツや大豆のスープ煮、茹でたじゃが芋等、素朴な料理ではありますが、メープルシロップがアクセントとなり、心和む味でした。
メープル風味のビールやワインも美味しかったです。
ボクが22年前に初めてフランス・リヨンのレストランで修業していた頃、ソムリエ氏から、こっそり飲ませてもらった美味しい赤ワインが南アフリカ産で、「エッ!アフリカでワインが出来るの?」と驚いた記憶があります。しかし、昨年、実際にケープタウンの西方を自分の足で歩いてみて、美味しい理由が良く分かりました。
ケープ地方の気候が、ワインの名産地であるスペインやフランスによく似た地中海性気候で、土地がとても肥沃なのです。オリーブも上質で、美味しいオリーブオイルを見つけた時には、凄く感激しました。
それと同時に、17世紀にヨーロッパから移り住んで、葡萄やオリーブを栽培し始めた開拓者の方々の大変なご苦労があったからこそ、今、我々がその豊かな恵みを頂けることも知り、益々、先駆者の皆さんへの感謝の気持ちが深まりました。
クロアチア料理の印象は、イタリアンとフレンチを融合したような、とてもバランスの良い料理で、どこで食べてもハズレが無いのが素晴らしいと思いました。
例えば、上の写真。新鮮な地魚のブイヤベース(サフランとトマトがベースの軽い煮込み)なのですが、本場・南フランスで食べても、煮過ぎて匂いがきつくなり易い、とても繊細で、高度なテクニックを要する料理の代表です。しかし、港町・ドブロヴニクで食べたそれは、素材の持ち味を充分に生かした上品な味わいで、とても美味しかったです。しかも、付け合わせがイタリア料理の定番のポレンタ(トウモロコシのすいとん)だったのがとても新鮮で、まさに料理に国境は無いことを実感しました。
もう一品は、シーフードリゾットですが、炊き込む時のベースとなる出汁をフランス風にしっかり作っているからでしょう、とてもコクが有って軽い、プロ好みの美味しさでした。
海外に出て、そこの国の人々が元気で優しく、料理が美味しいと、それだけで、その国のイメージ全体が断然良くなるのは、ボクだけでしょうか?
クロアチアには、豊かな観光資源が各所に有ります。その中でも、特に素晴らしいのが、首都ザグレブの南110kmに位置する「プリトヴィッツェ湖群国立公園」だと思います。
ここには、大小16の湖と92ヶ所の滝が有り、世界中から年間90万人の観光客が訪れる貴重な湖群公園でして、ボクが訪れた10月の紅葉は言葉に出来ないほど素晴らしかったです。
この躍動感溢れる大自然の芸術も1991年の紛争時には、戦災による被害が大きく、一時は「危機にさらされている世界遺産リスト」に登録され、緊急保護措置が必要な状態にまでなったそうです。
現在は、人々の努力で幻想的な美しさを取り戻し、リストからも除外されていますが、今後、永遠に「危機リスト」に載らないことを願うばかりです。
昨年1月、イタリアとアフリカ大陸に挟まれ、「地中海のヘソ」と呼ばれているマルタ共和国にオリーブオイルとワインの取材で行って来ました。
今でも良く覚えていますが、出発日の1月21日は、成田周辺が記録的な大雪に見舞われ、全便欠航となり、周辺のホテルは、急な予約でどこも満杯、市販のお弁当も完売状態で、フライト時間も決まらず、どうしていいのか分からない、うつろな目をした旅行客だけがぎっしりの空港に、結局、2日間も缶詰状態で足止めをくった思い出(?)の日でもあります。それだけに、マルタに到着した時の喜びはとても大きく、この旅のことは一生忘れないと思いました。
実は、マルタから戻る日も、乗り継ぎのミラノが雪で閉鎖され、マルタに延泊して、何とか戻れる飛行機を苦労して探し、ドイツ・フランクフルト経由で、予定よりも2日遅れで帰国致しました。
このような時の心境は、自然が相手ですので、慌てず、逆らわずに、ハプニングを「貴重な経験」と考え、楽しむくらいの余裕が必要だと実感致しました。
写真は、雪に覆われた、ウチのオリーブやレモンの木々と空港の風景です。
スペイン、南フランス、イタリア辺りの地中海沿岸の町に伺いますと、オシャレで可愛らしい、手作りのセラミック製品を沢山、目にします。
マルタでも、優れた食器類を見つけました。とにかく、色彩が斬新で、眺めているだけで楽しい気持ちになってきます。
オリーブ研究家のボクとしましては、オリーブ柄の食器は、全て買いたいところでしたが、すでに、重い瓶入りのオイルを数本買っていまして、飛行機の重量オーバーの罰金が怖かったものですから、小さい物を数個だけ購入致しました。
いつでもそうですが、日本に戻って手作りの食器類を眺めていますと、「あそこでもっと買っておけば良かったなぁ」という気持ちになります。それだけ、ヨーロッパには、魅力的で素晴らしい作品が多いということですね。
サンスクリット語で「雪の家」を意味するヒマラヤは、東西2800kmにわたる大山脈に8000mを超える巨峰が14、そのうち8座はネパールに有ります。ネパール語では「ヒマール」と呼ばれ、神々がおわす神聖な場所として崇められていまして、ヒマラヤに登るのは無理でも、近くから眺めるのは子供の頃からの夢でした。
ネパールでは、10-3月の乾期が特に空気が澄んでおり、絶景を目にするチャンスが多いのですが、昨年3月に、食文化の取材と和食の指導でネパールに伺う機会に恵まれ、カトマンズの西200kmに位置するポカラの町から素晴らしいヒマラヤの絶景を見ることが出来ました。
現地の人にビュースポットを教えて頂き、朝の3時から、懐中電灯持参で、小高い山を3時間ほどかけて歩いて登り、しっかり、目に焼き付けようとしましたが、あまりの雄大さに言葉を失うくらい感動致しました。写真では、そのスケールの大きさを皆様にお伝え出来ないのが、とても残念です。
ネパール語はよく分かりませんでしたので、現地ガイドと一緒に、かつて北のチベットと南のインドを結ぶ交易路として栄えたポカラの旧市街を歩きましたが、とにかく、外見だけでもネパール人に成りきり、地元の人々とコミュニケーションを取りたくて、民族衣装屋さんを何軒も見てまわりましたが、ボクに合うキングサイズが無く、仕方なしにTシャツと帽子(これも小さかったです)を身に付けて歩いていました。
それでも、現地では、かなり目立ったようで、殆どの人達が、近寄って来て、何か話しかけてくれたり、ニコニコ笑顔を返してくれました。
ネパールの女性は、結婚が早いようで、写真の女性はまだ10代なのに、既にお子さんが2人いるそうです。最初は少し怖そうな地元のおじさん達に混じっても、不思議と馴染む自分に感心してしまいます(笑)
ネパールを訪れて一番印象的だったのが、とにかく女性と子供達が良く働いていることでした。
男性陣は?と言えば、日陰でのんびり休んでいる人が多かったですね。地元では「ネパールは女性によって成り立っている」という、ことわざも有るくらいだそうです。
町中に何ヶ所か有る井戸で水を汲むのも女性ですし、その水の入った、とても大きくて重い容器を担いで家まで運ぶのも女性です。市場で野菜を売っているのも女性や子供達ですし、ネパールの女性と子供達がとても逞しく見えてきますね。
こうした生活と比べますと、何でも簡単に手に入る我が国・日本では、一見「かなり豊かな生活」をしているかのようにも見えますが、ボクは、そうとも言えない気がします。ネパールの人々はお金持ちではないけれど、「大自然の中で生きる喜び」「水の有り難味」「家族の絆への感謝の気持ち」を日々、実感していると思いますし、ボクには「本来、生きるって、こういう事なんだ!」と気づかせてくれる、貴重で素晴らしい国だと思います。
ミャンマーで反政府デモを取材中に銃撃され、死亡したカメラマンの長井健司さんが契約していたAPF通信社の山路徹代表が、遺体と対面、銃撃現場を訪れるためにヤンゴンに向かったというニュースを見て、10年前に「GQjapan」という雑誌で、一緒に並んで取材して頂いたことを思い出しました。
山路さんご自身も、20年ほど前から、遥か海の彼方で起こった民族紛争の惨状の数々を、その目に焼き付け、現状を正確に伝えてきた「日本人ジャーナリスト」の御一人なのです。
死の恐怖と背中合わせの戦争報道ですが、彼を戦場へと駆り立てる物は一体何なのか?山路さんの答えをかいつまんで言いますと「メディアが報道し、視聴者の世界観をつくりますが、伝える側の都合で、世界観はいくらでも歪められてします。例えば、アメリカのCNN等は、アメリカ人の感情と利害でニュースを「制作」しているわけですから、外電の映像を日本で流しても意味が無く、日本の伝統や歴史を共有出来る人間が日本語で伝えなければ、日本においての真の報道にはなりえないのです。」
ボクも海外で、現地のニュースをよく見ますが、山路さんのおっしゃることは、とてもよく理解出来ます。
長井さんの件は、とても残念ですが、山路さんのジャーナリスト魂と、報道の為の険しい戦いを、これからも応援していきたいと思っています。日本人ジャーナリストの貴重な財産、長井さんに合掌致します。
11月の第三木曜日にフランスワインの新酒、ボジョレーヌーボーが解禁になり、今年も各所でイベントが有るようですが、ボクが22年前に修業したリヨンは、まさにボジョレー地区で、周りはワイン用のブドウ畑が果てしなく広がっており、ワイン作りも経験しました。
ボジョレーワイン用の赤ブドウは、土との相性でガメイ種が多く、長期熟成に適さないため、短期間で熟成させるのが特徴なのですが、その分、コクは無く、冷やすと美味しい(しっかり熟成させたボルドーなどの赤ワインは常温で楽しみます)、軽いタイプのワインが多いですね。特に、ヌーボー(新酒)は、フランス人に言わせますと「水みたいでワインじゃないよ」と思っている方が多く、現地では、値段もかなり安いです。一升瓶で買って、近くの公園で、ペタンクというゲームをしながら、水代わりに紙コップで飲んでいるオジさん達をよく見かけました。
それだけに、現地の人達は「何でヌーボーで御祭り騒ぎするのだろう?」と不思議がりますが、逆に軽い口当りが日本人向きなのかもしれませんね。ヌーボーは、和食とも良く合いますので、色々御試し下さいませ。
写真は、昨年訪れた、ボジョレーのワイナリーです。この時は、ヌーボーでない、4ヶ月くらい熟成させた普通のボジョレーワインを楽しみました。
10月に入り、街のあちこちでカボチャを使った「ハロウィン」の飾りを見かけますが、皆様は、その意味をお分かりでしょうか?
「ハロウィン」を直訳しますと、「神聖な夜」となりますが、キリスト教の万聖節(11月1日にあらゆる聖人を記念する祝日、諸聖人の休日)の前夜祭のことで、秋の収穫を祝い、悪霊を追い出すお祭りなのです。日本のお盆に似ていますが、日本では、先祖の霊を有難く迎え入れるのに対し、欧米では、くり抜いたカボチャ等で霊を脅かし、追い出すわけですから、全く逆の発想ですよね。
日本で「ハロウィン」の飾りつけを目にするようになったのは、おそらく、ここ数年だと思いますが、年々、洗練された物が多くなり、つくづく日本人は、外国の文化を取り入れ、日本流にアレンジするのが上手いなぁと感心致します。(そのことは、料理にも言えますね)
写真は、ちょうど2年前の今頃、カナダ・ケベック州を訪れた時にジャンヌ・ダルク庭園で見かけたハロウィンの飾りです。
朝晩、冷え込んで来ましたが、そんな朝にお薦めのフルーツティーを御紹介致します。
紅茶の種類は問いませんが、ポイントは、朝食前に食べると良い「リンゴ」をスライスし、沸いた紅茶に入れることです。あとは、お好みで、レモンやオレンジの輪切りを加えても美味しいですね。
甘味を補いたい時には、メープルシロップかハチミツを入れるのがヘルシーですし、コクを出したい時には、プルーンを加えてもいいですね。
香り付けにブランディーか白ワインを少し垂らすと大人の味になります。ヨーロッパでは、ワインを温め、フルーツやシナモンを加える「ホットワイン」がこの時期の定番です。
皆さんも色々試して、オリジナルティーを作ってみて下さい。
ドイツワインの魅力は、口当たりが良く、深い味わいがあることだと思います。さらに、ブドウの栽培地としては、北限ぎりぎりだと言うこともあり、栽培の手間、苦労も多いことから、ビールなどに比べると、貴重な高級品のイメージが有り、高級レストランでは、アルコール類はまずワインをオーダーするのがマナーにもなっています。
生産地域としては、ライン川の本流、支流に沿って厳密には11の原産地に区分整理されていますが、大まかに「ラインワイン」「モーゼルワイン」「フランケンワイン」「バーデンワイン」と4つに分けて覚えるのが良いかと思います。
今回、伺ったリューデスハイムは、ライン川流域に位置し、ドイツ最大の「ラインワイン」の生産地のひとつで、白ワインが特に美味しく、そのコクと香りのバランスの良さには、本当に驚きました。現地でしか飲めない素晴らしいワインが、大衆向けから高級品まで幅広く揃っており、ドイツワインの大ファンになりました。
上の写真は、12世紀に建てられたブレムザー城で、現在は、ワイン博物館になっており、その後ろの丘一面にブドウ畑が広がっていました。
下の写真は、ライン川から見た景色で、ブドウ栽培のために傾斜地を巧く利用した先人達の知恵、努力の跡が心に響き、感動しながら有難くワインを頂きました。
南ドイツのハイデルベルク城に「世界最大級のワイン樽」が有ると聞き、見に行きました。
ハイデルベルクと言えば、ゲーテやショパン、シューマン等、多くの詩人や芸術家に愛された町であり、この町から多くの芸術作品が生み出されています。
レンガ色の建物が並ぶ旧市街を歩いてみましたが、なんともロマンティックな風情があり、14世紀に創立された、ドイツ最古のハイデルベルク大学周辺の学生街は、若者のエネルギーに満ち溢れていて、「この雰囲気は、今も昔も変わっていないのだろうなぁ。」と思いました。
旧市街から小高い山の上に目を移しますと、堂々としたハイデルベルク城がそびえており、一部改修工事をしているものの、その美しさに感動致しました。
巨大なワイン樽は、地下室に有りましたが、13-14紀頃に戻れるならば、この樽で熟成されたワインを味わいながら、当時の学生さん達と語り合いたい気分になりました。
ドイツ国民ひとり当りのビール年間消費量を聞いて驚きました。「350mlの缶ビールで換算すると460本以上」と言いますから、もう水代わりですよね。確かに、現地のスーパー等では、水よりもビールの方が安いですし、美味しい地ビールが沢山有ります。日本と違い、ドイツでは、昔からの習慣で、「アサヒ、キリン、サッポロ」のような全国統一ビールメーカーは無く、ローカルビア、いわゆる地ビールが中心なので、伺った土地ごとに違う銘柄の、新鮮な出来たてのビールを楽しむことが出来ます。
ボクが特に好きなのは、ウ゛ァイツェンビールという、小麦(ビール麦)を原料とした白っぽい色合いのビールでして、喉越しの爽快感がたまらなくいいのです。ちなみに、ドイツビールの基本素材は、大麦(ビール麦)、ホップ、酵母、水と法律で決められています。その理由を聞きましたら「悪質なビール業者が色々な添加物を入れて質の悪いビールを製造するのを禁止するため」だそうで、いかにもビールを愛するドイツ人らしいなぁと感銘を受けました。
「なるほど!」と感心したことが、もうひとつ有るのですが、「地球環境、エコロジー問題」に対する意識が高いドイツ人らしく「空き缶のデポジット(預り金)制度」を採用しているのです。これは、缶ビール購入時に缶代(サイズにより40-80円)を含めた料金を支払い、使用後の空き缶を購入した店舗に戻すことで返金されるシステムです。
このブログを書いていましたら、またビールを飲みたくなってきました(笑)写真は、きめ細かい泡立ちのウ゛ァイツェンビールと、その土地ならではのオリジナルコースターの一部です。
南ドイツの話題に戻りますが、ビール大国ドイツの中でも、特に、ミュンヘンは「ビールの都」として世界中に知れ渡っており、町の中心部には、多くのビアホールやビアレストランがあります。もはや、観光名所という感じで、どこのお店も昼間からバンド演奏が入り、観光客で賑わっていまして、最初は、そのパワーに圧倒されますが、慣れると、とても居心地の良い空間になります。
今回は、その中でも最も有名な「ホーフブロイハウス」を20年ぶりに訪れましたが、昔と変わらぬ雰囲気がとても懐かしく、ビールも美味しかったです。場が盛り上がると、みんな立ち上がり、何十メートルもの大きな輪になって踊り出すところも変わっていませんでした。
先週、解禁になった、今年のボジョレーヌーボーを皆様はお飲みになりましたか?
世界的に有名な、高品質のボジョレーワインと言えば、花が描かれたラベルの中にDuboefの文字がある、ジョルジュ・デュブッフ氏のワインでして、日本にも輸入されていますので、ご覧になったり、お飲みになった方もいらっしゃると思いますが、ボクがデュブッフ氏に初めてお会いしたのは、今から7年前、フランスのリヨンで開催された、有名シェフが集まるパーティーにご招待して頂いた時のことでした。
「帝王」と称されるだけあって、とてもオーラのある方で、包み込むような笑顔がとても素敵でした。
デュブッフ氏と並んで、ボジョレーワインを飲むことが出来たのは、ボクにとって、貴重な経験でしたし、毎年、ヌーボー(新酒)の季節になると、その時のことを思い出します。
ヌーボーは、冷やすと美味しい、軽いタイプの赤ワインですので、和食にも良く合うと思います。色々なお料理でお楽しみ下さい。
しばらく国内の話題が続きましたので、10月に伺った南ドイツのワイナリーで作ったお料理のレシピを御紹介致します。
現地は、とても寒く、冬本番という感じでしたので、煮込み料理を中心に、普段日本では作らないようなボリューム感のあるお肉料理を何品か作らせて頂きました。その中でも、特に好評だったのが、ビーフの赤味噌煮込みでしたので、作り方のコツを簡単にご説明致します。
ビーフは、固まりのまま、前日から多少強めに塩、胡椒を振り、馴染ませておきます。(ローストチキンも同様です)旨味が逃げないように表面をこんがり焼いてから、オリーブオイルでソテーしたにんにく、玉葱と共に、トマトペーストを加えた和風出汁で煮ます。数時間して、金串を刺し、中まで熱くなっていたら、オリーブオイルでソテーしたキャベツと赤味噌、みりんを加え出来上がりです。
このお料理、調味料は和風ですが、食べると、ドイツ人にも好評な洋風の味わいです。「その理由は?」と言えば、和風の出汁にトマトペーストとにんにく、玉葱を入れて煮込むことで、「さっぱりとしていながらコクのある味わい」になるからなのです。 最後に加える赤味噌とみりんは、味にメリハリを付ける、隠し味的な使い方がベストですので、沢山は入れません。味見しながら、少しずつ入れるのが基本です。
みなさんも、この方法で、煮込み料理を作ってみて下さい。チキン、ポークでもOKです。
ドイツには、本当に美味しいパンやお菓子か゜沢山有ります。
写真のパンは、数日かけて自然に発酵させた種を使い、ライ麦粉を加えて独特な風味に仕上げた「田舎パン」なのですが、私が大好きなパンのひとつです。もちろん、効率主義の怪しい添加物は一切使っておらず、「本物のパンとは、こういう物なんだ」という事が良く分かる、しみじみと美味しいパンです。
私の好きな、このパンの食べ方を御紹介致します。ドイツには、濃厚で美味しいクリームチーズが多種類有り、それとハチミツを一緒にのせて食べるのですが、もう、最高に美味しくて、毎日でも飽きないですね。みなさんも、是非、御試し下さい。「田舎パン」が無ければ、軽くトーストしたクルミパンでもOKです。ドイツでは、美味しい野菜のディップも沢山有り、パンをより美味しく食べるための方法、食材が充実しています。この文章を書いていましたら、また、ドイツの美味しいパンを食べたくなってきました(笑)
ドイツには、素朴な味わいの美味しいお菓子が沢山有ります。
最初の写真は、二ュルンベルクで見つけたクリスマスのお菓子「レープクーヘン」です。甘さは控え目、シナモンやジンジャー風味のしっとりソフトなお菓子で、各家庭それぞれの味が有り、代々、母から子へ受け継がれて来たドイツ庶民の味を実感することが出来ます。
次の写真は、ローテンブルクの名物「シュネーバル」です。直訳すれば、「雪の球」という意味の、ころころ可愛いお菓子なのですが、帯状のパイ生地を丸めて揚げた、固いドーナツのような食感で、フレーバーは、チョコレートかけやシナモン、粉砂糖かけなど何種類も有り、見ているだけでも楽しくなってきます。
一番下の写真は、生クリームとフルーツがたっぷりのタルトと、アーモンド風味のカステラ生地にレモンクリームを挟んだ「ビーネンシュティッヒ」という、ドイツ人が大好きなケーキです。
寒さ厳しい街並を歩いていますと、御洒落なストーブが暖かそうなカフェのあちこちで、美味しいケーキとコーヒーを楽しみながら、会話をしているご婦人方やご家族連れをよく見かけますが、ドイツ人の穏やかで温かい人柄までもが、外にいる私にも伝わってくるような気がしました。
先月、食文化の取材のためにカナダ・トロント経由でキューバを訪れました。トロントには夕方の到着でしたので、乗り継ぎ便が無く、空港近くのホテルに一泊したのですが、バスルームには、ご覧のようなカードが添えてありました。最近、世界中のホテルで、よく目にするのですが、カードの内容は次の通りです。「たった一度使っただけのタオルを洗濯するのに、毎日、莫大な量の水(と燃料、洗剤)が消費されています。限られた地球の資源を守るために御客様の御協力をお願い致します。①翌日も同じタオルを使って頂ける場合は、ラックに掛けておいて下さい。②新しいタオルをご希望でしたら、使ったタオルを床に置いて下さい。どちらを選ぶかは、御客様のご判断です。」
毎日、大量の汚水、洗剤を流し続ければ、海が汚れ、プランクトンも死んで、世界中でヘルシー食品として需要が高まっている魚貝類が生息出来なくなりますし、重油、電気を使い続ければ、益々、物価は上昇し、大気汚染、地球温暖化を加速させ、生きてゆくために一番大切な食料、農産物にも悪影響は及びます。つまり、全ては、我々人間の生活に跳ね返って来るのです。
もう、「自分さえ良ければいい。」と言う時代は終りです。同じ地球の運命共同体として、世界レベルで自然との共存を考えて行く必要性を、世界中を周っていて痛感致します。
キューバに向かう乗り継ぎ便の手続きのためにトロント空港内を歩いていましたら、大きな荷物を何個も抱えた百人以上のメキシコ人のグループと、同じ位の人数のアフリカ人のグループに遭遇致しました。
「仕事ですか?」と質問しましたら、両グループとも「トロント周辺の果実園で、フルーツ収穫の出稼ぎに来ていましたが、大変でした」とのこと。確かに、疲れ果てた感じの人も多かったですが、久々に我が家に帰れる嬉しさから、携帯電話を片手に、会話の弾んでいる人もいて、表情は様々でした。
私の中では、メキシコ人もアフリカ人も「ハングリー精神が強く、手先が器用で、よく働く」というイメージがあります。
昨年、ロサンゼルスのレストランを視察しに伺った時にも、キッチンで働くメキシコ人をよく見かけましたが、「勤勉で仕事が速い」ことに感心致しました。
アフリカに行った時にも、個性的で美しい絵や、魅力的な手作りの小物類、御土産品が沢山有りましたし、レストランで働くアフリカ人は、とても素直で一生懸命でしたので、今回の空港ロビーでも、彼らがカナダの農園で頑張って働いていた様子がすぐに目に浮びましたし、「お疲れ様!帰国したら、ゆっくり休んで下さいね」と、つい声をかけたくなってしまいました。
写真は、チェックインのための長蛇の列に並ぶアフリカ人のみなさんと、カナダドルを現地通貨に両替しているメキシコ人のみなさんです。
キューバの首都・ハバナに向かう飛行機の搭乗開始まで数時間ありましたので、いつものように、飲食施設をあちこち見て周りました。特大ハンバーガーとコーラのお店もありましたが、一番人気があったのは、ご覧のような「巻き寿司」のお店でした。具材は、お国柄からか、サーモンやツナ、アボガド、レタスが多かったですが、ガリ(生姜)と台湾製のお醤油が付いており、「なかなか頑張っているなぁ」と思いました。最近、カナダドルの価値が上がり、値段的には、巻き寿司1パックで1200円位するのですが、欧米人がよく買っており、空港内のイスに腰掛け、器用に割り箸を使いながら食べている姿には感動します。「寿司は、日本が誇るヘルシー食品である」というイメージは、もはや世界中で揺るぎ無いですね。
でも、本物の美味しい日本の寿司を知っている我々から見たら、外国で見かける寿司は、「寿司風のライスボール(おにぎり)」だとも思えますが、地産地消が「食」の基本なのですから、「それはそれで良し」とするべきですよね。でも・・・・、空港で器用に割り箸を使って食べている方々を日本にご招待して、本物の美味しい寿司をご馳走してあげたい気持ちもあり、少々、複雑な心境でした。「たかが寿司、されど寿司」やっぱり、日本人である私は、寿司が大好きで、愛しているのだと思います(笑)
実は、キューバ入りする前から現地の知り合いに頼み込み、念願だった「ボデギータ・デル・メディオ」のキッチンでキューバ郷土料理の研修をさせて頂きました。シェフ達との会話は、フレンチとスペイン語、英語のミックスでしたが、私の熱意は充分に伝わったようで、すぐに打ち解け、色々なレシピを教えてもらいました。逆に、キューバ人シェフ達からは「ヘルシーな和食の基礎を教えて欲しい」と言われ、持参した醤油をベースに何品か和食をご披露しましたが、とても喜んで下さり、楽しかったです。
御料理の説明ですが、魚のグリルとフライドポテト、「コングリ」というキューバ人の主食である黒豆入りご飯で、米はパラパラしており、とても美味しかったです。
このレストランで、へミングウェイがこよなく愛したカクテル「モヒート」の正しい作り方を御紹介致します。まずは、小鉢に砂糖とミントを入れ、ミントをよく潰しながら砂糖と合わせます。そこにライムまたはレモンの絞り汁を加え、適量のラム酒とガス入りの水を注いで出来上がりです。ミントの香りとライムの酸味、隠し味的な砂糖のコクとのバランスが絶妙で、とても美味しいラム酒のカクテルです。
私がキューバ滞在中によく飲んだハバナの地ビールは、「クリスタル」と言いますが、こちらも日本のビールに近く、飲み易かったです。
街中を歩いていますと、あちこちにバーカウンターを見かけますが、そこには必ず、自分の好きなお酒を片手に、陽気に語り合う人達の姿があり、ラテン系の心地よい風を肌で感じることが出来ました。
写真の女性は、柔道78kg超級のキューバチャンピオン、ダイマ・ベルトランさんで、2000年シドニー、2004年アテネオリンピックの銀メダリストでもあります。キューバは、バレーボール、野球、柔道をはじめ、スポーツ全般にかなり力を入れており、なぜ強いのか、とても興味があったのですが、今回、キューバ人の知り合いがベルトランさんに声をかけて下さり、私のために滞在先のホテルまで、わざわざ訪ねて来て下さったのです。
近くのバーにて、ラム酒を何杯もロックで飲みながら、深夜まで色々お話を伺いましたが、「努力を重ね、目標を達成することの醍醐味、充実感のお話」や、「子供達に夢を与えるために今後も指導者として頑張りたい」という熱い気持ちが私にも良く理解出来て、感激しました。
特に、キューバでは、どんなスポーツのスター選手も多額のギャラを稼ぐことの出来るプロではなくて、アマチュアであるため、低所得者との年収の差はたった4倍位らしいですが、「それでも満足しているし、幸せです。」と言い切れるところが人間的に素晴らしいなぁと思いました。
さらに今回、シドニー、アテネの両メダルも持参して下さり、私の首にかけて頂いた時には、感無量で言葉が出ないほど感動しました。私も、料理を通じて「世界中の人達に感動を与えられるように頑張ろう」と、改めて思いました。下は、彼女のサインです。
ハバナの旧市街に、キューバを代表するラム酒「ハバナ・クラブ」の歴史と製造過程を詳しく知ることが出来る博物館があります。開館は2000年ですので、建物や中の設備は近代的で新しいのですが、100年前のラム酒製造工程を見ていますと、多くの奴隷達が大変な思いをしながら、手作業でサトウキビを圧搾する姿が痛ましく、「ラム酒の歴史も奥が深いなぁ」と痛感致しました。そんな多くの先人達の汗と涙の結晶であったラム酒を数種類、試飲させて頂きましたが、その味わいまでもが、深みのある最高の銘酒のように思え、感動致しました。
2番目の写真は、1930年のラム酒工場を再現したミニチュアで、サトウキビを運ぶ蒸気機関車が工場内を走り回っており、建物の雰囲気といい、その精巧さには目を見張りました。
みなさま、明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願い致します。
昨年も世界中を飛び回り、各国の食文化、食育事情の研究をして参りました。勿論、日本国内でも全国のみなさまから声をかけて頂き、ケータリングで直接私が作った御料理を食べて頂く機会も沢山頂きましたし、料理教室、食育講演会でお話したり、ご指導させて頂く機会も、学校や公民館等の大きな会場で、多くのみなさまを対象に行う形式がかなり増え、とても嬉しく、遣り甲斐を感じております。
「食」は、生きて行くうえでの基本であり、これからも、多くの方々に私の経験、知識をお伝えして行きたいと思っておりますので、みなさまのお近くで、私の出番が有りそうな時には、どうぞ、お気軽にお声かけをお願い致します。
昨年は、本業の合間に「総合旅程管理者資格(旅行の添乗員資格)」も取得致しました。今までも、知り合いの御客様を海外にお連れし、普通のツァーでは行くことの出来ないレストランや市場などをご案内し、評判を頂いておりましたが、今回、正式な資格を取得したことで、よりグレードアップした企画を創ることが出来るようになりました。例えば、海外のキッチンをお借りし、現地の新鮮な食材を使ったお料理をみなさまだけのために私が作る、最高の贅沢ですよね(笑)
人数がまとまり、私の添乗で海外に行きたいと思われましたら、世界各国、どこでも御問い合わせ下さいませ。
写真は、キューバより、カリブ海の日の出です。これからも、「ナンバーワンでなく、オンリーワン」を目指して、柔軟な発想で自由に、そして個性的に頑張りますので、ご期待下さいませ。
キューバの首都、ハバナから車で南に15分程行きますと、へミングウェイが暮らしていた家「フィンカ・ビヒア(眺望楼)のあるサンフランシスコ・デ・パウラ村があります。鬱蒼と生い茂る南国の樹木と極彩色の花々に囲まれ、北に透明感のある青い海を望むことが出来る、小高い丘の上に建つ白亜の館にて、へミングウェイは、太陽が昇る5時頃に起き、朝の涼しい静かな7-8時間を執筆に向け、昼からの時間は夜中まで自由な時間としていたそうです。おそらく、午後からは自分の船で大好きな釣りをしたり、明るく陽気なキューバの人々と、ラム酒のカクテルを片手に陽も高いうちから飲んでいたのでしょうね。私もその輪の中に入りたかったですね。
現在、彼の家は「へミングウェイ博物館」として一般に公開されており、「老人と海」を書いた部屋や愛用品もそのまま残されていて、毎日、多くのファンが訪れています。
「パエリア」以外で印象深い料理と言えば「魚介のスープ」と「白身魚のムニエル」ですね。
スープの方は、南仏のブイヤベースのようにコクがあり、洗練された味わいで美味しかったです。ムニエルに使った魚は、日本で言うならば「ワラサ」とか「シイラ」に近い物でしたが、塩の当て方がとても良く、魚の旨味を充分に引き出していて、感心致しました。
プロと素人の差は、「塩の扱い方の差」だと日頃から思っておりますが、塩が少なければ、生臭みが立ち、多すぎれば、しょっぱくなりますから、素材を見極め加減するには、かなりの経験が必要で、とても難しいのです。欧米のシェフ達は、永い肉食文化の歴史から、肉料理の塩加減には慣れていますが、魚の扱い、塩加減には、日本人シェフに比べ、不慣れな印象があります。
その点、キューバは、島国で、昔から魚は身近な食材だったため、塩加減も上手なのでしょうか。お米も美味しいですし、キューバ料理は日本人にとても良く合うと思います。
キューバに残る古い町のひとつトリニダーは、ユネスコの世界遺産にもなっており、町全体が博物館のようで、砂糖きびのプランテーションと奴隷売買の中心地として繁栄した18-19世紀のキューバをまるごと感じることの出来る、とても雰囲気のある町です。
その近くには、植民地時代に砂糖きび畑だったサン・ルイス盆地があり、奴隷を監視していた7層のイスナガの塔や、至る所に当時の面影が残っており、とても興味深かったです。監視塔近くに製糖工場で使用していた機械があると聞き、当時の奴隷が行っていたジュース搾りを特別に体験させて頂きました。コップ一杯の砂糖きびジュースを搾るだけでも、かなりの労力が必要で、過酷な奴隷労働の様子が容易に想像出来ました。苦労して搾った少々青臭いジュースには、ラム酒を少し加えると極上の美味しさに変わり、これも地産地消(地元の物同士は相性が良い)だなと思いました。
トリニダーの雰囲気ある街並みを歩いていましたら、どこからか軽妙な太鼓の音色と人々のざわめきが聞こえて来ました。そこに近づき看板を見ると「ラ・カンチャンチャラ」と書かれており、中にはカンチャンチャラ(ラム酒にハチミツ、レモン汁、クラッシュアイスを混ぜたレモネードのようなカクテル)を飲みながら、キューバ音楽とダンスを楽しんでいる観光客がたくさんいました。
この建物は18世紀に元海賊だったフエルテ氏が建てた物だそうで、とても不思議な構造をしているのですが、その理由は、酔っ払いが騒いで家族の目に触れないように配慮したからだそうです。
トリニダーには、コロ二アルな建物で有名な葉巻工場もあるのですが、バーの一角には、葉巻作りの実演コーナーもあり、出来たての葉巻きを御土産に購入している人もいました。
この空間にいると時間がゆっくり流れ、18世紀にタイムスリップしたような感覚になるのが嬉しかったです。
1月の中旬に、仕事でミラノからローマまで周って来ました。この時期のイタリアの観光地は、日照時間が短く、寒さも厳しいことから観光客が少なく、「シーズンオフ」と言われていますが、逆に普段は入場制限があり、なかなか入ることの出来ない美術館、博物館にも待たずに入れますし、何よりゆっくり鑑賞出来て美術ファンの方々にとっては最高に良い時期だと思います。
また、美味しい食事を楽しみにしていらっしゃる方々にとりましても、この時期は、風味豊かな搾りたての新オリーブオイルを使った料理に舌鼓を打つことが出来ますし、ヴェネチア辺りでは、冷たいアドリア海で旨味を増した新鮮な魚介類がレストラン入り口のショーケースに所狭しと並べられ、食欲をそそられることでしょう。
そんな今回のイタリア訪問記を数回に分けて書かせて頂きます。写真は、ローマ、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会と、その内部にある「真実の口」です。いつもは、写真を撮るのに長蛇の列なのですが、この日は人もまばらで、しばらくして後から来たイタリア人にシャッターを押してもらいました。
1月中旬の成田空港には、修学旅行でカナダに行くという高校生の団体や、春休みを海外で過ごそうという大学生のグループが多く、普段より若者達で賑わっている感じがしました。
今回は、ヘルシンキで乗り継ぎのフィンランド航空機でミラノに向かったのですが、イタリアへの直行便以外では、最も所要時間が短いルートなのと、ワインが美味しく、機内食の内容が平均点以上なのが気に入っており、今までにも何度か利用している、お気に入りの航空会社のひとつなのです。
機体には、フィンランドがルーツであるサンタクロースの絵があり、乗客のみなさんは大喜びでしたね。
ヘルシンキの空港には、時差の関係で同じ日の午後3時過ぎに到着しますが、空港内はクリスマスのイルミネーション(1月末まで)が素晴らしく、テーマパークの中を歩いているようでした。
ヘルシンキは、ムーミンのふるさとであり、キシリトールガムの発祥地でもありますので、可愛らしいお土産品も色々あり、つい売店に寄り道してしまいます。写真は、上の2枚が今回の物で、下の2枚は以前に撮った物です。キシリトールガムのラベルもムーミンだったりします。
イタリアも日本と同じように南北に長いため、地域ごとに料理の特徴も異なります。例えば、北イタリアでは、酪農業が盛んですので、チーズ・バターを使った料理が多くなります。
「ミラノ風リゾット」と言えばサフランで香り付けし、たっぷりのバターとチーズでリッチに仕上げますし、「ミラノ風カツレツ」と言えば牛肉を薄く延ばして作ったカツレツを、フライパンに多目に入れたバターでパン粉を香ばしく焼くように仕上げます。
今回は、北のミラノから入り、南のローマから帰るコースでしたが、南下するにつれ、料理の特徴がはっきり変化する様子を見てゆくのは、とても楽しく興味深いですね。世界的にも、これだけ物流システムが発達し、地産地消がどんどん失われつつある現在ですが、イタリアでは各地に、地元の人々に愛され続けている郷土料理がしっかり残されており、子供も大人もみんなそれを美味しそうに食べている、そんな光景がなぜか新鮮に、羨ましく見えてしまいます。
「アドリア海の女王」とも呼ばれ、誰もが一度は訪れたいと思う世界遺産の街・ヴェニスでは、ヴェネツィアングラスの工房も訪れました。
日本では、ヴェネツィアングラスと言いますと、赤や青のグラスで、金の縁取りがあり、中央に花が描かれている物を指すことが多いですが、実はそれらは、本来、チェコガラスに金彩を施した物で、ヴェネツィアングラスの特徴を示しているとは言い難いのです。
では「本当の特徴は?」と言いますと、モザイク画の写真のような宙吹きによる形の面白さや、レースガラスやムリーネと呼ばれる細かい繊細な模様の生み出す色合いの美しさなどにあります。
つまり、同じ物は2つと無い、職人手作りの芸術品なわけですから、金額に左右されずに「自分が惹かれた作品」を御土産にするのが良いと思います。
今回は、大丈夫でしたが、冬から春先にかけてヴェネチアを訪れますと、「アクア・アルタ(高潮)」に遭遇することがあります。
地球温暖化が原因のひとつとも言われていますが、とりわけ、低地のサン・マルコ広場周辺の浸水はかなりのもので、水溜りというよりも、水位が1mほどにもなる年もあり、広場や通路には、急遽、写真のような台をつないで簡易橋が作られます。当然、狭い橋の上は、大勢の観光客で渋滞しますし、1階で営業しているお店は、従業員総出で商品を手際良く、2階に移動させます。地元の方々は、慣れていますので、高潮で浸水していても平然としていますが、私が初めてその状況を見た時には、本当にびっくりしました。
ホテルではレンタル用の長靴が用意されていますし、御土産屋さんが、急に安い長靴屋さんになったりする様子は、まず、日本では考えられないですよね。
ヴェネチアでは、毎年、1月下旬から2月上旬にかけて、大規模なカーニバルが開催されます。今年も、御土産屋さんには、その衣装や仮面が彩り良く並べられていました。カーニバル期間中に「アクア・アルタ」が来なければいいなと、いつも思います。
しばらく間隔が開きましたが、イタリアの話題を続けさせて頂きます。
私が大好きで、とても雰囲気のある街のひとつに、トスカーナ地方の「シエナ」があります。美味しいオリーブオイルの産地としても有名ですが、今回は、お菓子のご紹介をさせて頂きたいと思います。
まずは、最初の写真「パンフォルテ」と言いますが、アーモンドやドライフルーツをふんだんに使った、とても味わい深い、伝統的なお菓子でして、お薦めの一品です。
もうひとつは「リッチャレリ」という、こちらも素朴で伝統的なアーモンドクッキーなのですが、何度食べても飽きない庶民的な味わいが素晴らしいです。
最後の写真は、「カントゥッチ」という固めのクッキーなのですが、シエナの名産「ヴァンサント」という貴腐ワインに浸して食べると最高です。
是非、皆様も機会がありましたらお試し下さいませ。
ローマは、「ジェラート」発祥の地と言われています。
観光客が多く集まる「トレビの泉」付近にもたくさんの「ジェラートショップ」がありますが、色々なフレーバーの中に「中田スペシャル」と言うのがあるのをご存知でしょうか?
「中田」とは、サッカーチーム「ローマ」に所属していた中田選手のことですが、「その味は?」と言いますと「バニラの白いところにイチゴの赤いソースがかかっている物」を指します。
「なぜ?」お店の方に尋ねましたらサッカー・ローマチームのユニフォームの色が赤と白を使っているから」だそうです。
それにしても、引退して数年経っても名前が残っているとは凄いことですね。
あらためて中田選手の偉大な功績を思い返しましたし、この辺に来る日本人観光客が多いことも実感致しました。
ローマ・スペイン広場の近くのレストランで「ピッツァ・マルゲリータ」を食べました。
ナポリと同様に、ローマのピッツァは、ふっくらモチモチしており、とても美味しいことで有名です。
日本では、同じような食感にならずに苦労しますが、大きな原因のひとつは、小麦粉の質の違い
です。「それならば」と、以前、ローマやナポリで上質の小麦粉を購入し、日本で試作してみました
が、どうも同じようにならないのです。
色々考えた結果、「水の違い」も大きいことが分かりました。イタリアは、ヨーロッパ特有の
硬水(石灰質の多い水)ですが、日本の水は軟水です。そこで「コントルX」という現地の硬水
で作りましたら、本物に近い物が出来ました。ここでも、地元の食材同士を使うという「地産地消」
の大切さを再認識致しました。「自然の摂理に逆らってはいけない」というのは、世界共通なんですね
ローマ・テルミネ駅近くの老舗レストランで、久々にクラシックなイタリア料理を食べました。
「サルティンボッカ」という料理で、直訳すると「口に飛び込む(ほど美味しい)」という意味になります。
どんな料理かと言いますと、薄切りした子牛肉にセージと生ハムを乗せ、白ワインとバターで軽くソテーした物を指します。
とてもシンプルな料理ですが、材料のどれかひとつが欠けてもいけない、とても完成度の高い料理だと感心致しました。我々、プロの料理人も、流行りだけを追うのではなく、時には原点に戻り、古典的な料理を学ぶことが大切なのではないでしょうか?
前菜の盛り合わせも伝統的なローマ料理ばかりで、見た目は素朴ですが、しっかりとした味わい
で、しみじみ美味しいと思いました。
今から23年前のフランス修行時代の思い出の料理を2品、ご紹介したいと思います。
まずは、「Poulet au vinaigre(鶏肉のヴィネガー煮込み)」です。
フランス料理の基本・エッセンスが沢山詰まっているこの料理、なぜ思い出の一品かと言います
と、勿論、修行先(リヨンの名店 メールブラジエ)の人気定番料理でもありましたが、
フランスに来て、初めて作らせてもらった賄い料理がこれだったのです。最初は、先輩方が食べる料理ということで、かなりのプレッシャーがかかり、とても緊張しましたが、シェフ(料理長)が直々に細かいポイントまで教えて下さり、何とか仕上げることが出来ました。
キッチン、ホール合わせて30人位が長テーブルを囲み、食事するのですが一瞬の静けさの後、みなさんに褒めて頂いた感激は一生忘れられません。
深夜、アパートに戻り、すぐに書き留め続けた「シェフのアドバイス」は私のバイブルとして、今でも大切にしています。
フランス修行時代の思い出のもう1品は「Filet de daurade sauce vin blnc」 (真鯛のムニエル、白ワインソース)です。
このソース、微塵切りのエシャロットと白ワインを合わせて、かなり煮詰め、少し魚の出し汁を
加えてから、クリームとバターをふんだんに加えて仕上げるのですが、フランス・リヨンで初めて食べた時の感動は、忘れられません。
渡仏前に、日本でも同じソースは食べていましたが、本場の味は想像以上の美味しさ、インパクトだったのです。
作り方は同じはずなのに、「コク・酸味・まろやかさ」の全てにおいて「こんなにも違うのはなぜ?」と、ずっと疑問を抱いていましたが、やがて分かりました。素材が違うのです。
バターもクリームもフランス産は水っぽさが無く、濃厚で美味しいのです。
最近では、日本でも上質の乳製品が入手出来るようになりましたが、このソースを作る度に当時
のフランスを思い出し、初心に帰ります。
復活祭3連休・前日のアカデミーは、各自、手作りのケーキを持参して来たり、とても華やいだ雰囲気でした。特に、ランチタイムの学生食堂では、職員の方々が朝早くから作っていたケーキが全員に振舞われ、女子生徒達の間からは、歓声が起こっていました。
その日のランチメニューは、サラダや温野菜が中心のヘルシーな内容で、とても食べ易かったです。
下校時間が近づきますと、アカデミーの玄関前には、ローストポークのデリバリー用トラックが到着し、子供達を迎えに来たお母さん達に販売していました。一目見ただけでも、とても美味しそうで、実際に試食させて頂きましたら、バーベキューソース風味の味付けが絶妙で、思わず、「どちらのレストランですか?」と質問したのですが、意外な答えにびっくり致しました。なんと、プロではなく、アカデミーのご父兄がボランティアで作っていたのです。「自分達の子供が所属する野球部の資金援助のため」だそうですが、改めて、レベルの高さには感動致しました。
こんなに美味しいローストポークを食べながら、家族全員でのんびり過ごすイースター、素敵ですよね。
こちらの学校は、昼間の行事も盛り沢山ですが、放課後もかなり充実しています。
イースター3連休前のこの日、精力的な総長先生は、自ら、バスケットボールの対外試合(小学生の部)の監督として、生徒達をスクールバスに乗せ、他校の体育館に移動。19時半から開始の試合では、盛んにゲキを飛ばしながら、接戦を勝利に導きました。赤ちゃん連れの親御さんをはじめ、家族総出の応援は、とても暖かく、かなり熱が入っていましたね。その後は、喜んでいる間も無く、本校に戻り、今度は、ボランティアのご父兄と一緒に、体育館で野球部の練習・指導です。こちらも真剣で、終了したのは、22時過ぎでした。
あらゆる面で、学校とご父兄方とのチームワークが良く、「こんなに素晴らしい学校を嫌いになる子供はいないだろうな」と羨ましくも思いました。
復活祭の3連休には、南部カントリーミュージックで有名な街、ミズーリ州のブロンソンに、スクールバスを借り切って出掛け、生徒さん達と共に南部の食文化を、私が解説しながら、食べ歩きました。
「特に印象的だったレストランは?」と言えば、アメリカ全土から人々が殺到する超人気店「ランベルツ・カフェ」ですね。この日も、長い通路をはみ出し、外まで長蛇の列で、前日から予約しているにもかかわらず、90分待ちなのですから、本当に凄いと思います。とにかく、パフォーマンスが素晴らしいのです。1回では、書き切れませんので、何回かに分けてレポートさせて頂きますが、オーナーの肖像画からもお分かりのように、広い店内では、ロールパンか゜野球のボールのように飛び交っているのです。初めは、びっくり致しました。
寒い店外で90分待ち、やっと中に入りますと、そこは、メジャーリーグのスタジアムかと思うくらいの盛り上がりようでした。何しろ、ウエイター氏が広い食堂内を、焼きたてのロールパンを乗せた台車片手に動き回り、次々に手を伸ばすお客さんにパンを投げ込んで行くのです。まだメニューも開かず、座ったばかりだというのに、挨拶代わりに、我々の所にもパンが投げ込まれ、キャッチしますと、これがフワフワで温かい!料理のオーダーをする前から、その美味しさに、思わず、数個、食べてしまいます。
あとで、支配人さんに尋ねましたら、朝の9時から夜の9時まで、パンを一日中焼き続けているそうで、多い時には8000個以上になるそうです。
でも、なぜ投げるようになったのでしょう?理由を聞きましたら、30年程前からランチタイムに、お客さんが殺到するようになり、人手不足で、どうにも丁寧なサーヴィスで対応出来ない。すると、お客さんの方から、「時間が無いから、パンを投げて!」とリクエストされるようになったのがきっかけだそうです。
それからは、全米のあらゆるテレビ局の取材を受けるようになり、どんどん有名になっていったようですが、これを日本に持ち込んだらどうでしょうか?おそらく「食べ物を粗末に投げるな!」とお叱りをうけそうですよね(笑)
「Fudge(ファジョ)」というスイーツをご存知でしょうか?ココナッツやメープル等、様々なフレーバーを加えたチョコレートのことなのですが、アメリカで人気のあるスイーツショップのほとんどでは、この「Fudge」が売られており、各お店のオリジナル商品を食べ比べるのは、とても楽しいものです。
下の写真は「Fudge」の専門店「Fudgery」で撮った物ですが、店内にオープンスペースの工房が有り、立ち寄ったお客さん達は製造過程を見学しながら、出来立てを試食することが出来ます。
店内には、物凄く良い香りが起ち込め、殆どの人は、2-3種類の「Fudge」を購入して行くようです。
このように、アメリカでは、各ジャンルの人気店の共通事項として、「アピールの巧さ」が挙げられると思います。逆に言えば、「アピール出来ないお店は成功しない」ということですね。
最近、都内にも進出し、人気のドーナッツ店「Krispy Kreme」をご存知でしょうか?人気の秘密は、美味しいのは当然ですが、店内では、その作業工程を見ながら、出来立ての熱々ドーナッツを買うことが出来るのです。ここでも、ポイントは、「他とは違う」という「アピール力」ですね。
それにしても、アメリカ人は、甘いドーナッツが大好きです。下の2枚の写真は、大手スーパーマーケット等で人気の2品なのですが、ひとつは「シナモンロール」、もうひとつは「カップ型ドーナッツ」です。
朝食、ランチ、おやつにと、色々な場面で目にしますが、精算のため、スーパーのレジに並んでいましたら、前に並ぶ人々の買い込む量の多さにびっくりしました。いったい、何日分なんでしょうか(笑)
凄くボリューム感があり、しかも美味しくて有名なハンバーガーレストラン「Chili's」をご紹介致します。
店内に入りますと、まず、とても御洒落で開放的な空間に惹かれます。そして、出てくる料理全てが、私の想像を遥かに超えているのですから、素晴らしいと思います。
その代表が「玉葱丸ごと1個のフライ」ですが、このお店のヒット商品だそうで、「どうやって切るのだろうか?」と、キッチンに伺い、シェフに尋ねますと、専用のカッターを見せてくれました。それは、丁度、ゆで卵のスライサーをイメージして頂けると分かりやすいかもしれません。
名物の特大ハンバーガーも、決して大味ではなく、全体的なバランスが取れており、日本でもヒットしそうな気がします。
ハート型に編みこんだ「プレッツェル」という、アメリカ人が大好きなお菓子をご存知でしょうか?大きさは、小さなスナックタイプの物から、食パン数枚分のボリュームのある大きな物まで、様々なタイプか゜あり、お店ごとの特色を食べ比べるのも楽しいものです。
味付けも多種多様で、塩味だけのプレーンタイプから、辛いチリ、チーズ、ゴマや、甘い物では、チョコレート、メイプル、ヨーグルト、べりー系などまで、色々なバリエーションが楽しめます。
写真のお店「Auntie Anne's」では、店内で生地から作っており、オーブンの美味しそうな匂いに包まれながら、作業工程を見学しつつ、出来立てを購入出来るとあって、とても人気がありますし、私も大好きなお店のひとつです。
ブロンソンで見つけたこのお店、日本流に言えば「鉄板焼きバーガーショップ」という名前になりそうですが、オーダーが入る度に、写真のように、大きな鉄板でスライスしたビーフや野菜を焼き、パンに挟んで、熱々の出来立てを提供してくれるスタイルが、アメリカ人の間で大人気です。元々、海外では、「鉄板焼きレストラン」は、人気がありますが、それをファーストフードに応用したもので、「ヒットは間違いなし」という発想だったと思います。
このお店の、隠れた人気メニューのひとつに「グルメ・ポテト」があります。写真のように、フライドポテトにカリカリベーコンと溶けるチーズをたっぷりかけた物なのですが、意外にアッサリと食べられるから、不思議です。でも、たまに食べるのが良さそうですね(笑)
この時期、アメリカ南部のアーカンソーを歩いていますと、「桜並木かな?」と思うような、白くて綺麗な花々をまとった樹木をあちこちで見かけます。
地元の方々数人に、木の名前を尋ねたのですが、意外にも、みなさん知らないのです。「帰国するまでには知りたいな」と思っていましたら、今回の仕事先であるアカデミーの別館にある「幼稚園」の廊下で正解を発見致しました。「灯台元暗し」のことわざではないですが、最初から子供達に聞けば良かったのですね。
「Apple Blossom(リンゴの花)」確かに、我がスタジオの農園で6月頃に咲く「リンゴの花」と同じように白く可憐な花びらで、「秋には、さぞかし、美味しいリンゴの実がなるのだろうな」と思っていましたら、学長先生いわく、「この木は、残念ながら、いわゆるリンゴの木とは違い、果実は付かないんですよ。」
なるほど!それで、大人が名前を知らない理由が理解出来ました。リンゴの実がなれば、誰でもその木の名前くらいは分かるはずですからね。
アラビア語で「乾いた土地」を意味するラ・マンチャ地方。その中にある、のどかで小さな村「カンポ・デ・クリプターナ」には、雨の少ない土地でも育つオリーブ畑や、暑さ焼けを防止するために地面から1m足らずの低さに保たれているブドウ畑が、赤茶けた土地一面に広がっています。
真夏の猛暑はかなりのもので、「車のボンネットに卵を落とせば、一瞬にして目玉焼きが出来る」という表現も有り、それをもじったお土産品も、近くのドライブインには沢山並んでいます。
この辺りは、大変に風が強く「風車の村」としても有名ですが、小説「ドン・キホーテ」にも登場した白い風車は、のどかな村のあちらこちらに点在し、近くから見上げますと、確かに迫力があり、酷暑の中でドン・キホーテが「巨人」と見間違え、サンチョ・パンサと共に勇猛果敢に戦いを挑んだのも無理は無いかな(笑)と思いました。
「ドン・キホーテ」の舞台となったラ・マンチャ地方には、風車を巨人と間違え、戦いを挑んだ村「カンポ・デ・クリプターナ」をはじめ、今も彼らが立ち寄ったとされる村々が点在しています。
その中でも、特に有名なのが、風車から車で30分ほど走った所にある「プエルト・ラピセ」という村で、そこには「ドン・キホーテ」の作者・セルバンテスが、実際に何度も泊まったという旅籠「ラ・ベンタ・デ・ドン・キホーテ」が残っており、観光名所の1つとなっています。
現在も、その旅籠は、レストランと土産店を併設した博物館として一般に開放されており、私もそこでランチを頂きましたが、とても雰囲気があり、「ドン・キホーテ」がここで帯甲式(騎士の称号を受ける儀式)を行ったとされるストーリーも納得出来ましたし、今にも、やせ馬ロシナンテにまたがった「ドン・キホーテ」が金だらいの鎧兜(よろいかぶと)を身に付けて旅籠の中から飛び出して来そうな感じがして、とても嬉しくなりました(笑)
「プエルト・ラピセ」の旅籠レストラン「ラ・ベンタ・デ・ドン・キホーテ」では、セルバンテスが泊まっていた当時の、400年以上前のレシピをベースにして作られた「ラ・マンチャ地方の郷土料理」を楽しむことが出来ます。
今回は「ボーダ・デ・カマチョ」というメニューを頂きましたが、「ドン・キホーテ」の中に登場する「カマチョの婚礼」にちなんだ料理でして、前菜は「地元野菜のトマト煮」、メインは「チキンとつくねのポトフ」、デザートは「花びらをイメージしたパイとアイスクリーム」でした。
場所柄、食材も限られており、とても素朴な料理ばかりでしたが、想像以上に美味しくて、改めて「地産地消」の素晴らしさを実感致しました。
婚礼であれば、当然、ラ・マンチャ地方の美味しいワインで乾杯し、かなり盛り上がったのだろうなと思いますし、私も「カマチョの婚礼」に参加して、当時のみなさんの生活ぶりを見てみたいな、と思いました。
地中海に面するマラガから、カディスまでの海岸線一帯を総称して「コスタ・デル・ソル」と言いますが、スペイン語で「太陽の海岸」を意味するリゾート地として有名で、丁度今頃、バカンスシーズンには、国内外から訪れる多くの行楽客で賑わっています。その名の通り、太陽の恵みを享受し、1年のうち300日以上が晴天という絶好の気候は、人々を「非日常の世界」に誘ってくれ、とても魅力的です。
今回は、「アンダルシアのエッセンス」とも呼ばれ、「コスタ・デル・ソル」の中でも、特に人気の高い「ミハス」に立ち寄りましたが、スペイン南部特有の白壁の家に包まれ、狭い路地には、1年中、花々が咲き乱れており、どこで写真を撮っても「絵葉書」のようで、すっかり、時間の経つのを忘れてしまいそうになりました。
ミハスの町は、1時間もあれば充分に歩き周れるほどの広さですが、名物の「ロバ・タクシー」を利用する人も多く、猛暑の中で一生懸命に頑張るロバくん達には、エールを贈りたくなりました。
お土産屋さんも、とてもお洒落で、内容的にも充実しており、特に「オリーブ製品」の豊富さには感動致しました。普段の生活の中に、オリーブが溶け込んでいるのは、とても素晴らしいことだと思います。
町の奥には、スペインでも珍しい「四角い闘牛場」があり、次回は、是非、闘牛も見てみたいと思いました。
三方を「タホ川」に囲まれ、クレタ島生まれの画家「エル・グレコ」が後半生を送った、16世紀頃の佇まいを今も残す、世界遺産の街「トレド」を初めて訪れたのは、今から15年位前のことでした。
夕闇迫る頃に、トレドの駅に着き、古い建物がぎっしりと並ぶ、迷路のような道を歩いていますと、あたかも中世の時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るほどの「素晴らしい空間」だったことを鮮明に覚えています。初めて食べた「マジパン(アーモンド風味のケーキ)」の美味しさも衝撃的でした。
もし、スペイン国内で、「一箇所だけ訪れることが出来る」としたら、迷わずに「トレド」を選ぶと思いますし、今回も、トレドに立ち寄ることが出来て、とても感慨深いものがありました。
お昼前に到着した「トレド」の街並みは、以前と変わらずに雰囲気があり、とても素敵でしたが、「何か」が変わっている感じもしました。小道を歩きながら、それを考えていたのですが、やがて、分かりました。地元住民が少なくなり、シャッターを閉めたままのお店が多くなって、ここに住む人々のざわめき、明るい会話が無くなってしまったです。
日陰で涼んでいたおじいさんに、そのことを聞いてみますと「旧市街は不便だからね。道は細くて、車も入れないし、ウチの子供達も、郊外のマンションに引っ越してしまったよ。」と、とても寂しげな表情でした。
たまに訪れる観光客にとりましては、「車の無い時代に出来た、車も入れないような街並み」が魅力的なのですが、毎日の生活となりますと、やはり、苦労も多いのだろうなと思います。でも、人々がそこで生活していて、はじめて街も活きてくるのですから、何とか「トレド」の素晴らしい街並みを残していって欲しいと思います。
ベトナムで、「米粉」を使った代表的料理と言いますと「フォー(米粉麺)」があります。最近、インスタントの「フォー」も発売されていますので、食べたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、スープは、和風に近い、あっさりとした味で、麺も軽く、のど越しが良いので、つい、何杯でも食べられそうな気がしてきます(笑)
ベトナム滞在中は、朝食から「フォー」を食べていましたが、お店により、スープには「こだわり」があるようで、じっくり時間をかけて作るスープの味は、どこで食べても「ハズレ」が無く、美味しかったです。
ハノイでは、「ハロン湾クルーズ船」に乗ってみましたが、船上で食べた「典型的なベトナム料理」が、想像以上に美味しく、特に印象に残っていますので、その中の何品かを御紹介させて頂きたいと思います。
まずは、「フォー」ですが、海鮮ベースのスープは、あっさりしていてコクがあり、「プロ好みの味」でした。
食べる直前にかけた「ごま油」の香りも良かったです。
「ハマグリの酒蒸し」も、刻み生姜がアクセントとなって、とても上品な味わいでした。
「白身魚のベトナム風トマトソースかけ」は、ベトナム料理ではありますが、「フランス料理のエスプリ」も感じられ、大変に興味深かったです。「その国の食文化を知ること」は、「その国の歴史や気候、風土を知ること」でもあるのですね。
学生の頃は、暗記が苦手で、「地理」や「歴史」といった科目は、あまり好きではありませんでしたが、世界中を旅して、「食文化の不思議」に出会う度に、その背景となっている、「その国の地理や歴史」が物凄く知りたくなり、夢中で書物を読むようになってからは、「地球はひとつ。みんな繋がっているんだ」と思うようになり、「世界中の地理や歴史」にもかなり詳しくなりました(笑)
船内で食事をしながら、そんなことを考えていましたら、窓の外から「トントン」船を叩く音が。外を見ますと、フルーツをたくさん積んだボートが何艘も近づいて来て、元気のいいおばちゃん達と乗船客の間で商売が始まり、つい、見入ってしまいました。
先日、食文化の取材の仕事でエジプトを訪れましたので、数回に分けまして、レポートさせて頂きます。
まずは、「ビールのお話」から。エジプトのビールは起源が古く、紀元前3000年以前の「死者の書」と呼ばれた「死後の世界の案内書」の中にも、ビールのことが記されています。とりわけ「アニとヌーの死者の書」には「私は白い大麦で作ったパンと、赤い穀粒で作ったビールで暮らしたい」「霊魂達を喜ばせるために、菓子とビールの捧げ物をする」と書かれており、パンとビールが当時の「主要な食料と飲料」だったことや、「死者への大切な供え物」のひとつだったことが、容易に想像出来ます。
写真の壷は、古代エジプト古王国時代(紀元前2700年頃)に首都であった「メンフィス」の遺跡で発見された「ビール作りのための壷」です。
猛暑のエジプトでは、すぐに喉が乾くために、私も水代わりに(笑)よくビールを飲みましたが、代表的な銘柄は、星のマークで有名な「ステラビール」と、階段ピラミッドのイラストが入っている「サッカラビール」の2種類が有ります。ちなみに「ステラ」は創業開始が1897年と歴史も古く、味は濃い目でコクがあり、「サッカラ」は、さっぱりとしていて飲み易いのが特徴です。
今回の滞在中に、カイロのレストランで、こんなエピソードが有りました。私は、いつものようにビールを注文したのですが、出てきたのは、初めて見る「アムステル・ゼロ」というラベル。早速、飲んでみますと「何、これ?」と言いたくなるような味で、すぐにボーイさんを呼びました。私が「すごく不味いけれど、これは、ビールですか?」と聞きますと、彼いわく「私達がいつも飲んでいる、美味しいノンアルコールビールです。」と平然と言われてしまいました。
よく考えれば、エジプトは「イスラムの国」であり、宗教的に、お酒を飲む人は非常に少ないんですね。
「郷に入れば、郷に従え」ということで、その時だけは「ノンアルコールビール」だけで済ませました
が、やはり、食事には、普通のビールが合うと思いました(笑)
エジプトの街並みを歩いていますと、いたる所でカラフルな「ジュース・スタンド」を見かけます。
新鮮なフルーツをその場でジュースにしてくれるのですが、「値段も安く、早くて、美味しい」の三拍子が揃っており、喉がカラカラに渇いた時には、「オアシス」のようにさえ見えてきます(笑)
私のお気に入りは、シンプルな「レモンジュース」でしたが、人工的な香料などは加えずに、本物の天然果汁だけで作りますので、本当に美味しく、猛暑の中で歩き疲れた体も癒される感じがし
ました。「持ち歩く」と言えば、空のペットボトルに入れてくれたりするのも嬉しいですね。
また、加えるフルーツの数によって、何層かに分かれた「ミックスジュース」も斬新で、とても興味深かったです。日本では、普通、「ミックスジュース」と言いますと、全てを混ぜて、1つの味にしてしまいますが、エジプト流のミックスジュースでは、それぞれのフルーツの味が良く分かり、感心してしまいました。
ミックスジュースの色彩から「イスラムの几帳面さ」を感じたのは私だけでしょうか?
エジプトでは、紅茶も良く飲みますが、とても甘いことが多いですね。これは、お酒を飲まないイスラム圏の国、全般の傾向だと思います。私は、暑い日に飲む「ミントティー」が好きなのですが、オーダーする時には、「砂糖抜きで」と言うようにしていました。ちなみに、紅茶を入れる際の水は、日本の軟水よりも、現地の石灰分の多い硬水の方が美味しく出来ると思います。「地元の食材同士の相性は良い(喧嘩しない)」という「自然の摂理」ですね。
今までに訪れた海外は「70カ国」に及びますが、毎回、膨大な量の写真を撮りますので、その整理がとても大変です。
最近は、それでも、デジカメを使うようになり、パソコンで整理出来るようになりましたので、少しは楽になりましたが、「それ以前は?」と言いますと、10日間前後の取材の場合には、飛行機には、大量のフィルム(36枚撮り用で50本以上)を機内持ち込みし、カメラの電池も沢山用意しなければなりませんでした。その他、数台のカメラも機内持ち込み用の鞄に入れますので、かなりの重さになり、何度か、鞄がちぎれてしまったこともあります。
デジカメでしたら、その場で、良い写真か判断出来て、不要なシーンは消去出来ますが、フィルム式では、そうは行きませんので、「念のために」と、ついついシャッターを押す回数が増え、焼き上がったプリントを見て、あまりにも同じような写真ばかりで愕然とすることもありました(笑)
下の写真は、そんな海外写真のアルバムですが、これは、本当にごく一部でして、調理師学校時代のアルバムも含めましたら、いったいどれ位あるのか、見当も付きません。
そのようなわけで、最近、「過去の海外出張の日誌」を書いておりますが、膨大な数のアルバムの中から写真を選び出し、トリミングしてスキャンするのが物凄く大変でして、長時間を費やします。その辺の苦労(?)を察しながら読んで頂けましたら光栄です。
最近、アップしました国は、エジプト、モロッコ、オーストラリア、韓国、インドネシア、タイ、イギリス、ブルガリア、ルーマニア、チェコ、アメリカで、今後も、随時、追加して行きますので、時々、チェックして頂けましたら有り難いです。
10月下旬に、南イタリア・シシリアの名門オリーブ園に伺い、「素晴らしい新オイルの味見」をして来ましたが、パレルモ滞在中には、市内にある大きな市場3ヶ所(カポ、バラッロ、ブッチリア)を隅々まで歩いて回り、新鮮な旬の食材が豊富に揃う店先から「南イタリアの冬の訪れ」を肌で感じ取ることが出来まして、とても嬉しかったです。
そして、何度も来ているパレルモの市場ではありますが、今回、改めて気付いたことがありました。それは、「買い物客の殆んどが男性である」ということです。
イスラム圏の国々では、女性はあまり外出しないため、市場に買い物に来るのは、殆んどが男性ですが、シシリアはイスラム圏ではなく、少し不思議な感じがしましたが、私自身が自分の買い物をしているうちに、その理由が分かってきました。
日本であれば、殆んどの皆さんは、車でスーパーマーケットに行き、入口に近いパーキングに駐車して、買い物用カートを使い、同じスーパーマーケット内で全ての買い物を済ませ、自分自身で重い荷物を長時間持ち歩くことはあまり無いかと思いますが、パレルモの旧市街にある市場は、古い歴史があり、車社会が普及する前から建っていますので、まず、車が近くまで入って行くことが出来ません。
そのため、買い物客の皆さんは、石畳の狭い道を歩いて来るわけですが、この石畳は、結構疲れますし、カートを転がして来るのが難しいので、買った物は、自分の手で持って帰らなければなりません。
しかも、お店は、八百屋、魚屋、肉屋・・・等、分かれているために、一箇所で買い物を済ますということが出来ないのです。量的にも、日本であれば、少量のパック入りで、必要な分だけ購入出来ますが、イタリア(殆んどの海外)では、「量り売り」なため、キリのいい量まで、お店の人に、たくさん詰め込まれてしまうのです(笑)たとえ、その中にキズ物が入っていても、ちゃんと代金を払うのがイタリア流ですから、こちらでは「良い物に換えてよ!」と文句を言ってはいけません(笑)
この様な状況で買い物をしていますと、アッと言う間に重い荷物が増え、とても女性が石畳を歩いて持ち帰るのは大変ですので、「買い物は、お父さんの役割」というのが、古くからのこちらの習慣のようです。買い物慣れしているお父さん達の「食材を選ぶ眼」は、真剣その物で、素晴らしいことだと思いました。日本の男性も見習ったら良いですね。
週末の「蚤の市」も見て回りましたが、こちらも殆んどが男性で、商品も男性が好きそうな物が多かったです。
シシリアの市場を歩いていますと、至るところで「旬」を感じ取ることが出来ます。
私がシシリアを訪れるのは、オリーブの収穫時期である10月後半から11月前半が多いのですが、この時期が旬で美味しい果実と言いますと、まずは、「柿」をご紹介したくなります。
イタリア語でも「柿」は「カキ」なのですが、イタリアでは、完熟させた物をスプーンですくって食べます。
私は、イタリアの「カキ」が大好きなのですが、「決して甘過ぎず、でも、コクがあって美味しい」のです。
日本でも、完熟した状態で食べたことがありますが、微妙に味が違うんですよね(笑)おそらく、元の品種は同じでも、土が変わると味も変わるのでしょうね。
次にご紹介したいのは「ウチワサボテンの実」です。初めてシシリアを訪れた10数年前に食べて、驚きました。見た目は、キウイフルーツの様ですが、酸味は無く、甘さも程よくて、飽きの来ない味なので、地元のレストランでも、デザートとして、よく出て来ます。
「メロン」も、外見は「ウリ」の様ですが、とても甘くて美味しいです。値段も日本のメロンほど高くはないので、気軽に味わうことが出来るのが嬉しいですね。
12月に入りますと「赤い果肉のオレンジ(ブラッドオレンジ)」も出てきますが、ジュースにして飲むととても美味しいです。以前、ホテルの朝食会場で、ブラッドオレンジジュースを見て、トマトジュースと間違えた人がいましたが、それほど濃厚な味わいなのです。チャンスがありましたら、是非、飲んでみて下さい。日本にも、冷凍品が輸入されています。
今まで、世界70ヶ国以上を、料理指導の仕事や食文化の取材で訪れましたが、旅先では必ず、どんなに遠い不便な所にあろうとも、その土地の市場を自分の足で歩いてみます。その理由は、市場に来る人々の姿や雰囲気、店先に並んでいる食材を自分の目で確かめることで、その国の食文化はもちろんのこと、それらを取り巻く様々な状況が鮮明に見えてくるからです。
最近は、情報化社会で、何でもすぐに調べれば分かる、とても便利な時代になりましたが、「知らない人には、時間をかけて直接お会いし、話さなければ分からないことが多い」と思いますし「知らない場所には、自分から訪れて、苦労しながら自分の足で歩かなければ本質は見えてこない」というのが、私の、世界を回って得た教訓です。
こんな時代だからこそ「一見、無駄だと思えるような事」や「ハートの部分」を大切にしなければいけないような気が致しますが、皆様はどう思われますでしょうか?
世界の市場を回るのは、本当に楽しいです。「食材の持つ力強さ、自然の色彩の美しさ」に惹かれ、いつも夢中で写真を撮ってしまいますが、シシリア・パレルモの市場でもかなりの枚数をカメラに収めました。「パレルモには、何度も来ているにも関わらずに」です(笑)
たくさんある素晴らしい食材の中で、シシリアにいつ来ても、何度来ても「魅力的で美しい」と思う食材を、いくつかご紹介させて頂きます。
まずは、「ニンニク」です。種類はいくつかあるのですが、写真の「皮が赤味を帯びた物」が、甘味・コクがあって、私は好きです。
そして、「トマト」と「唐辛子」ですが、これらも、実にたくさんの種類、大きさがあり、料理や嗜好によって使い分けるのですが、共通していることはただひとつ、「オリーブオイルと相性が抜群に良い」ということです。
搾り立ての香り高いオイルを中火に保ちながら、ニンニクと唐辛子でゆっくりと香りを付け、粗刻みしたトマトを加えて軽く煮込んだトマトソースの美味しさは「シシリアならではの物」だと思います。
その美味しいトマトソースに、「香ばしく焼いたナス」を加えたパスタを「シシリア風」と言いますが、その理由も、市場を歩きますと、よく分かります。実に多くの瑞々しいナスを見かけますが、とりわけ大きな、ソフトボールをさらに大きくした位のナスで作った「シシリア風パスタ」は、毎日食べても飽きないくらいに美味しい定番料理のひとつです。素晴らしい「地産地消」の郷土料理だと思います。
「海外の(庶民向け)市場と、日本のスーパーマーケットの違いは?」と言いますと、「売り方の違い」が一番大きいと思います。
我が国では、きちんと大きさ、量を揃えた「パック売り」が主流なのに対して、海外の殆んどの国では「量り売り」が一般的です。もっと分かり易く言いますと「パック売り」では、容器にピタリと入る同じサイズの、真っ直ぐな食材ばかりで、曲がったキュウリや人参は(畑で捨てられ)見かけませんが、海外の市場では、サイズも形もバラバラで並んでいますので「量り売り」するしかなく、多少の傷みも気にせずに売られていますが、皆様は、どちらの売り方がベターだと思われますか?
一見すると、「パック売り」の方が便利で機能的だと思われるかもしれませんが、農産物は、自然の中で栽培された物ですから、サイズも形も色々あって当たり前だと思いますし、曲がった野菜も同じ味で、食べられない物ではないわけですから、捨ててしまわずに「無駄なく食べること」が、自給率の低い我が国にとりまして、とても大切な事だと思います。もちろん、世界中の消費量が急増している魚介類などの水産品に対しても同じことが言えます。
私が修行をしたフランス・リヨンの高級レストランでも「曲がっていれば、カットして使う」とか「大きければ半分に切って使い、小さければ2つ付ければいい」という考え方が「常識」で、同じテーブルのお客様同士のお皿でさえ、「盛り付け数が違う」ということがよくありました。料理長も、「量的に同じにしなさい!」と大声で指示していたのを思い出します。
これが、我が国ではどうでしょうか?例えば、「幕の内弁当」のおかずの数、大きさが違っていたら、大問題になるでしょうね(笑)美意識の問題なんですかね?
でも、この基本的な事だけは忘れてはならないと思います。「人間は、自然の摂理の中で、自然の食べ物(命)を頂くことで「生かせて頂いている」のですから、命ある食べ物を粗末にしたり、工業製品と同じ様に規格だけで扱ってはいけない」ということを。
パレルモの市場でも、サイズ、形はバラバラながら「新鮮で生命力に満ち溢れた、農・水産物」が、手際の良いお店のおじさん達により、小気味良いテンポで「量り売り」されており、その名調子に釣られて私もつい買い過ぎてしまいました(笑)
4月から「信濃毎日新聞」にて、毎月第3土曜日に「美味しさアップ!洋食の定番」というタイトルで、信州産の旬の食材とオリーブオイルを使った「コグレ流・ヘルシーレシピ」をご紹介させて頂いております。
この連載では、とても有難いことに、新聞社様のご好意で、かなり広いスペースを頂いておりまして、1000字程度のエッセイも、ライターさんを使わずに、自由に書かせて頂いておりますので、その部分をみなさまにもご紹介させて頂きます。4月のレシピは「アスパラガスと帆立貝のミモザ風サラダ」です。
ご挨拶
今月からこのコーナーを担当させて頂く、出張料理人・オリーブオイルのソムリエの小暮剛です。
日本全国、世界も70ヶ国以上の食文化の異なる地で腕を振るった経験を生かし、読者のみなさまに「今晩からでも作ってみたい!」と思って頂けるような、簡単で美味しく、ヘルシーなレシピと、そのコツを分かり易くご紹介させて頂きますので、宜しくお願い致します。
ミモザ風サラダ
春のそよ風が心地良く感じられる4月、ヨーロッパの街並みを歩いていますと、あちこちで、黄色く可憐なミモザの花を見かけます。
フランス料理では、春が旬の卵をボイルし、刻んで、グリーンの野菜にかけたサラダを「ミモザ風サラダ」と言い、家庭料理の人気定番メニューでもありますが、季節感があり、とてもお洒落なネーミングですよね。
「サラダ」と言いますと、脇役的なイメージがあるかもしれませんが、世界的に野菜中心の「ヘルシー志向」が高まる中、素材の組み合わせを工夫すれば、それ1品で充分に主菜になり得ますし、私の修行したフランス・リヨンの一流レストランでも、メニューの主菜の欄に「サラダ仕立て」のネーミングをよく見かけました。
アスパラガス
生命力に満ち溢れた「旬」の食材同士を組み合わせたお料理を食べることが、とても大切だと考えている私は、4月に長野県の特産品でもある「アスパラガス」を是非、使いたいと思いました。
アスパラガスは、色彩や食感も大切ですので、湯がきすぎないように注意して下さい。太さにも拠りますが、沸騰しているお湯に塩をひとつまみ加え、1分前後湯がいたら、素早く冷水で冷やすのがポイントです。
オリーブオイル
このレシピの最大のポイントは、ソースにエキストラバージンオリーブオイルとお醤油を合わせて使うことにあります。「情熱大陸」のイタリア収録でも、この和風ソースは大好評でした。
日本人初のオリーブオイルのソムリエでもある私は、みなさまの健康的で美味しい食生活のお役に立てるよう「オリーブオイルと和風の調味料を使ったヘルシーなレシピ」をこれからもご紹介させて頂きたいと考えておりますので、宜しくお願い致します。
エッセイは以上ですが、レシピも簡単にご説明させて頂きます。
①アスパラガスと帆立貝は、軽くボイルして、食べ易くカットします。
②ゆで卵とパセリをみじん切りしておきます。
③ソースがポイントなのですが、オリーブオイル2、バルサミコ酢1、お醤油1の割合で混ぜた物を
上からかけるだけです。
このレシピは、とても簡単で美味しいですから、是非、みなさまもお試し下さいませ。
5月31日に私の母校でもあります辻調理師専門学校・国立校に久々に伺いました。
本校を卒業後にフランスに渡り、リヨン校で本物のフランス料理を学ぼうと考えている後輩達に、私のフランス修行時代の経験談をお話するのが目的でしたが、夢を実現しようと頑張っている後輩達の眼差しは真剣そのものでして、つい私の講演にも熱が入ってしまいました。
一段高い教壇から白衣姿でマイクを持ち、教室全体を見渡しますと、私がお世話になった26年前の生徒時代の思い出が鮮明に甦ってきまして、感無量でした。
当時の私は、大阪に下宿しまして、阿倍野の本校に通っていましたが、毎日の講義がとにかく新鮮で、最前列に座って夢中でメモを取ったり、熱心に質問したりしていました。もちろん、一流シェフや先生方が作った料理の味見は真っ先にさせて頂きましたし、必ず、料理の写真も撮っていました。あの頃は、あらゆることを貪欲に吸収しようと無我夢中で、本当に楽しかった思い出ばかりです。
その貪欲な姿勢は、フランス修行時代も同様でして、本当にありとあらゆる物を吸収してきました。
自分の好きな事で目標を持ち、夢を少しずつ実現させていくことの楽しさ、醍醐味を是非、後輩達にも味わって欲しいなと思います。自分が好きなことであれば、どんな壁、障害にぶち当たっても、必ず乗り越えられると確信していますし、続けていけると思うのです。「みんな、夢に向かって頑張れ!」
大阪、フランス時代、共に大変にお世話になりました木下幸治先生には、4月12日に放送されました「情熱大陸」にもご出演して頂きました。本当にいつもお世話になりまして有難う御座います。
先生は、「私の大切な心の拠り所」です。これからも宜しくお願い致します。
信濃毎日新聞に、好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」、12月のメニューは「チキンと冬野菜のポトフ」です。
私が書いたエッセーとレシピを御紹介させて頂きますので、是非、皆様もお試し下さいませ。
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朝晩の冷え込みも厳しくなり、今年もあと数日となりましたが、皆様はお元気でしょうか。
寒い時期には、体を芯から温めてくれる「熱々の食べ物」が恋しくなりますが、そんな時に皆様でしたら、何を作られますか?「お鍋」や「おでん」でしょうか。
今回は、「チキンと冬野菜のポトフ」をご紹介させて頂きますが、分かり易く申し上げるならば、「西洋風おでん」と言ったところでしょうか。
私が修行したヨーロッパも、冬の寒さは厳しく、「ポトフ」は、冬場の食卓の団欒に欠かせない「熱々定番料理」のひとつです。
ただし、ヨーロッパでは、日本のようなバリエーションに富んだ練り物を加えることは無く、大抵はチキンやベーコンで出汁をとり、地元で収穫された玉葱、人参、じゃが芋を加えるくらいの、とても質素な内容なのですが、これが、しみじみ美味しくて、初めてフランスのリヨンで食べた時には、その奥深さに感動致しました。
私が働いていたリヨンの名門レストラン「メール・ブラジエ」でも、人気メニューのひとつに「地鶏のポトフ」がありましたが、朝一番の厨房では、幾つもの大きな寸胴鍋に水と天然塩を入れて沸かし、たくさんの地鶏を丸ごと茹でていくのが日課でした。
そのあとには、付け合せとなる野菜の下拵えをしてゆくのですが、ヨーロッパでは、日本のように「綺麗で同じサイズの物だけ」ということは有り得なく、キズがあったり、サイズや形がバラバラなのは当然でしたので、茹で加減を同じにするために、キズを除いたり、大きいものは半分に切ったりするのが、慣れるまでとても大変でした。(笑)
でも、自然の摂理に従えば、形や大きさが違うのは、ごく当たり前のことで、その命を頂く私達が、食材に対して感謝の気持ちを持ち、時間と手(愛情)をかけて食べ易く料理することが、とても大切なのではないでしょうか。
私も「食育活動」を通して、未来を担うお子さん達に、そのことを伝えて行きたいと思っています。
さて、今回のレシピのポイントですが、鶏肉には、ボイルする2時間以上前に塩・胡椒を振っておきます。こうすることで、生臭みの原因となる余分な水分を除くことが出来ますし、鶏肉本来の旨みを引き出すことが出来るのです。
加える野菜は、その時に手に入る物だけで結構ですが、歯応えも大切ですので、面倒でも、一種類ずつ下茹でしてから、スープに加えますと、見た目にも美味しそうで、華やかな感じになります。
そして、「仕上げにオリーブオイルをかける」のも大切なポイントです。こうすることで、グッと素材の旨みが引き立ち、食べた時の満足感が得られると思いますので、是非、お試し下さい。
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<材料・2人前>
(A)
・鶏もも肉 250g ・塩、胡椒 各少々
(B)
・水 600cc ・日本酒 大さじ3杯 ・醤油 大さじ2杯 ・味醂 大さじ2杯
・(出汁用)昆布 15g
(C)
・玉葱 1/2個 ・人参 1/2本 ・大根 1/6本 ・牛蒡 1/4本
・ブロッコリー 1/5個 ・カリフラワー 1/6個 ・カボチャ 1/8個
<注> 野菜類は、中サイズを基本とする。
(D)
・オリーブオイル 大さじ2杯
<作り方>
①鶏もも肉は、一口大にカットし、塩・胡椒を振っておく。
②(B)のすべての材料と、①を合わせて鍋に入れ、中火で20分ほど煮る。
③(C)の野菜は、それぞれ一口大にカットし、少し歯応えを残してボイルする。
④③のうち、ブロッコリー以外の野菜を②に加え、さらに10分ほど煮る。
⑤最後に、ブロッコリーを加え、軽く温めて出来上がり。
⑥器に盛り、お好みでオリーブオイルをかけて食べる。
信濃毎日新聞に、毎月好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」2月のメニューは「簡単で美味しいビーフシチュー」です。
私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きますので、皆様も是非、お試し下さいませ。
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今から25年前のフランス修行中に、私が最も尊敬しておりますフレンチの偉大なる名シェフ、ポール・ボキューズ氏に「フランス料理とは?」と、大胆に質問したことがあります。
それに対するボキューズ氏の答えは明快で、「基本的に、ワインとバターとクリームを使って、旨みを凝縮して作るのがフランス料理」とのことでした。
確かに、レストランの厨房では、次々に高価なワインを贅沢にもお鍋にたっぷりと入れてほとんど水分が無くなるまで煮詰め、途中で出汁等を加えながら、仕上げに生クリームやバターを足して、高級なソースに仕上げていきます。
フランス料理の定番「ビーフの赤ワイン煮(ブッフ・ブルギニョン)」も、まさしく同じ手順で作りますが、これをご飯に合う洋食にアレンジしたのが「ビーフシチュー」だと思います。
「ビーフシチュー」も、本来は、時間をかけて出汁から作っていくお料理なのですが、限られた時間と予算の中で作らなくてはいけない家庭料理では、それは難しいですから、今回は、とっておきの「裏ワザ」をご紹介させて頂きます(笑)。
まずは、ベースとなるソースですが、デミソースや赤ワインと相性の良い味醂やトマトピューレ、オリーブオイルを一緒に加えて沸かすことで、味にコクと深みを持たせます。
さらに、赤味噌を加えることで、ご飯にも合う「洋食」になるのです。
お肉も工夫します。通常は、大きめの塊を、時間をかけて煮込んでいくのですが、素早く仕上げるために、今回はスライスした牛肉を使いました。オリーブオイルで、サッとあぶるように焼き、ソースに絡めれば、煮込むことなく作れます。逆に、スライスした牛肉は、煮込んでしまいますと、固くなりパサつきやすいですから、注意して下さいね。
もし、塊のお肉を使う場合には、少し強めに塩・胡椒を振って1時間以上置き、強火で表面をしっかりと焼いて旨みを閉じ込めてから、ソースに加えてゆっくり煮込んで下さい。煮込む時間は、塊の大きさに拠りますので、初めて作る場合には、味見しながら固さをチェックして下さい。
付け合せの野菜は、家庭料理の定番である人参、玉葱、じゃが芋を使いましたが、もちろん、彩りを考えて、ブロッコリーやカリフラワー、パプリカ、菜花、アスパラガス等を加えて頂いても結構です。その際、各野菜は、歯応え良くボイルしておき、シチューの完成間際に加えて頂くのが、見た目も綺麗で美味しく仕上げる秘訣です。
完成した「ビーフシチュー」の写真を見ますと、解説が無ければ、ただの「肉じゃが」にも見えますが、「素朴な家庭料理らしくて美味しそうだな」と思ったのは、私だけでしょうか(笑)?
「百聞は一見にしかず」是非、お試し下さいませ。美味しさは私が保証致します(笑)。
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<材料・2人前>
(A)
・デミソース(市販) 80g ・赤ワイン 大さじ4杯 ・味醂 大さじ2杯
・水 大さじ3杯 ・トマトピューレ 大さじ2杯 ・オリーブオイル 大さじ2杯
・赤味噌 大さじ1杯
(B)
・牛肉(スライス) 120g ・塩・胡椒 各少々
(焼き油として)
・オリーブオイル 大さじ2杯
(C)
(付け合せとして)
・人参 1/2本 ・玉葱 1/3個 ・じゃが芋 1個
<作り方>
①(A)を合わせて沸かす。
②(B)の牛肉には、塩・胡椒を振り、オリーブオイルでサッと焼く。
③(C)の野菜は、それぞれ一口大にカットし、ボイルしておく。
④①に②と③を加え、軽く煮る。
簡単で美味しい「家庭版・ビーフシチュー」です
牛スライス肉は、強火で軽くあぶる程度に焼きます
撮影は、船橋の私のスタジオで行いました
ソースに赤味噌を入れると御飯に合う味になります
信濃毎日新聞に毎月1回、連載させて頂いております「コグレ流・洋食の定番」、3月のメニューは「大人好みのナポリタン・スパゲッティー」です。
私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きますので、是非、皆様もお試し下さいませ。
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春の訪れを感じる3月も中旬になりましたが、皆様は如何お過ごしでしょうか?
今月のメニューは、子供達も大好きな「ナポリタン・スパゲッティー」です。
4月から小学生になるお子さん達も大勢いらっしゃると思いますが、新しい生活、特に「学校給食」を楽しみにしているお子さん達は多いのではないでしょうか?
私も「学校給食」は、大好きで、毎朝、献立表をチェックしてから登校するほどでした(笑)。
最近は「食育推進委員」として、「学校給食の御指導」をさせて頂く機会が多くなりましたが、全国的に「ナポリタン(ケチャップ)・スパゲッティー」は、子供達に人気があります。
確かに、私も好きでしたし、大人になった今でも、「オムライス」や「ナポリタン」を食べたくなることが、時々ありますが、さすがに最近は、ケチャップだけで味付けした物は、甘すぎるなと思います。
何とか「大人向けの美味しいナポリタン」が出来ないものかと、色々試作していくうちに「デミソースやオリーブオイルとの相性の良さ」に気が付きました。
デミソースやオリーブオイルを加えることで、ケチャップの甘さが引き締まり、コクと旨みの奥深さが際立ちまして、まさしく「大人好みの味」になるのです。
全国に出張料理の仕事で伺い、お子様向けにこのレシピで「ナポリタン」を作ることがあるのですが、主役のお子さん達以上に、親御さん達が喜んで食べて下さるのは、とても嬉しいですね(笑)。本当に、作り甲斐のある1品です。
付け合せの野菜は、春らしく彩り豊かなパプリカと玉葱に致しましたが、パプリカや玉葱の自然な甘味と、引き締まった味わいのソースとの相性も抜群です。
もちろん、他にも、季節ごとの野菜をご自由にお使い頂ければ、美味しいバリエーションは、さらに広がりますね。これからの時期、菜花やアスパラガス、ブロッコリー、空豆等もお薦めですし、秋には、キノコやナスもいいですね。
ところで、「ナポリタン」とは、「イタリアのナポリ風」という意味ですが、実際にナポリに行きましても、このような味のパスタは見当たりませんでした(笑)。現地のレストランで「ナポリタン・パスタ」をリクエストしますと「何、それ?」といったリアクションが返ってきます(笑)。
いずれにしましても、ナポリはトマトの名産地であり、美味しいオリーブオイルもありますので、そのイメージから、日本では「(トマト)ケチャップ」で作ったパスタを「ナポリタン(ナポリ風)」と呼び始めたのではないかと思います。
私は、世界中を回り「世界の食文化」を見て来ましたが「(実際とは異なる)イメージからのネーミング」は、意外に多いことに気が付きます。
今度、ナポリに行く機会がありましたら、是非、日本のケチャップを持参し、現地でお料理教室を開催して「ナポリタン・パスタ」を逆輸出して来たいと思っています(笑)。
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<材料・2人前>
(A)
・デミソース(市販) 30g ・ケチャップ 大さじ3杯 ・白ワイン 大さじ2杯
・オリーブオイル 大さじ2杯
(B)
・玉葱(スライス) 1/3個 ・パプリカ(赤・黄) 各1/2個 ・ピーマン 2個
(C)
・スパゲッティー(今回は、リングイネ使用) 200g前後
<作り方>
①(A)を合わせて沸かす。
②(B)は、すべて細切りし、軽くボイルしておく。
③①と②を合わせる。
④茹で立てのパスタと③を合わせて出来上がり。
パプリカと玉葱の旨味が引き出された「ナポリタン」です
出張料理でも好評な1品です
調味料は、事前に合わせて「味を決めておく」のもポイントですね
具材がすべてフライパンに入ったら、手早く仕上げましょう
信濃毎日新聞で、毎月、好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」、5月のメニューは、フランス南東部の素朴で美味しい郷土料理を、コグレ流にアレンジ致しました「アスパラガスとポテトのミルクグラタン」です。
今月も、私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きます。
とても美味しく、簡単に出来ますので、是非、皆様もお試し下さいませ。
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今月のメニューは、今が旬の「アスパラガス」と相性の良い「じゃが芋」を使った「ミルクグラタン」です。
「グラタン」と言いますと、ゆっくりと時間をかけ、小麦粉とバターを弱火で炒めて作る「ホワイトソース」を使うのが一般的だと思いますが、今回は、シンプルに、牛乳だけで煮込んで仕上げる、フランスの伝統的なレシピを御紹介させて頂きたいと思います。
フランス修行中の25年前に、日本では手に入らない食材を求めて、アルプスの山々と豊かな大自然に囲まれたフランス南東部の「ドフィーヌ地方」を旅したことがあります。
その時にも「気候・風土が、信州と似ているなぁ!」と思ったのですが、「ドフィーヌ地方」は、酪農地帯としても有名で、ワインに合う、とても美味しい「フレッシュチーズ」や、「濃厚でコクのある乳製品」が沢山有りました。
街中のレストランやお惣菜屋さんには「ドフィーヌ風ポテトグラタン」というメニューが必ず有り、何軒かで試食してみたのですが、じゃが芋の旨みを生かした、軽い仕上がりのグラタンは、とても新鮮で美味しかったです。
レシピを尋ねますと「生のじゃが芋をスライスし、地元産の牛乳だけで煮ている」とのこと。まさしく「シンプルの極み」で、本当に「目からウロコ」でした(笑)。
今回のレシピでは、ご飯のおかずにもなるように、牛乳と相性の良い「白味噌」を加えてみましたが、これは、私のアレンジです(笑)。でも、フランス人は、新しい物(味)が大好きですから、「白味噌風味」は、逆輸出したらヒットするかもしれませんね(笑)。
「じゃが芋」を煮る時のポイントが1つだけあります。牛乳を強火で一気に沸かしますと、脂肪分が分離しますので、火加減は、中火位に弱めて、ゆっくりと煮ていって下さい。煮上がりの目安は、竹クシが通ればOKです。
耐熱皿に移し、オーブンに入れて仕上げる際には、コクを出し、焼き目を付き易くするために、溶いた卵黄や生クリームを加える方法もありますが、このあたりのアレンジは、御自由にしてみて下さいね。
ソテーしたチキンやシーフード、パスタなどを加えれば、これ1品で「メインディッシュ」にもなりますが、今回は、長野県の特産品でもあり、今が旬の「アスパラガス」を添えてみました。
このように、季節ごとの野菜の自然な色が加わりますと、彩りも綺麗ですし、美味しさもアップしますので、皆様も色々と身近な食材をトッピングして頂き、新しい美味しさを発見してみてはいかがでしょうか。例えば、先月御紹介させて頂いた、焼きリンゴや菜花をはじめ、玉葱、空豆、インゲン、パプリカやプチトマトなどもこのグラタンに良く合います。このように考えますと、結局、長野県産のほとんどの食材でアレンジが出来るわけです。「素晴らしい地産地消」ですよね(笑)。
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<材料・2人前>
(A)
・アスパラガス 6本
(B)
・じゃが芋 3個
・牛乳 250cc
・白味噌 大さじ1杯
・塩、胡椒 各少々
(C)
・粉チーズ 大さじ2杯
<作り方>
①アスパラガスは、一口大にカットし、ボイルしておく。
②じゃが芋は、皮をむき、一口大にカットしてから、牛乳、白味噌、塩、胡椒を加えて、中火で10分位煮る。
③耐熱容器に①と②を盛り、粉チーズを振ってから、220℃のオーブンで、焼き色が付くまで10分程度かけて焼く。
シンプルですが、とても美味しいミルクグラタンです。
牛乳と相性の良い白味噌を加えるのがポイントです。
パルメザンチーズを振って、オーブンで焼きます。
牛乳に白味噌を入れるシーンの撮影風景です。
ミルクのコクと、香ばしい香りが食欲をそそります。
オリーブオイルのソムリエでもある私が「世界№1」と認め、秋のオリーブ収穫の時期には、定期的に伺って、新鮮で上質なオイルを搾る作業に立ち会わせて頂いております、南イタリア・シシリアの名門オリーブ園「ラビィダ家」でも、「情熱大陸」の撮影をさせて頂きました。
メンフィーという小さな町にあります、ラビィダ農園の入口を入りますと、正面には、築200年以上の歴史を持つ、重厚な作りのヴィッラ(お城)があり、ラビィダさんのオイルのラベルシールのデザインにもなっています。
綺麗なお庭には、かつて、オイル搾りに使われていた石のローラーをはじめ、歴史を感じさせる道具類がセンス良く並べられており、どこで写真を撮りましても、絵葉書のような感じで、本当に感動致します(笑)。
南イタリア・シシリアの広大な台地に、どこまでも広がるオリーブの木々の緑は、太陽光に照らされ、きらきらと美しく輝いており、地中海からの心地良い風を肌で感じておりますと、「至福の時間」といった感じで、テレビの撮影をしていることや、時間の経つのを忘れてしまいそうになります(笑)。
ラビィダ農園では、まだグリーン色の濃い、若い実だけを90%以上、丁寧に収穫して、すぐに搾り始めます。
オリーブの実は、はじめグリーン色で、やがて赤味を帯びて、完熟すると黒くなるのですが、フルーティーでポリフェノールがたっぷりの上質なオイルを搾るには、まだ若いグリーンの実が適しているのです。
早速、搾り立てのオイルを味見してみました。抹茶のようにグリーン色の濃い、搾り立てのオリーブオイルは、香り高く、本当にフルーティーで美味しかったです。社長のナタリアさんが、バケットをトーストして下さり、熱々のそれに、たっぷりとオイルを浸けて食べてみましたが、本当に、言葉にならないほど美味しくて、日本から同行して頂いた撮影スタッフのみなさんも「オリーブオイルのイメージが変わりました!」と、感動した様子でした。
自然の摂理に合った「食べ物の命を頂くことの大切さ」を改めて実感致しましたし、美味しいオリーブオイルのおかげで、「時差ぼけ」もすっかり吹っ飛びまして(笑)、明日からの市場での仕入れと、本番の、お料理作りへのパワーがみなぎってきました。
ラビィダ家のシンボル、築200年以上のビィッラ(お城)です。
オリーブオイルを搾るために、かつて使われていた道具類です。
ラビィダさんの広大なオリーブ園にて、ナタリア社長、10歳の息子さんとご一緒に。
90%以上は、グリーン色の若い実だけを丁寧に収穫致して、素早く搾ります。
完全オートメーション化された、高性能の機械で搾ります。
グリーン色が濃く、香り高い「搾り立てオリーブオイル」です。
焼き立てのバケットにオイルを浸して試食致しました。最高の美味しさでした。
「情熱大陸」では、私が南イタリア・シシリアの青空市場で、夢中になって食材探しをしているシーンが紹介されました。
旧市街の入り組んだ路地の奥の方にあります、歴史のある「バラッロ青空市場」は、いつも朝から大勢の買い物客で賑わっておりまして、私は、その雑踏が醸し出す、人間臭い雰囲気が大好きなのです(笑)。
今まで、世界70ヵ国以上を訪れ、オリーブオイルを中心とした、世界中の食文化の研究をしておりますが、訪れた初日には、必ず、現地の市場を端から端まで、くまなく歩き回るようにしています。
市場を見れば、その国の食文化はもちろんのこと、経済情勢や諸々のことが、とてもよく分かるからです。
たとえ、言葉の通じない国に行ったとしましも、包み隠すことのない庶民の生き様、表情を見ていれば、言葉以上に伝わってくるものがあります。
実は、肌で感じる、その感覚が、一番大切なのではないかと、最近、強く思います。「これからは感性の時代だ」と思うのは、私だけでしょうか。
南イタリア、特に、シシリアでは、とても新鮮で、生命力に溢れた食材が豊富にあります。
そのいくつかを、写真で御紹介させて頂きます。
歴史と雰囲気のある「バラッロ市場」です。
ナスやズッキーニからも、「生命力に溢れたエネルギー」を感じます。
日本では珍しい「白ズッキーニ」も、規格はずれの大きさです。
特大サイズの「カリフラワー」は、トラックの特設屋台で売られていました。
トマトも、多種類あり、彩りもとても美しいです。
シシリアは、とても美味しいフルーツの宝庫でもあります。
「情熱大陸」では、南イタリア・シシリアの名門オリーブ農園「ラビダ家」のヴィッラ(築200年以上のお城)のキッチンをお借りして、翌日に迫ったホームパーティーの仕込みを、額に汗しながら、徹夜でするシーンが紹介されました。
日本からは、伝統的な和の食材や調味料(玄米・昆布・鰹節・醤油・味醂・日本酒・本ワサビ・柚子胡椒・白ゴマなど)もスーツケースに入れて持参し、まずは、鰹節と昆布で「和風出汁」を引くところから、仕込みはスタート致しました。
日本からの素材ではありますが、水も日本からというわけにはいきませんので、水は、地元のミネラルウォーターを使わせて頂きましたが、イタリアの水は石灰分を含む硬水ですので、出汁も微妙に味わいが異なり、微調整するのに、とても苦労致しました(笑)。
一口大にカットして、歯応え良くボイルした、彩りの美しい各種野菜には、その苦労して引いた和風出汁を加えて、半日ほど漬け込んだのですが、野菜の種類・持ち味に応じて、和風出汁の味加減も少しづつ変化させましたので、広い調理台の上には、和風出汁と野菜の入った20個位のお鍋やボールが、所狭しと並び、その迫力あるシーンも、しっかりと映し出されておりました。
「ラビダ家」には、料理が大好きで、撮影中も、ぴったりと私の側から離れずに、楽しそうに仕込みを手伝って下さった、10才になる息子さんがいらっしゃいます。
お刺身サラダ(ワサビ醤油風味のカルパッチョ)用に、新鮮な黒鯛を仕入れたのですが、その下拵えも息子さんに手ほどきしながら、手伝って頂きました。
私が、簡単に説明しますと、すぐに上手に捌けるようになったのには、驚きましたが(笑)、「好きこそ物の上手なれ」なのですね。感心致しました(笑)。
3枚卸しにした黒鯛の身は、昆布とオリーブオイルで3時間ほど、マリネしたのですが、これが、普通の昆布〆よりも遥かに美味しく、「和と洋のコンビネーションの妙」に、とても感動致しました。
デザートは、一切の砂糖を使わずに、少しの塩とオリーブオイルだけまぶして焼いたリンゴと柿(イタリア語でも柿は「カキ」です)のグラタンにしたのですが、この焼きリンゴが、本当に甘くて美味しく、撮影スタッフのみなさんにも大好評でした。
ここまで、仕込みは、ほぼ完璧に出来ましたので、翌日の御食事会本番が、楽しみになってきました。
(実は、翌日、予想外のアクシデントが起きるのですが・・・。)
日本から持参した「和の調味料・食材」の数々です。
ラビダ家の10才になる息子さんにもお手伝いして頂きました。
前日の仕込みは、徹夜作業になりましたが、楽しかったです。
お刺身用の黒鯛は、昆布とオリーブオイルでマリネしました。
歯応えを残してボイルし、和風出汁に浸けておいた、彩り良い野菜の数々です。
リンゴは、少しの塩とオリーブオイルをまぶして焼きました。
信濃毎日新聞で、毎月、好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」6月のメニューは、「信州サーモンのカルパッチョ」です。
とても簡単に出来て、美味しい御料理ですので、是非、皆様もお試し下さい。
今月も、私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きます。
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今月のメニューは「信州サーモンのカルパッチョ」です。
6月も半ばを過ぎますと、蒸し暑さで、食欲のわかない日もあるかと思いますが、そんな時に、サッパリと食べられて、お勧めなのが、今回のメニューです。
「カルパッチョ」は、イタリア料理の代表的な前菜のひとつですが、日本語に訳しますと「オリーブオイルをかけたお刺身」と言ったところでしょうか。
本来、「カルパッチョ」とは、ビーフや鹿肉等、赤身のお肉を生の状態で薄切りし、軽く塩・胡椒を振ってから、オリーブオイルをかけて食べる、素朴な家庭料理でした。
実際に、今から25年前の私の修行時代には、イタリアのどこの地方を訪れても、「カルパッチョ」と言えば、「お肉」でしたが、最近では、白身魚やマグロ等のお刺身を使った、ヘルシーな「シーフードのカルパッチョ」が、欧米諸国で大人気です。
「なぜ、このような流れになって来たのか?」と申しますと、実は、「日本のお刺身文化」の影響が、かなりあるのです。
交通の便が良くなり、情報網も広がって「食の文化交流」が進んできますと、「ヘルシーな日本の食文化」に興味を持ったシェフ達が、世界中から訪れるようになります。
特に「会席料理の繊細で芸術的な盛り付け」や、「職人技が冴える寿司」等は、欧米から来たシェフ達には、とても新鮮なようで、その美味しさ、技を脳裏に焼き付けて帰国すると、自分達のレストランで、早速、再現してみます。
昔と違い、どんなに内陸部であろうとも、その日のうちに新鮮な魚介類が手に入るようになり、「シーフードカルパッチョ」も、簡単に美味しく出来るわけですから、当然、刺身に違和感の無いお客様の反応も良く、今や「日本から逆輸出したメニュー」が、欧米諸国の「看板メニュー」になっているのです(笑)。
今回は、以前から使ってみたいと思っていました「信州サーモン」のカルパッチョです。皆様は、「信州サーモン」を食べたことがありますでしょうか?
長野県の水産試験場が、約10年の歳月をかけて開発したと聞いていますが、美しい紅色でキメの細かい肉厚な身は、サーモン独特のクセがまったく無く、程よく脂も乗っていますので、お刺身にしますと、とろけるような美味しさに驚きます(笑)。
今回のレシピでは、サーモンの美味しさを生かすために、ドレッシングソースはシンプルに致しましたが、お好みでワサビや卸し生姜、ゆず胡椒等を適宜、加えて頂いても結構です。
ここで、ポイントがひとつだけあります。ソースをかける前に必ず、お刺身に塩・胡椒を軽く振って下さい。こうすることで、お刺身とソースの味の馴染みが良くなり、美味しさが引き立ちます。これは、他のお刺身を使う場合でも同じことですので、是非、皆様も色々とお試し下さい。
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<材料・2人前>
(A)
・信州サーモン(刺身用) 150g前後
・塩、胡椒 各少々
(B)
・オリーブオイル 大さじ2杯
・醤油 大さじ1/2杯
・レモン汁 少々
(C)
・プチトマト 6個
・万能葱(小口切り) 大さじ1杯
・白炒りゴマ 少々
<作り方>
①サーモンはスライスして、皿に盛り、軽く、塩、胡椒を振っておく。
②(B)を合わせたソースをかける。
③カットしたプチトマト、万能葱、白炒りゴマを盛る。
サッパリとしていて、美味しい「信州サーモン」のカルパッチョです。
お刺身は、スライスして、広げるようにお皿に盛ります。
ソースをかける前に塩を振っておくのがポイントです。
塩は、上質な天然塩を使うと、美味しさがアップ致します。
夏場で、食欲が無い時にもお薦めの1品です。
徹夜で仕込みを間に合わせ、いよいよ出張料理当日です。
まずは、テーブルセッティングから始めましたが、ラビダ家に古くから伝わる、シシリアの伝統的な陶器の飾り皿を中心に置きまして、シンプルなテーブルコーディネートを心がけました。
メニューもイタリア語とフランス語を交えて、手書き致しましたが、睡眠不足で、頭がボーッとしていましたので、スペールが正しかったか、どうかは、よく分かりませんでした(笑)。
キッチンでは、初日から懐いてくれていた、10才になる息子さんが、私の隣で、一生懸命に盛り付けを手伝ってくれたのですが、撮影が始まり、カメラマンさんから、離れて着席するように言われますと、とても悲しそうな表情をしていたのが、印象的でした。
彼は、将来、料理の道に進めば、きっと一流のシェフになれるだろうと確信していますが、何しろ、貴族のひとり息子さんですから、そうも行かず、いずれは、シシリアの社交界を背負って立つ、立派な人物になるのだろうな、と秘かに想いを巡らせたりもしました。
1品目の前菜は「野菜と天然海老の和風マリネ、搾り立てオイルとゴマソースの2色仕立て」でしたが、ここで、思わぬハプニングに遭遇致しました。
各野菜は、それぞれの歯応え、美味しさを味わって頂けるように、細心の注意を払いながら、ボイルし、一晩、和風の出汁に浸けておいた「自信作」なのですが、何と、7名様中4名の方が、殆ど手を付けずに残されたのです。
今まで、20年近く出張料理を続けて来ましたが、こんなに残されたのは、初めてでしたので、本当に驚きました。思わず、撮影をストップさせようかと思ったくらい、びっくり致しました。
南イタリア、特に、シシリアの料理は、野菜を何でもクタクタに煮込む傾向が強くて、せっかく美味しい素材の味を台無しにしているような気がしていましたので、今回は、あえて、コグレ流の野菜料理で、その美味しさに気付いて欲しいと思っていたのですが、結果は、御覧の通り、そう甘くはありませんでした(笑)。
異国の長きに渡る食文化を変えることは、そう簡単ではないことを、改めて実感致しましたが、野菜料理に自信はありましたので、正直なところ、ショックも大きかったです(笑)。
今回は、コース仕立てで、2品目をすぐに出さなければいけませんでしたので、「反省」は、一瞬にして、次の「黒鯛のお刺身サラダ、ワサビ醤油風味の搾り立てオイルかけ」の盛り付けに全力を注ぎましたが、撮影をこのまま続けて良いものなのか、心は大きく揺らぎ、内心は、かなり半信半疑でした。
シンプルなテーブルコーディネートを心掛けました。
イタリア語とフランス語を交えた、手書きのメニューです。
息子さんも、プレゼントした帽子をかぶり、一生懸命にお手伝いしてくれました。
ラビダファミリーが集まった、和やかな雰囲気の御食事会でした。
手間暇かけて、野菜の歯応えと旨味を生かした1品なのですが・・・。
コグレ流の、野菜の美味しい歯応えを伝えたかった「自信作の前菜」で、いきなりつまずき、「こんな間抜けなところを全国放送されてしまったら、私の料理人人生も終わりだな!」とか、様々な感情が込み上げてくるなかで、カメラの前では、冷静を装いながら、2品目の「黒鯛のカルパッチョ、ワサビ醤油風味のオリーブオイルソースかけ」を仕上げていきました。
「昆布締め」にオリーブオイルを使うシェフは、おそらく、私くらいだと思うのですが、これが、本当に美味しいのです(笑)。
不思議なもので、美味しい物(黒鯛の昆布&オリーブオイル締め)を一口食べますと、それまで落ち込んでいても、気持ちが段々、前向きになってくるんですよね(笑)。「命ある食べ物のパワー」は、凄いと思いました。
静岡県産の大きな本ワサビを、築地の道具屋さんで仕入れた鮫皮ですり卸し、ワサビ醤油を作ってから、搾り立てのオリーブオイルと混ぜれば、ドレッシングソースの出来上がりなのですが、昆布&オリーブオイル締めした黒鯛との相性は最高で、「これなら大丈夫だろう!」と祈るような気持ちで、食卓を覗きますと、全員がアッという間に完食して下さっており、私とみなさんの目が合うやいなや、「ミスターコグレ、ファンタスティック!」とか「ブラボー!」といった絶賛の声が上がり、ホッと致しました(笑)。
「命のある食材」は、いつも私を裏切らずに、こうして助けてくれるのです。「命のある食材に、感謝、感謝」ですね。
3品目には、「地元野菜とハーブがたっぷりと入ったムール貝の和風コンソメスープ」をお出ししたのですが、野菜は、少し軟らかめに煮まして、仕上げに搾り立ての濃厚なオリーブオイルを回しかけますと、香りとコクが一気に際立ち、極上のスープが完成致しました(笑)。
このスープも、みなさんに完食して頂けたのですが、特に、最初の前菜を残された御老人が、最後の一滴まで、パンに浸けて食べて下さったのには、感激致しました。
これだから、出張料理人は、辞められませんよね(笑)。
ワサビ醤油とオリーブオイルの相性が最高の「黒鯛のカルパッチョ」です。
「黒鯛のカルパッチョ」は、全員がアッという間に完食して下さいました。
仕上げに加えるオリーブオイルが決め手の「和風コンソメスープ」です。
コース仕立ての御料理は、前菜2品、スープと進み、次は、メインディッシュの「地鶏のソテー、柚子胡椒風味の搾り立てオリーブオイルソース添え」です。
付け合せの野菜は、1品目と同じように、彩り良く、歯応えを残して、出汁の旨味を浸み込ませた物にする予定だったのですが、それでは、また、残される可能性を肌で感じましたので、急遽、オリーブオイルで柔らかく素揚げしてお出しすることに致しました。
番組内では、額に大粒の汗を浮かばせながら、フライパンでブロッコリーを素揚げしているシーンが紹介されましたが、このあたりでは、全神経をブロッコリーに集中させており、カメラがあることさえ忘れて、調理に没頭しておりました(笑)。
その他、シシリア産の大きなナスも、素揚げして、香ばしく色付けましたし、日本から持参した、玄米のこしひかりは、オリーブオイルとバルサミコ酢を入れて、お鍋で炊き、野菜や豆を加えて、サラダ風に仕上げました。
この、急遽、調理法を変えたメインディッシュも、全員の皆様に完食して頂き、やっと、肩の荷が降りた気が致しました。
最後のデザートでは、リンゴに一切の砂糖を使わずに、軽く塩を振りかけ、オリーブオイルを馴染ませてオーブンで焼いた物と、完熟した柿をグラタン仕立てにしたのですが、これも、大好評で、息子さんは、「おかわり」までしてくれました(笑)。
すべてのコース料理を出し終え、客席に伺って、なぜ、1品目の野菜を残されたのか、ニューヨークから来て下さった、高齢の御夫妻にお伺いしてみました。このシーンも番組内で紹介されましたが、やはり、柔らか目の方がお好きだとのこと。体調も万全ではなかったようです。
予想はしておりましたが、理由をお聞き出来て、スッキリ致しました(笑)。
今回も、壁にぶち当たりながら、何とか乗り越えて行くという、貴重な経験をさせて頂くことが出来ました。
この経験を大きな財産として、今後に生かして行きたいとは思いますが、「南イタリアのみなさんに野菜本来の美味しい食べ方を伝えたい」という、熱い気持ちに変わりはありませんので、これからも地道に、壁にぶち当たることを恐れずに、頑張りたいと思っております。
皆様も、応援を、どうぞ宜しくお願い致します(笑)。
急遽、料理法を変えた「地鶏のソテー、柚子胡椒風味のオリーブオイルソース」です。
料理法を変えたメインディッシュは、全員に完食して頂きました。
デザートは「焼きリンゴと柿のグラタン仕立て」、オリーブオイルが決め手です。
御食事会のお礼に、貴重な「手書きの絵画」を頂きました。
息子さんには、一生懸命に楽器の演奏をして頂き、感激致しました。
朝晩、めっきり涼しくなり、ようやく秋の気配を感じる今日この頃ですが、みなさまは、夏バテせずに、お元気でお過ごしでしょうか。
信濃毎日新聞に、毎月好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」、9月のメニューは「豆と野菜たっぷりのライスコロッケ」です。イタリアでは、どの地方に行きましても、必ずメニューにあり、人気の高い「温かい前菜の定番」ですが、ご家庭でも、簡単に出来て、とても美味しい御料理ですので、是非、みなさまもお試し下さいませ。
今月も、私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きます。
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今月のメニューは、「豆と野菜たっぷりのライスコロッケ」です。
イタリア各地のレストランでは、温かい前菜の定番として、とてもお洒落で、人気のある1品なのですが、実は、マンマ(お母さん)の知恵が詰まった家庭料理「リゾット」が、その原点なのです。
「リゾット」とは、お米の入ったお鍋に出汁とチーズやバターを少しずつ加えながら、歯応えを残して炊いてく「洋風おじや」とでも言いましょうか。多めに作って残りますと、乳脂肪分が入っているために、冷えて固まりますが、それを丸めてパン粉の衣を付け、フライにしたものが、「ライスコロッケ」なのです。
残り物を無駄にせず、新しいメニューに変身させて、家族に喜んでもらおうとする、マンマの「愛情溢れた素晴らしい知恵」、家庭料理ならではですね。
みなさまも、このように、残り物を無駄にせず、新しい料理にアレンジすることはありますでしょうか?
例えば、肉じゃがを潰して、コロッケにすると美味しいですし、残りご飯で作った焼きおにぎりも、私は大好きです(笑)。
くず野菜を炒めて、卵焼きの具にしたり、出汁を取った後の昆布と鰹節を刻んで、オリーブオイルと醤油で炒め、ふりかけにするのもいいですね。みなさまも、美味しいアレンジメニューをお持ちでしたら、是非、教えて下さいね。
「リゾット」は、基本的にお米が主役の御料理ですが、コロッケにした時の彩りや味のバランスを考えまして、今回は、豆やミックス野菜を多めに加えています。
もちろん、魚介類やチキン等の肉類を加えて頂ければ、ボリューム感も出て、これ1品でメインディッシュにすることも出来ますし、自由な発想で、色々な具材の取り合わせをお楽しみ下さい。
揚げ物と言いますと、「どうしても爆発して中身が出てしまう」といった類の、お悩みの相談を頂くことがありますが、ポイントは、揚げ油の温度を180℃から200℃にしっかり保つことが大切なのです。では、どのようにすれば、適温を保てるのでしょうか?
家庭用のコンロは、プロ用に比べて、火力が充分ではありませんので、一度にたくさん揚げないことです。お腹をすかせた御家族にせかされると、一度に、たくさん揚げたくなりますが、それでは、急に温度が下がってしまいます。慌てずに、少しずつ揚げることが適温を保つことにつながるのです。
どうしても、一度にたくさん仕上げなければならない時には、予め、やや強火で、表面だけ焼き色を付けておき、まとめてオーブンで中まで火を通す方法もありますが、ひとつずつ、丁寧に揚げていくほうが、時間(愛情)をかけている分だけ美味しいと思います(笑)。
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<材料・2人前>
(A)
・大豆水煮 80g
・ミックスベジタブル 100g
・ホワイトソース 100g
・オリーブオイル 大さじ2杯
・ピザ用チーズ 60g
・トマトケチャップ 大さじ2杯
・カレー粉 大さじ1杯
・ご飯 120g
(B)
・小麦粉 適宜
・溶き卵 適宜
・パン粉 適宜
・揚げ油 適宜
<作り方>
①(A)を合わせて、チーズが溶けるまで炒める。
②①を冷まし、食べ易い大きさに丸める。
③小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけて、180℃の油で揚げる。
イタリアでも人気の「ライスコロッケ」は、温かい前菜の定番メニューです。
ピザ用チーズを加えることで、コクと旨味が増し、丸め易くなります。
バットに広げて冷ました具材を、食べ易い大きさに丸めていきます。
魚介類や肉類を加えれば、主菜(メインディッシュ)にもなります。
180℃の油で、衣がキツネ色になるまで、しっかりと揚げます。
完成した御料理の、自然光を活かした撮影風景です。
9月の中旬に、日本酒の名門メーカー「朝日酒造様」の登録小売店様向けのイベント、「第6回・越州全国大会」に御招き頂き、「世界を巡って感じた<食の役割>、<酒の役割>」をテーマに、講演させて頂きました。
実は、私の祖父母の出身地も新潟県でしたので、祖父や叔父も、「朝日酒造様」のお酒を、とても大事そうに楽しんでいた記憶があり、私自身も「朝日酒造様」を身近に感じておりましたので、今回のご縁を、心から有難く思いました。
講演会に先立ちまして、「越州」全種類の「利き酒コーナー」におじゃまさせて頂きましたが、どれも、香り高く、本当に美味しくて、本番前だというのに、ついつい飲み過ぎてしまうところでした(笑)。「やっぱり、日本酒は、最高ですね!」
講演会では、「世界的に日本酒が注目されていること」、「日本酒は、日本人にとって大切な伝統的食文化の一部分であること」、「日本酒をさらに普及させるためのヒント」、「日本酒に合う、オリーブオイルと御醤油を使った、簡単料理レシピ」などを話題の中心に致しまして、私の世界を巡って感じた「食とお酒の体験談」を、飾らずに御披露させて頂きました。
講演後には、ご来場頂いたみなさまに「コグレお薦めのオリーブオイルの試飲」をして頂きましたが、こちらも、想像以上に大好評で、嬉しかったです。
数日後、講演会に参加して下さったみなさまからは、御丁寧に、御礼のメールや御手紙を何通も頂戴致しまして、感激しております。
これからも、日本酒の普及のために、私に出来ることがありましたら、喜んでお手伝いさせて頂きたいと思っておりますので、今後共、宜しくお願い致します。
日本を代表する銘酒「越州」の「利き酒コーナー」です。
講演会には、300名様以上の「越州」登録小売店様にご来場頂きました。
ヘルシーな和食に合う日本酒は、世界中から注目されています。
日本酒との相性が良い、コグレお薦めのオリーブオイルです。
私の著書とオリーブオイルの販売コーナーも大盛況でした。
講演会に御参加頂いた御客様から、とても素敵で有難い御葉書を頂きました。
10月下旬に、スペイン国境に近い南西フランスを訪れ、以前から興味のあった「ボルドーの名門ワイナリー」や、トリュフ、フォアグラといった郷土色豊かなローカル食材が豊富に並ぶ「サルラの土曜日朝市」、貴族出身の画家でありながら、料理のレシピ本も出版している「ロートレックにゆかりのあるアルビ」、辻調理師学校の後輩が修行中のレストランもある「世界遺産の城塞都市、カルカッソンヌ」、最近、NHKのBS放送等で紹介され、人気急上昇中の「中世の雰囲気が残る美しい村々」等を、限られた時間の中で回って来ました。
詳しくは、私のHP内の「海外出張日誌」欄に、数回に分けてレポートする予定ですので、御期待下さいませ。
最新型で燃費も良い、総2階建ての「エアバス380(540人乗り)」でパリに向かいました。
ボルドーの名門ワイナリーにて、石灰岩を掘った「自然のワインカーブ」です。
ボルドーの有名銘柄「サンテ・ミリオン」の赤ワインのバランスの良さには感動致しました。
町全体が建築博物館のような「サルラの土曜日朝市」は、とても活気がありました。
ユニークな料理レシピを残している「画家・ロートレック」の肖像画の前で。
1997年に世界遺産に登録された、中世の城塞都市「カルカッソンヌ」の入口にて。
カルカッソンヌのレストランで元気に修行中の後輩、新畑君を激励してきました。
フランス政府認定の「美しい村」、コロンジュ・ラ・ルージュで、ハロウィンの子供達と。
まだまだ、朝晩の冷え込みが厳しい日々が続いておりますが、みなさまは、風邪など引かずに、お元気でお過ごしでしょうか?
信濃毎日新聞に毎月好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」、新年最初のメニューは「魚介類の和風ブイヤベース」です。
「ブイヤベース」をご家庭で本格的に美味しく作るには、それなりのテクニックと手間がかかるものですが、今回、御紹介させて頂く、幾つかの「ポイント」を御理解して頂きますと、ご家庭でも簡単に出来て、とても美味しい1品になりますので、是非、みなさまもお試し下さいませ。
今月も、私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きます。
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新しい1年がスタートしましたが、皆様は、如何お過ごしでしょうか。
今年も「食」を通して、全国の皆様に「笑顔と健康」をお届け出来るように頑張りますので、宜しくお願い致します。
今月のメニューは「魚介類の和風ブイヤベース」ですが、「ブイヤベース」とは、簡単に申しますと、南フランスやイタリアの地中海沿いでよく作られている、トマトやニンニク、サフラン、オリーブオイルが入った、大小色々ある地魚の「漁師鍋」のことです。
「ブイヤベース」を楽しみに、南フランスを訪れた方々からは「魚臭くて、味が濃く、あまり美味しくなかったです」との感想を、よく耳に致しますが、何しろ、ヨーロッパの「漁師料理」ですから、作り方も大ざっぱなのです(笑)。
では、どこが大ざっぱなのでしょうか?ある程度、魚介類の扱いに精通した日本人である私の作り方と比較してみましょう。
まず、鍋に入れる魚の種類ですが、私は、基本的に、クセの少ない白身魚を選ぶのに対して、現地では、市場に出荷出来ないような、網にかかった色取り取りの雑魚を、とにかく、ハラワタも抜かずに、丸ごと、煮込みます。このハラワタがくせ者でして、弱火でコトコト煮込んでいますと、どんどん臭いがきつくなってきますので、これをカモフラージュするために、ニンニクやサフランといった香辛料をたくさん入れるようになったのかもしれませんね。日本では、ハラワタを抜かずに煮込むことは、まず、無いですから、食文化の違いは面白いものですね。
煮込む時間もポイントです。魚料理の基本は、魚臭さを出さないように、火加減を強め、短時間で仕上げることが大切なのですが、現地では、大きな鍋で何時間も煮ていたりしますから、魚臭くなるのは、当然かもしれませんね。
もちろん、腕の良いシェフのレストランに行けば、美味しい「ブイヤベース」に巡り合うことも出来ますので、御旅行の際には、リサーチをお忘れなく(笑)。
今回は「和風仕立てのブイヤベース」ですので、サフランは使わずに、サッパリとお召し上がり頂ける様に工夫致しました。今が旬の牡蠣を仕上げに加え、淡白な白身魚と、旨味が凝縮している牡蠣との相性の良さをお楽しみ頂きたいと思いますが、この他には、鱈の白子や海老、蟹、信州サーモンなどを加えても美味しそうですね。
「火の通し過ぎ」にだけは注意して頂きまして、美味しい「皆様流・和風ブイヤベース」で身体も心も暖まり、寒いこの時期を、健康的にお過ごし下さい。
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<材料・3-4人前分>
(A)
水 500cc 日本酒 50cc 味醂 20cc 醤油 20cc 天然塩 少々 出汁昆布 5g
ガーリックパウダー 少々 エキストラ・バージン・オリーブオイル 40cc
(B)
白身魚(切り身) 3-4枚 プチトマト 12個
(C)
牡蠣(むき身) 12個
(D)
パセリ(みじん切り) 大さじ2杯
<作り方>
①(A)を合わせて沸かし、スープのベースを作る。
②①に(B)を入れて、2-3分間煮る。
③(C)を加えて、さらに30秒ほど煮たら火を止め、余熱で牡蠣にふっくらと火を通す。
④仕上げに、(D)を散らす。
シンプルでとても美味しい「和風ブイヤベース」です。
紙フタをして、強火で一気に、ふっくらと仕上げるのがコツです。
パセリを仕上げに加えることで、香りと風味が一段とアップ致します。
私のスタジオでの自然光を活かした撮影風景です。
信州サーモンでも美味しく出来る「魚介類の和風ブイヤベース」です。
少しづつ、朝晩の冷え込みが和らぎ、春の足音も聞こえてきましたが、みなさまは、風邪など引かずに、お元気でお過ごしでしょうか?
信濃毎日新聞に毎月好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」、2月のメニューは「野菜たっぷり和風ミネストローネ」です。
「ミネストローネ」をご家庭で美味しく作るには、それなりのテクニックと手間がかかるものですが、今回、御紹介させて頂く、幾つかの「ポイント」を御理解して頂きますと、ご家庭でも簡単に出来て、とても美味しい1品になりますので、是非、みなさまもお試し下さいませ。
今月も、私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きます。
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2月に入りましても、まだまだ寒い日が続いておりますが、みなさまは、如何お過ごしでしようか。寒い時には、体を温めてくれるような、具だくさんのスープが飲みたくなりますが、今回のメニューは、そんな時にお薦めの「和風ミネストローネスープ」です。
「ミネストローネスープ」と言いますと、イタリアでは、季節の野菜をオイルで炒め、お好みでトマトや豆類も加えて、チキンやビーフで取った出汁を加えて煮込む方法が一般的ですが、ややもしますと、野菜がクタクタに煮え過ぎてしまい、何を食べているのか分からない時があります。特に、南イタリアでは、その傾向が強いように思います。
南イタリアの市場を訪れますと、太陽光をいっぱいに浴びて、本当に色取り取りで美味しそうな野菜がたくさんあるのですが、日本人である私の感性からしますと、どうも、その持ち味を活かしきれていない野菜料理が多いような気が致します。
南イタリアでは、夏場の最高気温が40℃を超えることがよくありますので、冷蔵庫の無かった昔は、日持ちさせるために、クタクタになるまで、よく火を通したのかもしれませんが、今は、冷蔵技術も進み、その心配はありませんので、もう少し、野菜の歯応えや色合いを活かした料理法にした方がいいと思うのですが、長い歴史の中で培われてきた食文化を、そう簡単に変えることは出来ませんので、せめて、日本で食べるイタリア料理だけは、野菜の美味しさを最大限に引き出していきたいものです。
今回のレシピでは、その辺を考慮致しまして、野菜は、オイルで炒めずに、歯応えと色合いを活かして、軽くボイルしておきます。
ベースとなりますスープも、野菜の旨味を引き立たせるために、控え目な味わいの「和風出汁」を使います。
「これだけで、満足感のある味わいになるのだろうか?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、野菜の中では、「パプリカ」がポイントとなります。
「パプリカ」は「和風出汁」との相性も良く、「パプリカ」の果肉やエキスが「和風出汁」に溶け込みますと、上質のコンソメスープのような味わいになるのです。
そして、さらに、キャベツや人参、玉葱の旨味、甘味が加わりますと、サッパリしていながら、コクのある美味しいスープが簡単に出来ますので、是非とも、みなさまには、お試し頂きたいと思います。
私は、オリーブオイルのソムリエとして、和風料理に、オリーブオイルを使うことをお勧めしてきましたが、今回の和風仕立てのスープとの相性も抜群ですので、お召し上がりになる時に、スプーン1杯位のオリーブオイルを混ぜてみて下さい。
1種類のスープで2度、違った美味しさをお楽しみ頂くことが出来ると思います。
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<材料・3-4人分>
(A)
水 1500cc 天然塩 小さじ2杯 醤油 大さじ1杯 味醂 大さじ2杯
日本酒 大さじ2杯 出し昆布 3-5g
(B)
鰹削り節 60g
(C)
キャベツの葉 2-3枚 人参(中) 1/2本 玉葱(中) 1/3個
パプリカ(赤・黄・緑) 各1/3個
(D)
エキストラ・バージン・オリーブオイル 大さじ2-3杯
<作り方>
①まず、スープを作る。Aを合わせて沸かし、Bを加えて火を止める。
②①をザル漉ししておく。
③(C)の野菜は、すべて、食べ易い大きさにカットし、下湯がきしておく。
④②に③を加え、軽く沸かしてオリーブオイルを加え、出来上がり。
野菜の旨味がストレートに味わえる「和風ミネストローネスープ」です。
仕上げに上質のオリーブオイルを加えることが、美味しさのポイントです。
キッチンで、ポイントとなるプロセスカットの撮影中です。
私のスタジオでの、自然光を活かした撮影風景です。
御飯を入れれば、美味しい雑炊にもなり、お子様達の朝食にもお勧めです。
「東日本・東北大震災」の発生から10日が経ちましたが、皆様は、お元気でお過ごしでしょうか?
ここ数日で、東北地方の皆様とも電話が繋がるようになり、お世話になっております方々の元気なお声を聞くことが出来まして、感激のあまり、男泣きしております。
本来ならば、今すぐにでも、現地に伺い、何かしらのお手伝いをさせて頂きたいところなのですが、交通手段も、まだ整備されておらず、ご迷惑になってもいけませんので、今はただ、少しでも早く、皆様が普通の生活に戻られることを、心よりお祈りしつつ、「その時」が来ましたら、精一杯、復興のお手伝いをさせて頂きたいと思っております。どうぞ、宜しくお願い致します。
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2011年3月上旬に、以前から興味のあった「チリ共和国自治区・イースター島」を訪れ、未だに解明されていない「モアイ像」の神秘とロマンを体感して来ました。
タヒチからは東に4000km、チリの首都サンチャゴからは西に3800km離れた南太平洋にポツンと浮かぶ絶海の孤島、イースター島には、約1000体もの石の巨像が現存していますが、いったい何のために作られたのか、なぜそこまで大きくしなければならなかったのかを考えますと、本当にワクワクしてきます(笑)。
私の実家は、かつて石屋でした。父は、家業を継がずにサラリーマンでしたが、祖父は、私と同じ左利きで、とても腕の良い石職人でしたので、少なからず、手先の器用さという点で、私は祖父の血を受け継いでいる(隔世遺伝)と思っているのですが、そんな意味でも、イースター島は、私
にとっての「強力なパワースポット」であることは間違い無く、とても居心地の良い空間でした。
行き方としましては、成田から約12時間かけてロサンゼルスに入り、チリのラン航空に乗り換えて、チリの首都・サンチャゴまで、9時間半ほど南下します。
そこから、イースター島行きのラン航空に乗り換えて、5時間半ほどしますとやっと到着です。
つまり、乗り継ぎ待ち時間を加えて計算しますと、成田を出て、約36時間後に到着ということになるのですが、行きは、ハプニングの連続で、ビックリ致しました(笑)。
まず、ロサンゼルス発サンチャゴ行きのフライトが、原因不明のキャンセルになり、ロサンゼルスの空港近くで、予定外に1泊することになりました。
ここまでは良いとしましても、サンチャゴからイースター島へのフライトも、搭乗手続きを開始した直後にキャンセルされてしまったのです。いわゆる「寸止め」ですが、普通では有り得ないことですよね(苦笑)。
しかも、ラン航空の地上スタッフに、原因を何度尋ねましても「私は、分らない!」と言うだけの逃げ腰で、「謎だらけのキャンセル」に呆れてしまいました(笑)。
「南米だから仕方ない」と言えば、それまでですが、行きはなんと、3日間以上かかってしまいましたので、イースター島に着いた時の喜び、感動は、とても大きく、一生忘れられない、素敵な(?)思い出になりました(笑)。
日本人の現地ガイド、最上賢二さんにお聞きしましたら、「モアイ像は、基本的に海に背を向けている」とのこと。それは、つまり、巨大な石像が、「村の守り神」として、そこで生活する人々を、高いところから温かく見守っていたことを意味しますので、皆様にも、「モアイ像の神秘的なオーラとパワー」を写真でお届けさせて頂きつつ、少しでも早く被災地の皆様が元気になられることを「モアイ像」に託したいと思います。
(イースター島の詳しいレポートは「海外出張日誌・南米」を御覧下さいませ。)
海を背に15体のモアイ像が並んでいる「アフ・トンガリキ」。
視線の先は、日本を向いています!
何だか私も16番目のモアイ像のようですね(笑)。
唯一、海に向かって立っている7体のモアイ像「アフ・アキビ」。
これらも、視線は日本を向いています!
それぞれ高さは4mあまり、重さは10数トンです。
南太平洋の朝日を背にして神秘的な「アフ・トンガリキ」のモアイ像。
長旅の疲れも吹っ飛ぶほどの美しさとオーラでした。
よくポスターに使われる首の曲がった酋長のモアイ像「ラノ・ララク」。
長い年月で土砂が堆積し、胴体は埋まってしまいました。
とても珍しい、座った状態のモアイ像「ラノ・ララク」。
彫るのに手間がかかるために、1体しか作らなかったようです。
かつて、すべてのモアイ像には、目が付いていましたが、現存する物の中では
タハイ遺跡にあるこの1体だけに目が復元されています。
とても詳しくガイドして下さった、現地に住む最上賢二さんは、イースター島の
永住権を持っていらっしゃるそうです。
お土産用のモアイ像も、石製、木製等、大小様々あり、とても個性的でした。
4月に入り、各地から桜の便りも届き始めておりますが、みなさまは、風邪など引かずに、お元気でお過ごしでしょうか?
信濃毎日新聞に毎月好評連載中の「コグレ流・洋食の定番」も、いよいよ最終回となりました。
3月のメニューは「炊き込み風シーフードパエリア」です。
「パエリア」を本場スペインと同じように、御家庭で美味しく作るには、それなりのテクニックと手間、道具類が必要になってきますが、今回、御紹介させて頂く、幾つかの「ポイント・裏ワザ」を御理解して頂きますと、御家庭でも簡単に出来て、とても美味しい1品になりますので、是非、みなさまもお試し下さいませ。
今月も、私が書きましたエッセーとレシピを御紹介させて頂きます。
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一昨年の4月から2年間に渡り連載させて頂きました「洋食の定番」も、今回が最終回になりました。今まで、御愛読して下さったみなさまには、感謝の気持ちでいっぱいです。
この連載を頂くようになりましてから、その取材のために何度も長野県を訪れましたが、行く先々で、素晴らしい食材と、生真面目で、心の温かい生産者のみなさんに出会うことが出来ました。今では、私も長野県の気候、風土、食文化の大ファンになりまして、自称「長野県の食文化応援団長」を名のっております(笑)。
これからも、「食を通した地域活性化」のお手伝いを喜んでさせて頂くつもりですので、宜しくお願い致します。
さて、今回のメニューは「炊き込み風シーフードパエリア」ですが、「パエリア」と言いますと、スペインを代表する人気定番メニューのひとつで、みなさんも、その名前は、ご存知かと思います。
一般的には、平たいフライパンのような鍋を直火に乗せ、オリーブオイルで、お米と具材を軽く炒めてからスープを注ぎ、グツグツと煮込めば出来上がりなのですが、具材やスープを変えることで、何種類ものバリエーションが広がります。地元スペインでは、イカ墨入りの真っ黒な「パエリア」や、お米の変わりにパスタを使った「ヌードルパエリア」もあるくらいで、自由な発想さえあれば、みなさま流の美味しい「パエリア」が出来ると思いますので、是非、チャレンジしてみて下さいね。
でも、パエリア用の鍋は、そう簡単に手に入るわけではありませんし、直火で上手く炊き続けるには、それなりのテクニックも必要となりますので、今回は、失敗せずに出来る「取って置きの裏ワザ」をお教え致しましょう(笑)。
ポイントは、炊飯器を使い、炊く前にオリーブオイルをはじめとした調味料を入れてしまうことです。本来ならば、色と香り付けの「サフラン」も入れたいところですが、「サフラン」は、とても高価で、なかなか手に入りませんので、「カレー粉」で代用致します。
「パエリア」は、スペインの定番家庭料理でもあり、アレンジも自由なわけですから、身近にある食材を気軽に使えばよいと思います。
シーフードも、スペインでは、新鮮なムール貝が安く買えますので、それを使うことが多いですが、日本では、なかなか手に入りませんので、「あさり又はハマグリ」で代用致します。
これからの時期、歓送迎会等のおもてなしや、ホームパーティーをされる機会も増えると思いますが、そんな時に、お洒落な1品として、「炊き込み風シーフードパエリア」を作って頂けましたら、みなさんに喜んで頂けること請け合いです(笑)。
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<材料・2-3人分>
(A)
あさり(又は蛤) 200g むき海老 150g 水 3カップ 日本酒 60cc
(B)
玄米 2カップ (A)の煮汁 3カップ エキストラバージンオリーブオイル 30CC
カレー粉 30CC ガーリックパウダー 15CC トマトピューレ 15CC
天然塩・胡椒 各少々
(C)
しいたけ 4枚 たまねぎ 1/2個 パプリカ(赤・黄) 各1/2個
ピーマン 3個 エキストラバージンオリーブオイル 40CC 塩・胡椒 各少々
<作り方>
①(A)の食材をすべて鍋に入れ、沸かして、あさりと海老に火を通し、しばらく置き冷まししてから、煮汁と具材を分けておく。
②玄米は、研がずに、軽く、分量外の水ですすいでから、(B)の他の調味料と共に炊飯器に入れて、普通に炊く。
③(C)の具材は、一口大にカットして、(C)の調味料で炒める。
④②が炊けたら、①のシーフードと③を混ぜ込み、出来上がり。
身近な食材で美味しく作れる「炊き込み風シーフードパエリア」です。
シーフードは、しばらく煮汁に浸け込むと、身がふっくらとします。
野菜類は、オリーブオイルで、彩り、歯応えを残し炒めておきます。
炊飯器で炊いた玄米と具材を、最後に混ぜ合わせます。
私のスタジオでの、自然光を活かした撮影風景です。
ホームパーティーやお弁当にも最適なメニューで、私も大好きです。
私は、1985年にフランス・リヨンの名門レストラン「メール・ブラジエ」で修行させて頂いたのですが、その時に一緒に働いていた仲間が、「故郷のアルザス地方で、レストランをオープンした」との嬉しい知らせを頂きまして、2011年3月下旬にアルザス地方・ストラスブールにあるお店に伺いました。
「ストラスブール」と言いますと、フランスの北西部、ライン川を挟んだドイツとの国境近くにありまして、地理的にも文化的にも、ドイツの影響がとても濃いところです。
美しい街並みを歩きますと、ドイツ風の木骨組みと漆喰で構成された風情のある建物が多く、彼のレストランも、そんな木骨組みの歴史ある建物の中にありました。
私は、日本からの御土産に、味噌、醤油、味醂、鰹削り節、オリーブオイル等を持参しまして、アルザスの名物料理である「シュークルート」や、肉とじゃが芋の重ね焼き「ベックオフ」」等を、いつものようなコグレ流に、和風の調味料やオリーブオイルを融合させながら、アレンジして作らせて頂きました(笑)。
とても好評でしたが、その詳しいレポートは、「海外出張日誌・西ヨーロッパ編」から、御覧下さいませ。
木骨組みと漆喰の伝統的なアルザス風の建物の中にレストランはあります。
機能的なキッチンの中で、スタッフのみなさんと記念の1枚です。
コグレ流・和風アルザス料理「ベックオフ(肉とポテトの重ね焼き)」です。
オリーブオイルが決め手のコグレ流「和風シュークルート」を持って。
2011年5月上旬に、中国の大連に伺い、地元の大手食品会社の皆様を対象に「コグレ流・中華風オリーブオイルクッキング」を御披露させて頂きました。
実は、このようなチャンスは、今まで中国本土では、ありませんでしたので、失敗は許されませんから(笑)、本番の数日前から大連入りし、地元の「洋風レストラン」を何軒もはしごして、「どの程度のオリーブオイルが使われているのか」のリサーチをしたり、伝統的なローカル市場や外資系のスーパーマーケット等も時間をかけて回り、地元食材の味のチェックや、大連の人々の「食の嗜好」をとても興味深く、楽しみながら、入念に調査させて頂きました。
その努力が実り(笑)、5月5日の御食事会では、初めてオリーブオイルを口にしたみなさんにも大好評で、かなり盛り上がり、これから大連のような地方都市でも、急速にオリーブオイルの需要が拡大してゆくことを実感致しました。
今後、中国全土で、「コグレ流・オリーブオイルクッキングを正しく普及させ、日中の<食>の架け橋になる」という夢を実現出来る日も「そう遠くはない」と思いましたし、これから中国で「<食>を通してお役に立てる機会」が、かなり増えそうで、とても嬉しいですね(笑)。
そのような大連での活動の模様や、上海、香港の「最新マーケット情報」を6回に分け、「海外出張日誌・東アジア編」にてレポートさせて頂きましたので、HPトップページからアクセスして頂き、是非、御覧下さいませ。
大連の大手食品会社「友蘭集団・本部レストラン」を会場に、大盛況の御食事会でした
オリーブオイル以外の食材は、すべて地元のローカル市場で揃え、調味料は、和風・中華
風をミックスして、野菜中心のヘルシーな「コグレ流・オリーブオイルクッキング」が完成致
しました
大連のローカル市場は、「素晴らしい食材の宝庫」で、創造意欲が掻き立てられました(笑)
香港・上海の高級食料品店にも伺い、オリーブオイルをはじめとした「最新マーケット情報」
もレポートしています。
2011年6月下旬にスペインのバルセロナを訪れ、「本場のシーフードパエリア作り」に挑戦致しました(笑)。
日中の最高気温は42℃まで上昇し、こちらも異常気象のようで、かなりの暑さでしたが、頑張って「究極の美味しいシーフードパエリア」を完成させることが出来たと思います(笑)。
まずは、大切な材料の仕入れですが、港からも近いランブラス通りにある、大規模なバルセロナ市民の台所「サン・ジュセップ市場」に伺い、「新鮮なシーフード」はもちろんのこと、「上質なサフラン」や「完熟トマト」、「風味豊かなオリーブオイル」に至るまで、すべてにおいて満足の出来る食材を、一度に仕入れることが出来ました。
海岸沿いにあり、私も大好きで、何度も通っている、地元でも大人気のレストラン「マリーナ・モンチヨ」のキッチンをお借りし、顔馴染みでもある、このレストランのシェフと共に、大きなパエリア鍋で作り始めますと、美味しそうな匂いに誘われて、このお店のスタッフのみなさんが次々に集まり始め、結局、スタッフのみなさんの試食会のようになってしまいました(笑)。
まずは、充分に冷やした地元産のスパークリングワイン「カバ」で乾杯し、私が、パエリアをサーブして食事が始まりますと、アッという間に笑顔が広がり、ラテン系のみなさんの盛り上がりは、かなりパワフルで、とても楽しいひと時でした(笑)。
夕方になり、少し日差しが和らいだ頃に、未だ未完成のガウディの代表作「サクラダ・ファミリア」まで、2時間かけて歩いてみました。肌に受ける潮風がとても心地良く、バルセロナにいることを実感致しましたが、久しぶりに見る「サクラダ・ファミリア」は、かなりのスピードで作業が進んでいるようでした。現地の方に、そのことをお尋ねしましたら、「2010年の11月7日にローマ法王がいらっしゃり、その際にミサが出来るように、コンピューターを導入し、急ピッチで作業が進められた」とのこと。
「生誕の門」にある、外尾悦郎さん作の彫刻「6体の天使像」等も、美しく輝いていました。
バルセロナ市民の台所「サン・ジュセップ市場」は、いつも大賑わいです
市場内、綺麗なディスプレイの八百屋さんでは「完熟トマト」を買いました
場所柄、魚屋さんも多く「新鮮なシーフード」が、輝いて並んでいました
「上質なオリーブオイル」や「スパイス」も、市場内には豊富にあります
地元でも人気のレストラン「マリーナ・モンチョ」で「パエリア」を作らせて頂きました
顔馴染みのシェフと一緒に「究極のシーフードパエリア作り」に挑戦です(笑)
大鍋でのパエリア作りは「強火が決め手」で、かなりの迫力でした(笑)
甲殻類で出汁を取り、新鮮なシーフードを惜しみなく使うのが「美味しさの秘密」です(笑)
完成した「パエリア」を持って、ラテン系で陽気なボーイさんと記念の1枚です(笑)
スタッフのみなさん向けの「試食会」は、大好評で、アッと言う間に大鍋が空になりました(笑)
ガウディの代表作「サクラダ・ファミリア」は、建設工事が急ピッチで
進んでいました
「生誕の門」にある、外尾悦郎さんの彫刻「6体の天使像」も、夕日に
美しく輝いていました
2011年6月下旬に、スペインのバスク地方・ビルバオを訪れ、フランス修行時代の仲間がシェフを務めるレストランで、「最新のバスク料理」に挑戦致しました(笑)。
バスク地方と言いますと、フランスとの国境沿いに位置しており、食文化の面でも、両国の影響を受けておりまして、とても多彩で美味しい料理が多く、美食を愛するグルメな人々にとりましては、一度は訪れたい「美食の聖地」なのです(笑)。
私も、以前から、バスク地方を訪れたいと思っていましたが、ようやく念願が叶いまして、「バスクの美食と食文化」を存分に堪能させて頂きました(笑)。
そのお店ごとのメニューがユニークで、とても興味深かった「<多彩なピンチョス>を楽しむバル巡り」も、本当に楽しくて、病み付きになりそうでしたが、まずは地元のローカル市場の模様と、友人のレストランで、一緒に作らせて頂いた「最新のバスク料理」2品のレポートをさせて頂きたいと思います。
まず、前菜の「焼きトマトのゼリーがけ」ですが、とても繊細な味付けで、日本の懐石料理的な印象でした。いわゆる、ボリューム感があり、大胆な盛り付けの「古典的なバスク料理」とは、かなりかけ離れたイメージでしたが、これが、今の流行なのでしょうね。
メインは、バスク料理では、よく使われる食材「豚肉」を使った「ローストポークの焼きメロン添え」でしたが、一切のソースは無く、天然塩だけをかけて食べます。こちらも、懐石料理に近い発想だと思いましたが、「低カロリーなヘルシーさ」を追求してのことだそうです。ヘルシー志向は、今や、世界的な傾向なのですね。
普段は、私自らメニューを考え、料理させて頂いていますが、たまには、他のシェフの料理を作らせて頂くのも、刺激になり、良い勉強になります(笑)。
今回のレポートは、「海外出張日誌・西ヨーロッパ編」でも、詳しくアップしていますので、そちらも是非、御覧下さいませ。
友人がシェフを務めるビルバオのレストランで「最新のバスク料理」を作らせて頂きました
スタッフも多く、とても繊細で手間のかかる仕込みや盛り付けが多かったです
前菜の「焼きトマトのゼリーソース」は、日本の懐石料理のような印象でした
メインは「ローストポークの焼きメロン添え」でしたが、一切のソースが無く、ヘルシーな1品
でした
地元・ビルバオのローカル市場には、「キノコの専門店」もありました
「手長海老」をはじめ、新鮮な魚介類も豊富に揃っていました
バスク地方では、舌の上でとろける上質な「イベリコ生ハム」も味わうことが出来ます
2011年6月下旬に、スペインのバスク地方・サンセバスチャンを訪れ、「バスク地方伝統のピンチョス」の取材をして来ました。
バスク地方と言いますと、スペインとフランス両国に文化圏がまたがっているために、食文化も多彩で、グルメな人々にとりましては「美食の聖地」と言えるかもしれませんね(笑)。
サンセバスチャンは、大西洋「ビスケー湾の真珠」と称されるほど、美しい町でして、19世紀に、ハプスブルク家の王妃「マリア・クリスティーナ」が保養地として以来、高級避暑地としても、その名を知られています。
私が訪れた6月下旬は、異常気象と言えるほどの猛暑が続き、昼間の最高気温が、なんと42℃以上にもなっていましたので、貝殻のように半円形で美しい海岸「コンチャ(貝殻)海岸」には、連日、海水浴客が各地から集まり、大賑わいでした。
「ピンチョス」とは、薄く切ったバケットの上に、様々な具を盛り合わせたり、串で刺した、いわば「バスク風のタパス(おつまみ)」とでも言いましょうか。
サンセバスチャンでは、町なかを歩いていますと、いたるところにバル(居酒屋)があり、それぞれのお店には、近所の顔馴染みの人々が集まり、賑っていますが、特に、旧市街の中心部である「憲法広場」や、その周辺に碁盤の目のように広がっている路地には、バルが密集しています。
私は、念願叶って、やっと来ることの出来たサンセバスチャンなのですから、3日間の滞在中、旧市街にある、すべてのバルを巡り、「すべてのピンチョス」のチェックをしようと心に決めました(笑)。
そして、旧市街を端から端まで歩き回り、面白そうな「ピンチョス」は、すべて写真を撮らせて頂きましたが、3日間でその枚数は、800枚を越えていました(笑)。
もちろん、800種類の「ピンチョス」を、すべて試食したわけではありませんが、個性的なものは、プロの意地にかけて、殆ど、食べました(笑)。
余談になりますが、「お腹いっぱいな時に食べても美味しいと思うものは、本物だ」というのが、私の持論でして、その意味では、見た目はシンプルながら、とても美味しい物が多かったと思います。
スペースの関係上、すべての写真を御紹介することは出来ませんが、私の印象に残った、代表的な「ピンチョス」のいくつかを御紹介させて頂きます。
「ビスケー湾の真珠」とも称されている、サンセバスチャンの美しい海岸です
42℃を越える猛暑が続き、「コンチャ海岸」は、海水浴客で大賑わいでした
まだ空いている「バール」で、昼間から味わう「地ビール」は、最高に美味しいですね(笑)
フルーツを加えた赤ワイン「サングリア」も、食前酒にはピッタリです
20時過ぎから地元客で賑わい始め、ピーク時には、身動きも取れないほどです(笑)
店内に入りきらない人々は、グラス片手に、大勢、外で談笑していました(笑)
憲法広場では、民族衣装のみなさんのショーが、盛大に開催されていました
「アングーラス(うなぎの稚魚)」は、バスク地方の名物ですが、最近は希少価値ですね
「オリーブ&アンチョビ」は、どのお酒にも合う、軽いピンチョスの定番です
「スペインオムレツのバケットサンド」も、シンプルながら美味しい1品です
「オイルサーディン&パプリカ」は、鰯が新鮮で、とても美味しいです
「スモークサーモン&クリームチーズ」は、フレンチの定番でもあります
「アスパラガスのグリル」は、バジルソースとの相性も抜群でした
「タコのガルシア風(オイル煮)」は、柔らかくて美味しい定番メニューです
「ソーセージのトマト煮込み」は、素朴で美味しい「伝統的バスク料理」の代表です
春巻きの皮を使って、見た目も御洒落な「創作風ピンチョス」も人気でした
「バスク風イカ墨ソース」は、とてもコクがあって美味しかったです
「特別オーダー」も受けてくれる、グリル担当のシェフと記念の1枚です
2011年6月下旬に、フランス側のバスク地方・バイヨンヌを訪れ「チョコレートのルーツ」を探って来ました。
その歴史を紐解きますと、バイヨンヌは、古代ローマ時代には、街道筋の町として、また、12-15世紀には、貿易港を中心に栄え、長い時間の中で「誇り高きバスク文化の中心都市」としての役割を担ってきたのです。
そして、17世紀に入り、アメリカ大陸からスペインに伝えられた「カカオ」が、ピレーネ山脈を越えて、バイヨンヌの港に運ばれて来るようになり「フランスで最初のチョコレート工場」がバイヨンヌに誕生しました。つまり、世界に名だたるフランスのチョコレート文化が最初に花開いたのが、ここ、フレンチバスク地方のバイヨンヌなのです。
そのようなわけで、バイヨンヌの街並みを歩いていますと、どこからともなく、ほんのりと甘いチョコレートの香りが漂ってくるほど、個性的なチョコレート屋さんが沢山あります(笑)。
今回は、数ある老舗の中で、地元でも評判の良い2店を御紹介させて頂きます。
まずは、「アトリエ・ドゥ・ショコラ」なのですが、このお店のチョコレートは、全体的に甘さ控え目で、とても食べ易いです。ここの「スペシャリテ(人気のある商品)」は、なんと「ミックス唐辛子風味の板チョコ」だそうでして、早速、試食してみましたが、ベースとなるビターチョコレートと「ミックス唐辛子」の相性が、想像以上に良く「今までのチョコレートに対する概念が、根底から覆されるほどの衝撃」とでも言いましょうか、まさに「目からウロコ」でした(笑)。
もう1店は「ショコラ・ファクトリー」でして、こちらのチョコレートは、甘味もしっかりとした基本に忠実なチョコレートが揃っています。フルーツ等のフレーバーを加えた物もあり、味や形のレパートリーは、かなりありまして、選ぶのに、迷いそうです(笑)。
店内のインテリア、ディスプレイも、とても御洒落な感じで、外から見ますと「ここは、ハイセンスな美容院ではないか」と、間違えそうな雰囲気でした(笑)。
バイヨンヌの老舗「アトリエ・ドゥ・ショコラ」のシンプルな外観です
チョコレートの専門家「ショコラティエ」の資格を持つ店員さんと記念の1枚です
「チョコレートのブーケ」も人気商品で、希望するチョコレートを御洒落に詰めてくれます
私が購入した「ブーケ」の中身は、こんな感じで、薄く延ばした
チョコレートが入っていました
「ミックス唐辛子入りのチョコレート」は、目からウロコの美味しさ
でした(笑)
地元でも人気の「チョコレート・ファクトリー」の看板です
店内は、斬新なディスプレイですが、チョコレートは、基本に忠実な味わいです
色々なフレーバーや形のチョコレートがあり、選ぶのに迷ってしまいます(笑)
以前、マクロビオテックの久司道夫先生から、こんなお話を聴いたことがあります。
「1858年2月11日、ピレーネ山脈のすそ野、ルルドのポー川のほとりにある洞窟の近くに、薪を集めに来た14歳の少女がいた。その名は、ベルナデット・スービルー。突然、彼女の前に現れた聖母マリアは、その後17回に渡って同じ場所に出現し、ある日<泉に行って水を飲み、顔を洗いなさい>と命じた。洞窟近くの地面を掘ると泉が湧き始め、その湧き水によって病気が治癒する奇跡が何度も起きた。それから、この小さな町は、年間170ヶ国から600万人が集まるカトリック最大の巡礼地、特に、病を持つ人々にとって重要な聖地となった・・・・。」
2011年6月下旬に、ピレーネ山脈を挟んで、スペインとフランスに広がるバスク地方を訪れた私は、何としても「ルルドの奇跡」を体験したいと思っていました。
もちろん「ルルドの湧き水」も、マリア様をかたどったボトルに汲んで、その場で飲ませて頂きましたが、ルルドの地で、私のフランス修行時代の仲間だった女性シェフが、レストランを経営していることを思い出し、そちらに伺って「ルルドの湧き水を使った<命のスープ>」を3品作らせて頂きました。
そのひとつは、「田舎風・豆のスープ」でして、特に、出汁を加えることもなく、水と天然塩、豆の味を生かした、とても素朴で美味しい、家庭料理の定番スープです。仕上げに、オリーブオイルを加えますと、グッと味が引き立ちます。
次は、甲殻類で出汁を取り、少し手間をかけた「シーフードコンソメスープ」ですが、こちらも、食べる瞬間にオリーブオイルをかけますと、フワッと香りが広がり、極上の味わいになります。
3品目は、ブロッコリーとほうれん草、ポテトをベースにした「青野菜のポタージュスープ」です。
「ポタージュスープ」と言いますと、普通は、生クリームやバターでコクを出すのですが、今回は、オリーブオイルを使い、あえて、動物性の脂肪を一切使いませんでした。逆に言えば、生クリームやバターに頼らなくても充分に美味しく、体に優しい味わいに出来たのです。
これも「ルルドの奇跡」ではないでしょうか。
聖母マリアが出現したとされる洞窟です。「奇跡の泉」は、マリア像の左下奥にあり
今もこんこんと水が湧いています
世界中から訪れた人々が、容器を持参し、洞窟の脇で色々な
想いを胸に「奇跡の湧き水」を汲んで行きます
地元で購入した「マリア像型のボトル」にも「奇跡の湧き水」を
汲ませて頂きました
復活祭から10月15日まで、毎晩行われる「ろうそく行列」に参加させて頂きました
行列の先頭は「神秘的なマリア像」でして、信者に担がれ、静かに大聖堂前の広場を一周
します
雨模様にも関わらず、大勢の人々が参加した「ろうそく行列」です。「ルルドの大聖堂」まで
歩きます
最後に大聖堂前の広場で、敬虔なミサが行われます。病気の人、車椅子の人、それを押す
青年、看護婦さん、シスター、一般の方々。この空間では、すべての人々の「熱い祈り」と
「強烈なエネルギー」がうねりとなり夕闇の空に舞い上がって行くようでした
「ルルドの湧き水」で「命のスープ」を作らせて頂いた、私の仲間が経営するレストランの
外観です
キッチンで、御手伝いして頂いたシェフのみなさんと記念の1枚です。スープの試食も
大好評でした(笑)
水と塩が決め手の「田舎風・豆のスープ」です。仕上げにオリーブオイルを加えると、旨味
が引き立ちます
甲殻類の出汁で贅沢に作った「シーフード・コンソメスープ」です。上質のオリーブオイル
と共に「絶品」でした(笑)
動物性の脂肪を一切加えない「青野菜のポタージュスープ」です。ヘルシーでコクがあり
「体に優しい味わい」でした
2011年6月下旬に、念願叶って訪れることの出来た「ルルド」でしたが、その「聖水」の源流を是非とも見てみたいと、急遽、思い立ちまして、登山用ステッキを地元で購入し、源流があるであろう「ピレーネ山脈」を、ローカルガイドさんと共に、歩いてみました(笑)。
フランス側・カヴァルニー村から、登山はスタートしましたが、歩く道すがらに、可憐な高山植物をいたるところで見つけ、ついつい足を止めて、見入ってしまいました(笑)。
約5時間かけて、山道を進みますと、急に視界が広がり、爆音と共に、激しい水しぶきの滝に遭遇致しました。
その水は、ピレーネ山脈の過酷な自然から得た「エネルギー」を満々に蓄え、どこまでも清らかで、私は、その水に「強いオーラ」を感じ、その美しさに、とても感動致しました。
早速、持参した空のペットボトルに水を汲み、ひとくち飲んでみましたが、自然な甘味が体細胞のひとつひとつに染み込んでいくようで、言葉にならないほど、美味しかったです。
「この水が、ルルドの聖水のルーツであり、美味しいバスク料理の基本なのだ」と思うと、あまりの感動に、熱いものがこみ上げてきて、しばらく、その場から一歩も動くことが出来ませんでした。
「ピレーネの自然の恵み」に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ピレーネの豊かな大自然を満喫しながら歩きました(笑)
約5時間かけて、激しい水しぶきの滝に辿り着きました
滝壺には、ピレーネの自然のエネルギーが満ち溢れていました
激流の傍に腰を下ろし、そのオーラを全身で吸収致しました(笑)
「ピレーネアザミ」の気品ある美しさに目を奪われました
「アイリス」も、ピレーネの自然の中で、したたかに咲いていました
アイギス・トルテス国立公園の「サン・マウリシ湖」にも行きました
湖の水は、どこまでも清らかで、「天然のマスの稚魚」も沢山いました
2011年6月下旬に、スペイン・バスク地方の「パンプローナ」を訪れました。
海外出張日誌・南米編で、私も大ファンである文豪「へミングウェイ」が、こよなく愛した「キューバ」のレポートを2007年に書かせて頂きましたが、実は、ここ「パンプローナ」も、「へミングウェイ」に愛された町として、とても有名なのです。
毎年7月6日から14日まで9日間に渡って「サン・フェルミン祭(牛追い祭り)」が、盛大に開催されますが、これは、ナバーラ王国時代から続く古い祭りでして、「ヘミングウェイ」の名著「日はまた昇る」で紹介されてから、一躍、世界的に有名になりました。
普段は、静かな地方都市である「パンプローナ」も、この期間は、世界中から観光客が押し寄せ、町の人口は2倍以上になることを知り、初日の8日前ではありましたが、是非とも、この町の空気、エネルギーを肌で感じたくて「牛追い」のルートとなる800mの街並み・コースを、じっくりと歩いてみました。
スタート場所は、市長舎脇の囲い場になりまして、7月6日の正午、市長舎のバルコニーに立った市長の宣言と共に「祭り」は、始まります。
市長舎前の広場は、白いシャツにズボン、赤いスカーフと腰布を身に付けた人々で、ぎっしりと埋め尽くされ、まさに「熱狂の渦」で、シャンパンが吹き上がり、生卵が飛び交ったりするので、見学の際は、汚れてもいい服装が絶対です(笑)。
「牛追い」では、その日の闘牛に出る牛を放し、闘牛場までの道のりを男達が追い込んで行きます。そして、夜に闘牛が開催されるのですが、闘牛士達は、スペイン全土から招かれた、高度な技術を持つ「選りすぐりのスター」ばかりですので、その技を披露する闘牛は大人気で、チケット
は、早くに完売してしまうそうです(笑)。
「牛追い祭り」の期間中、「パンプローナ」の町は眠りません(笑)。
公園にオープンした移動式遊園地は終日営業し、広場では、明け方までコンサートやダンスが続き、人々は、バルで一晩中飲み明かす。あらん限りの情熱を、すべて「祭り」に注ぎ込む。
そんな「パンプローナの人々の熱い気質」が、へミングウェイに愛された理由なのではないでしょうか。
800m続く「牛追い」の最終地点であり「闘牛場の入口」です
闘牛場入口付近にある「ヘミングウェイ」の銅像です
闘牛場のメインストリートには「ヘミングウェイ通り」の看板があります
両サイドにお店が並ぶ、ごく普通の通りが「牛追いのコース」になっています
ごく普通の通りを「闘牛用の牛と、追う人々」が、勢い良く走り抜けて行きます(絵葉書より)
普段は、とても静かな「市長舎前広場」です
「牛追い祭り」の開催宣言が盛大に行われる「市長舎前広場」です
(絵葉書より)
「牛追い」がスタートし「闘牛用の牛と追う人々」が、市長舎前を
通り過ぎて行きます(絵葉書より)
「牛追い」のユニフォームを着た青年達と、牛追いのコースの
真ん中で、記念の1枚です
開催まで「あと8日間18時間57分40秒」の電光掲示板もありました。
8日後の本番を見てみたかったですね(笑)
NHK・総合第1ラジオの人気番組「ラジオビタミン」の「私の愛情レシピ」という御料理のコーナーに、11月2日、「声の出演」をさせて頂きました。
OA の時間帯は、午前9時20分頃から約6分間でして、メニューは「シシリア風トマトのステーキ」でしたが、お聴き頂いた方はいらっしゃいますでしょうか。
南イタリアに位置するシシリアは、野菜や魚介類が新鮮で豊富なことでも有名ですが、野菜料理に関しましては、大胆シンプルな料理法でありながら、素材の持ち味を生かした美味しい物が多いのが特徴かもしれませんね。
例えば、シシリアの青空市場を歩いていますと、丸ごと焼いたパプリカやトレビス(赤キャベツに似たサラダ菜)等が売られていたりします。
これは、かなり手抜きな料理ではないかと思いながら、食べてみますと、意外にも、素材の旨味が充分に引き出され、とても美味しいのです。
今回のメニューでは、トマトを使って、シシリア風に大胆シンプルに仕上げたステーキ仕立てをお楽しみ頂きたいと思います。
では、早速、レシピを御紹介させて頂きます。
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シシリア風トマトのステーキ
<材料・2人分>
(A)
トマト 3個
(B)
オリーブオイル 40cc ニンニク(みじん切り) 1かけ分 塩・胡椒 各少々
(C)
パセリ(みじん切り) 少々
<作り方>
①トマトは、ヘタをくりぬき、上下2等分にカットする。
②フライパンにオリーブオイルを熱し、トマトをステーキのように、両面焼く。
③トマトは、皿に盛り、フライパンにニンニクを加えて、軽く炒める。
④トマトの上から、フライパンに残ったオイルとニンニクをかけて、軽く塩・胡椒を振り、パセリを散らす。
大胆シンプルな料理法による「シシリア風トマトのステーキ」は、とても美味しいです
材料も身近で揃うものばかりですが、オリーブオイルは、上質な物を使うのがコツですね
ステーキやグリルした魚料理等の付け合せにしても美味しいですよ
NHK・総合第1ラジオの人気番組「ラジオビタミン」の「私の愛情レシピ」という御料理のコーナーに、11月30日、「声の出演」をさせて頂きました。
OA の時間帯は、午前9時20分頃から約6分間でして、メニューは「オクラと豆のモロッコ風サラダ」でしたが、お聴き頂いた方はいらっしゃいますでしょうか。
司会・進行役の村上信夫さんの軽妙な「ダジャレ」には、いつも「フッ」と笑ってしまうのですが、この日も「オクラだけに、お蔵(オクラ)入りさせずに、小暮さんのレシピで、どんどん作って下さいね」と言って頂き、とても有難かったです(笑)。
「モロッコ」と言いますと、北アフリカに位置しており、かつて、フランス領だったことからも、大地の恵みをシンプルに生かした美味しい料理が多く、人々は、エネルギッシュで明るく、元気に満ち溢れており、今の日本人が失いかけている「大切な何か」が「モロッコ」には、たくさんあるような気がして、何度訪れても楽しい「私も大好きな国のひとつ」なのです。
今回のレシピでは、「オリーブオイルとカレー粉、醤油の相性の良さ」を、是非とも、体験して頂けたら嬉しいですね。このドレッシングは、応用範囲が広いですから、シンプルなグリーンサラダやツナサラダ、豆腐サラダをはじめ、グリルした魚介類や肉類のソースとしても御使い頂けます。色々な食材や御料理に御試し頂き、「みなさま流の新しい美味しさ」を発見して頂くのも楽しいかと思います。
それでは、早速、レシピを御紹介させて頂きます。
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オクラと豆のモロッコ風サラダ
<材料・2人分>
(A)
オクラ 10本
(B)
大豆・ひよこまめ・レッドキドニー等の水煮、ある物で 150g
(C)
オリーブオイル 40cc 醤油 15cc 塩・胡椒 各少々 カレー粉 8cc
<作り方>
①オクラは、硬い部分を削り、軽くボイルしておく。
②手に入る豆を水煮にしておく。
③(C)を合わせて、ソースとする。
④皿に、オクラと豆を盛り、ソースをかける。
オクラと豆の持ち味を引き出す「カレーオリーブ醤油ソース」が絶妙な一皿です
オクラの代わりにインゲンやブロッコリー、カリフラワーでも美味しく出来ます
お酒のおつまみや御飯のおかずとして、豆類は、たくさん食べて頂きたいですね
新年明けましておめでとう御座います
昨年3月上旬に、以前から興味のあった「チリ共和国自治区・イースター島」を訪れ、未だに解明されていない「モアイ像」の神秘とロマンを体感して来ました。
タヒチからは東に4000km、チリの首都サンチャゴからは西に3800km離れた南太平洋にポツンと浮かぶ絶海の孤島、イースター島には、約1000体もの石の巨像が現存していますが、いったい何のために作られたのか、なぜそこまで大きくしなければならなかったのかを考えますと、本当にワクワクしてきます(笑)。
私の実家は、かつて石屋でした。父は、家業を継がずにサラリーマンでしたが、祖父は、私と同じ左利きで、とても腕の良い石職人でしたので、少なからず、手先の器用さという点で、私は祖父の血を受け継いでいる(隔世遺伝)と思っているのですが、そんな意味でも、イースター島は、私にとっての「強力なパワースポット」であることは間違い無く、とても居心地の良い空間でした。
日本人の現地ガイド、最上賢二さんにお聞きしましたら、「モアイ像は、基本的に海に背を向けて立っている」とのこと。それは、つまり、巨大な石像が、「村の守り神」として、そこで生活する人々を、高いところから温かく見守っていたことを意味します。
朝早く、心地良い海風を肌で感じながら、島内東岸を歩いてみますと、南太平洋に昇る朝日を背に受けて立つ15体のモアイ像「アフ・トンガリキ」に、偶然、遭遇致しました。その情景は、筆舌に尽くし難いほど凛々しく美しくて、心の底から感動致しました。さらに感動したことは「このモアイ像の視線の先には、津波で被害を受けた我が国・日本がある」ということです。
これら15体の「強靭なる守り神」は、いつでも、優しい視線で、我々を見守ってくれているのだと思うと、本当に心強いですし、必ずや、日本は、今まで以上の復活を遂げることが出来ると確信しています。
私も「食」を通して、全国のみなさまに笑顔と元気をお届け出来るように、益々頑張りますので、今年も宜しく御願い致します。
2012年元旦 小暮 剛
南太平洋に昇る朝日を背に受けて凛々しく立つ15体のモアイ像(守り神)は、我が国
日本を、いつでも優しい視線で見守ってくれています。
昼間に見るモアイ像は、こんな感じです。私も16番目のモアイ像のようですね(笑)。
2012年1月下旬にタイの首都バンコクを訪れ、伝統的食文化の取材をして来ました。
まず、伺ったのは、バンコク郊外にある「ココナッツ砂糖工場」でしたが、作り方は、本当にシンプルで、沖縄県や高知県にある、昔ながらのサトウキビで作る黒糖工場と同じ製法でした。
まずは、ココナッツジュースを大鍋に入れ、ココナッツの殻などを燃料にして、強火で煮詰めて行きます。やがて、水分が無くなり、濃縮された物を冷やせば完成なのですが、「ココナッツ砂糖」は、自然な甘味とコクが特徴で、それだけで食べてもすごく美味しかったです。
次に伺ったのは、「ココナッツ砂糖工場」からも近い、広大な「塩田」でしたが、こちらも原始的で、とてもシンプルな採取方法が印象的でした。
雲ひとつ無く、強い日差しが降り注ぐ塩田では、自然光だけを頼りに、ゆっくりと時間をかけ、水分を蒸発させて行きます。こうすることで、ミネラル豊富な上質の天然塩が出来るわけです。
塩田の近くの食料品店では、魚を塩漬けして発酵させた物も売られていましたが、自然の摂理に逆らわずに、自然の恵みをうまく取り入れているタイ人のみなさんの生き方には、大いに学ぶべきことがあると思いました。
ココナッツジュースの入った大鍋を強火で沸かし、濃縮したものを冷やし固めて、ココナッツ
砂糖を作ります
かなり使い込んで迫力のある大鍋で、ココナッツジュースを煮詰めて行きます
ココナッツ砂糖は、自然な甘さとコクが特徴で、これだけで食べても
美味しいです
ココナッツの花のつぼみの中には、ぎっしりと小さな実が詰まって
いました
美味しそうなココナッツの実に、思わず、かぶりつきたくなりました(笑)
ウサギの形をした、ココナッツの実を削る道具です
私も、ココナッツの実を削る道具を使ってみました。手前にあるのは、ココナッツオイルです
雲ひとつ無く、強い日差しが降り注ぐ広大な塩田では、自然光だけが頼りです
塩田近くには、袋詰めされた塩を売るお店がたくさんあります
魚を塩漬けし、発酵させた物も、伝統的食材として人気があります
2012年1月下旬にタイ・バンコク郊外を訪れ「伝統的食文化」の取材をして来ました。
タイ政府が文化保存を決めた「ダムヌーン・サドゥアク・水上マーケット」も、そのひとつでして、以前から伺いたかった場所でしたので、やっと念願が叶い、とても嬉しかったです。
位置的には、バンコクの中心から西へ約80km離れたラーチャブリ県にありまして、迷路のように広がる運河には、個人商店とでも言うべき小船がたくさん浮かんでおり、取り扱っている品物も実に様々でした。
例えば、野菜や果物、乾物類、卵等をはじめとして、バナナやマンゴーのフライ、ココナツクッキーやワッフル、焼き餅といったスナック類、スープの入った鍋と色々なトッピング用の具材を乗せて麺類を売る名物おばさんの食堂船まで、本当にバラエティーに富んでおり、運河界隈に住む人々の活気のある生活の一端を垣間見ることが出来まして、とても興味深かったです。
その時の模様を写真で御紹介させて頂きます。
ダムヌーン・サドゥアク・水上マーケットの入口は、雲ひとつ無い晴天でした
小型ボートに乗り、水上マーケットにひしめく小船の間を縫うように進んでいきます
地元産のフルーツを綺麗に並べた小船の前で記念の1枚です
観光客用に帽子のお土産を揃えた小船も有りました
念願の水上マーケットに、やっと来ることが出来ました
揚げバナナを作っている小船は、かなりの人気でした
笑顔が素敵なおばあちゃんが焼いてくれる焼き餅も美味しかった
です
熱々で美味しい麺を作ってくれる名物おばさんの食堂船です
この写真から、水上マーケットの賑わいが伝わりますでしょうか
ワッフル屋さんと地元野菜を扱う八百屋さんです。
乾物全般を扱う小船もありました
水上マーケットの写真付きTシャツを着てみました
Tシャツは、このような柄です (笑)
2012年1月下旬にタイの首都バンコクを訪れ、「庶民の台所」と言われているローカル市場を歩いてみました。
開放感のある市場内には、新鮮で色鮮やかな野菜や果物類が豊富に並んでおり、奥の方では、魚介類や肉類の販売コーナーもあって、かなり見応えのある市場でした。
市場の入口付近には、美味しそうな御惣菜の屋台や、魚介類を焼いて売るお店もあり、とても活気があって、見ているだけでも楽しくなってきます(笑)。
世界各地で市場を訪れますと、その国の食文化はもちろんのこと、その背景にある国内情勢や経済情勢までもが見えてくるものですが、ここバンコクでは、世の中の流れに関係なく、肩の力を抜いて「伝統的食文化」を守っている様子が、肌で感じられ、それがとても心地良く、改めて、タイの食文化の奥深さを実感致しました。
タイ国内を歩いてみて発見したことなのですが、人々が集まる場所や建物の入口には、必ず、神様を祀った御社がありまして、その前で手を合わせる人々をよく見かけます。
このローカル市場の入口付近にも、大きな菩提樹の木があり、その隣りに素敵な御社がありました。
「神様に祈り、今、この時に感謝の気持ちを持って生きる。」そんな心の豊かさを持つタイの人々の感性と食文化が益々好きになりました。
バンコク市内にある明るい外観のローカル市場です
入口付近には、御社があり、神様を祀っています
フルーツの種類は多く、とてもカラフルです
人参や唐辛子だけでも、多種類あります
ハーブ系を含め、青野菜の種類は豊富です
日本ではあまり見かけない野菜もかなりあります
タイを代表するシャンツァイ(香菜)も新鮮でした
手作りの唐辛子味噌も色々と売られています
新鮮な魚介類の販売コーナーもあります
いわし等の小魚を発酵させた調味料もあります
御惣菜を売る屋台には、美味しそうな料理がたくさん並んでいます
新鮮な海老や魚をダイナミックに丸ごと焼いて売っていました
数日前からFACEBOOKを始めました。
知人の何人からかは、「エッ!まだしていなかったの?」と驚かれましたが、私のHPのブログを更新するのもままならない現状で、2足のわらじは絶対に無理だと思っていたのです。
しかし、登録してから他の方々のページを拝見致しますと、ワンセンテンスや写真1枚だけでも大丈夫そうでしたし、今まで疎遠だった多くの御客様との距離感もグッと縮まるのが、とても魅力的ですので、出来る範囲で挑戦することに致しました。
内容的にも、HPのブログとは違う切り口の、バラエティーに富んだ軽い話題も取り上げて行くつもりです。アクセスは、「Tsuyoshi Kogure」で検索して頂くか、HPトップページのバナーからどうぞ。これから、どのよな展開になるかは分りませんが、御期待下さいませ(笑)。
FACEBOOK私のページです。本日は、「フーデックス」の会場で元阪神タイガースのランディ
バース氏に会った時のエピソードを書いています。
まだ世界的に知られていないヨルダン産のオリーブオイルにも良い物があります。
そんな話題で書かせて頂きました。
2012年3月中旬に北インドの紅茶の名産地「ダージリン」と「アッサム」の茶畑に伺い、その美味しさの秘密を探って来ました。
「ダージリン」の茶畑は、かなり傾斜も急な、標高2200m前後の高地に広がっており、日照条件が、茶葉の成長にもかなりの影響を与えているように見えました。
茶摘みも体験させて頂きましたが、傾斜面で、前傾姿勢を保ちながらの茶摘みは、かなりきつかったですね(笑)。
一方、「アッサム」の茶畑は、標高1500m前後の平地に広がっており、夏場の猛暑を避けるために、茶葉よりも背の高いアカシアの木が、至る所に植えられていました。
茶摘みの女性達は、摘んだ茶葉を入れるためのスペアの布袋を丸めて、頭の上に乗せていましたが、その姿が、なんとも清楚で、エレガントに見えました。
紅茶の専門店に伺い、何種類もの「ダージリンティー」と「アッサムティー」を試飲させて頂きましたが、本当に色々な種類・ランクがあり、紅茶の奥深さを再認識させて頂きました。
「ダージリン」の茶畑で見かけたメーカーの看板です
「ダージリン」の茶畑は、標高2200m前後の高地に広がっています
「ダージリン」の急斜面での作業は、かなりきついですね
「アッサム」の茶畑で茶摘みをしている女性達と記念撮影です
「アッサム」の茶畑で、茶袋を頭に乗せた姿がエレガントでした
紅茶の専門店に伺い、何種類もの試飲をさせて頂きました
今年の初摘み「ファースト・フラッシュ」は、何とも透明に近く、味も香りも控え目でした
茶箱を包んだ紐を頭で支えながら、運搬してきたおじさんです
2012年3月中旬に北インドのダージリンを訪れ、クロスオーバーな食文化の取材をしてきました。
ダージリンの中心地にある大規模な「チョークバザール」を訪れますと、インド人、チベット人、ネパール人等、食文化や生活習慣が違う、本当に様々な人々が行き交い、物凄く生活感があって賑っており、このような雰囲気に遭遇しますと、自然にワクワクしてきます(笑)。
写真の数々からみなさまにも、その興奮ぶりをお伝え出来たら嬉しいです。
大規模な「チョークバザール」の入口は、こんな雰囲気です
たくさんの種類があるジャガイモを持って記念の1枚です
なんとダージリンには、日本のと同じような「納豆」が有りました。
北インド産の「納豆」を持って、記念撮影をしました
カゴにどっさり盛られている野菜達は、いかにもインドらしいですね
日本と似た干物を売るおじさんと記念の1枚です
製菓材料にもなる「タマリンド」も売っていました
バナナのディスプレーが可愛いフルーツショップです
このお店は、スナック菓子の専門店なのですが、物凄くたくさんの種類があります
唐辛子、にんにく、生姜、豆類は、北インド料理に欠かせない食材の代表選手です
ダージリンの紅茶も大袋に入って、インド流に量り売りです
このような狭い路地の雑踏感がたまらなくインドっぽいですね
2012年3月中旬に北インドのダージリンを訪れ、ダージリン駅から世界遺産のミニ蒸気機関車「ダージリン・ヒマラヤ鉄道(通称・トイトレイン)」に乗ってグーム駅まで、約1時間のゆったり旅を体験してきました。
このSLは、かなり年季が入っており、すぐに故障してしまうそうで、駅脇の車庫では、出発前の早い時間から念入りにメンテナンスが行われていました。
この日は、あいにく朝から霧がかかる雨模様でしたが、その分、北インドらしい雰囲気が味わえましたし、駅構内の売店で飲んだチャイの温かさが体中に広がる感じが、物凄く心地良かったです。
山間に響く汽笛を合図に、石炭の煙をモクモクと出しながら「トイトレイン」は出発しましたが、気がつくと、通学途中の子供達が、笑顔で、どんどん無賃乗車してきました。
「子供は、お金が無いから」という理由で、鉄道会社も許してあげているそうですが、私も賛成です。大人になったら、恩返しすればよいのですから、地域社会が子供達を温かい目で見守ってあげることは、今の時代、とても大切なことだと思いました。
それにしましても、見た目は、石炭のススでキレイではないし、年中、故障はするし、大雨が降れば、すぐに土砂崩れで通行止めになるし・・・・。でも、立派な「世界遺産」なんですよね。なぜでしょうか?
イギリス植民地時代に、高地の茶畑から茶葉と、色々な思いを持った労働者を運ぶために作られた「トイトレイン」ですが、ゆっくり走るから、お年寄りも安心して乗れますし、お金の無い子供達もタダ乗り出来る(笑)。長い時間の中で、地域の人々にとって欠かすことの出来ない、とても大切な物になっているし、ダージリンという地方の文化として完全に根付いているのですね。
この辺に、日本の地方が活性化してゆくためのヒントがありそうですよね。都会のカッコ良さばかりを目指すのでなはく、もっと、御先祖様が遺して下さった伝統的文化を大切にしていきたいですね。そうしたら、日本は、もっと素敵で面白い国になると思いませんか。
イギリス植民地時代に作られたため、ダージリン駅の看板はロンドンの地下鉄の看板に
似ていますね
まだ倉庫でのメンテナンス中に「トイトレイン」に会えた嬉しさで、しがみつき記念の1枚です
線路脇ギリギリまで、露店が並び、人々も普通に線路道を歩いていました
線路幅は、たったの60cmで、本当にオモチャ(トイ)のようでした
途中、見晴らしの良い公園内の駅では、写真撮影タイムもあり
「トイトレイン」に群がる人々が大勢いました
グーム駅脇の博物館には、初代の可愛らしい「トイトレイン」が展示
してありました
小雨混じりの霧の中、煙を上げて走る「トイトレイン」の姿は、北インドらしくていいですね
山間に汽笛を響かせ走る「トイトレイン」は、地元の人々にとって欠かせないものになって
います
「出張料理人」である私にとりまして、無くては困る「頼もしい片腕」を2つ御紹介させて頂きます。
まずは、海外出張に欠かせない「スーツケース」ですが、御覧の大型スーツケースは20年以上前に購入し、一緒に世界中を飛び回った「大親友」です。多分、修理に出した回数は、15回以上で、先日コーカサスからの帰りの飛行機でも、大きな亀裂が入ってしまいました。使用年数が長すぎて、もはや保険の対象にもならず、修理も難しいことが判明しましたので、泣く泣く処分することにしまして、先程「350円分の粗大ごみシール」を貼りました。ここまで頑張ってくれた「大親友のスーツケース君」には、感謝の気持ちでいっぱいです。次回からは、「スカイブルーの新しいスーツケース君」が友達になりますが、こちらも大切に使って、楽しい思い出をたくさん共有したいと思っています(笑)。
もうひとつは、調理道具や食器類、食材を宅急便で地方に送る時に使う「段ボール箱」です。八百屋さん等で厚手のしっかりした段ボール箱を仕入れて、皿等が割れないように包材をぎっしり詰めて送るのですが、何度も使っているうちに、段ボール箱がすり減ったり、穴があいたりしますので、あたかも包帯でグルグル巻きにされた「ミーラ」のように、ガムテープで何重にも巻いて補強してあります。
以前、地方の仕事先から送り返した荷物の送り状が途中ではがれてしまい、普通ならば「迷子」になってしまうはずが、ちゃんと私のもとに届いて感動したことがあります。その理由を宅急便のドライバーさんにお聞きしましたら「(ガムテープでグルグル巻きになっている)箱を見れば、小暮さんのだとすぐ分かりますよ!」とおっしゃっていました。迷子にならずに、いつも重い荷物を入れて戻ってきてくれる年季の入った可愛い段ボール箱にも感謝の気持ちでいっぱいです。これからも宜しくお願いしますね!
20年以上使って、思い出深いスーツケースも、とうとう処分する時が
来ました。「350円分の粗大ごみ用シール」を貼った瞬間に、大切な
友人が去って行くような寂しさを感じました
先日伺った大阪の出張先から送り返した宅急便の荷物の一部です。出張先に伺う際には
食材等も加わりますから、この倍くらいの段ボール箱が必要になります。何だか、毎日
小さな引っ越し作業をしているような感じですね(笑)
ミイラのようにガムテープでグルグル巻きに補強された、食器用の段ボール箱です。かなり
年季が入っているのが分かりますか?
送り状や割れ物シール、ガムテープは、何度も重ね貼りしていますので、段ボール箱の
厚みも、毎回増してきます。この箱の通算移動距離もかなりなものですよね(笑)
2012年7月上旬にアラブ首長国連邦の「ドバイ」を訪れ、現地でも人気急上昇中のオリーブオイルを使ったドレッシングの作り方や、その活用方法の御指導をさせて頂きました。
基本的にドバイ人は、すべて国家公務員であり、男性は白い民族衣装を着ていますので、私も、まずは、スパイス市場内の衣装店を訪れ、民族衣装をオーダーメイド致しました(笑)。
そして、それを着て街中を色々と歩き回りましたが、現地人から見ると、何かが滑稽らしくて、ニヤニヤ笑っている人や、不思議そうな顔をして見つめる人も多かったのですが、いつものごとく、そのリアクションを楽しませて頂きました(笑)。言葉の通じない国々では、その国の民族衣装を着ることで、言葉意外のコミュニケーションが生まれ、楽しい交流が出来るものなのですよね。
今回、伺った洋風レストランのキッチンスタッフのみなさんも、アルバイトが多いようで、あまり英語が通じなかったのですが「コグレ流オリーブオイルクッキング」を開始しますと、とても真剣な眼差しで貪欲に吸収しようとする姿勢がひしひしと伝わり、嬉しかったですね。
御試食タイムは、レストランのホールスタッフのみなさんも交えて、和気あいあいとさせて頂きましたが、「オイルを変えるだけで、こんなに美味しくなるとはビックリです!」と言ったコメントが多く、かなり盛り上がって良かったです。
御指導の最後には、レストランのオーナー氏から「コグレさん、ドバイでシェフをしませんか?ドバイでは一夫多妻制ですから、4人まで奥さんを持つことが出来ますよ(笑)!」と、ユニークな勧誘をして頂きましが、それには、アラブ語やイスラム教の習得諸々が必要ですし、やんわりと御断りして来ました(笑)。
スパイス市場内の民族衣装店で白い衣装をオーダーメイド致しまし
た。似合いますか?(笑)
ドバイの大型ショッピングモール内で、何本もの大きな「オリーブの
木」を見つけました。ドバイの隣国「アブダビ」では、オリーブオイル
も生産しているようですね
ゴールド市場内も、民族衣装で歩きました。何人もの方々から笑顔で声をかけられましたよ
日本の協力で完成した世界一の無人運転鉄道「ドバイメトロ」にも乗ってみました
埋立地に出来た巨大リゾートホテル「アトランティス・ザ・パーム」にも行ってみました
ドバイを代表する7ツ星ホテル「バージュ・アル・アラブ」近くのビーチから記念の1枚です
ドバイ旧市街のスパイス市場では、初めて見るスパイスも多く、とても興味深かったです
御指導に伺ったレストランのキッチンスタッフのみなさんと記念撮影させて頂きました
ハーブミックスに上質のオリーブオイルを加えてドレッシングソースの制作中です
オリーブオイルと醤油、粒マスタードで作った特製ドレッシングソースが好評でした
アラブ料理の定番「ひよこ豆のペースト」にもオリーブオイルを加えて旨味を増しました
グリーンサラダには、バルサミコ酢と醤油入りのオリーブオイルソースをかけてみました
レストランスタッフのみなさんと意見交換しながらの試食タイムは
かなり盛り上がりましたよ
ミントとレモン汁を加えた白ワインカクテルが、オリーブオイル
クッキングと抜群の相性でした
2012年7月上旬にアラブ首長国連邦の「ドバイ」を訪れ、大型ショッピングモール「ドバイ・モール」を歩きながら、「ドバイの今」を肌で感じ取ってきました。
様々なメディアの事前情報によりますと「ドバイのバブルは既に弾けた」という声も多かったのですが、実際は、そんな感じは無く、活気があって楽しく有意義な取材になりました。
まずは、スィーツ編ですが、高級チョコレートのブランドショップが多いのには驚きました。王室御用達の「BATEEL」をはじめ、私の知らないブランドチョコレート店も色々ありましたが、特に面白いと思ったのが、ラクダのミルクで作ったチョコレートの専門店「AL NASSMA」というお店でした。
「さすがにドバイらしいなぁ」と思って、現地の方に「ラクダミルクのチョコレートを普通に食べていますか?」と質問しましたら「ドバイの人達は、食べないですよ!」とのことでした(笑)。確かに、値段も高いですし、あくまでも観光客の御土産用なのですね。私も、板チョコを買って食べてみましたが、「一瞬、クセがあるかな」という感じでしたね。
チョコレートショップの次に多いのが「ジェラート(アイスクリーム)ショップ」かもしれませんね。オーソドックスな「イタリア風ジェラート」から、シンプルな「アイスキャンディー」、トルコ式のピスタチオナッツをまぶした「伸びるアイスクリーム」まで、実に様々なタイプのジェラートが売られていて、どこのお店も老若男女を問わずに、長蛇の列でした。気温も40℃をはるかに超える猛暑ですし、イスラムの教えで、アルコールを飲まない人が殆どですので、当然のことながら、冷たいスィーツは人気商品になりますよね。
「ドバイ・モール」の中に「隣の国からわざわざ食べに来るファンがいるほど美味しい回転寿司のお店がある」と聞きまして、私も話のタネに入ってみました。料金システム等は日本とほぼ一緒なのですが、物凄い数のお皿の上に、写真のような丸いフタがしてあるのが不思議な感じでしたね。食べ物というよりも、工業製品が回っている感じがしました(笑)。生の寿司ネタは、マグロとサーモンくらいで、2カン乗った皿が500円前後と、かなり高めでしたし、味の方も(?)なのですが、いつも満席の人気なんですよね。「ドバイの人達に、本物の日本の寿司を食べさせてあげたいな」と思いました。
世界的に「食の安全性」や「ヘルシーな食」に対する意識が高まりつつあることを肌で感じていますが、ドバイでも、その意識の高さに感銘を受けました。「ドバイ・モール」の中には「オーガニック食材」だけを集めた大型スーパーがありまして、実に、多種多様な「オーガニックフード」が揃っているのです。私が得意とするオリーブオイルも、完全オーガニックで上質な物が揃っていましたし、日本製のソバやワカメ、ヒジキまでありました。今までに、世界90ヶ国近くを訪れている私ですが、これほどまでに充実した「オーガニックショップ」を見たのは初めてですね。「このお店を見るためだけにドバイを訪れてもいいな」と思うのは、私だけでしようか(笑)。
モール内には、水族館も併設されており、こちらの入り口も長蛇の列でしたが、メインの大きな水槽は、外からも無料で見れるようになっており「さすがドバイ!気前がいいね」と思いました(笑)。
屋上にも上がってみましたが、大きなオリーブの木が何本もあるのには、感激致しました。ドバイの人達もオリーブは好きですし、オリーブオイルは、お隣りのアブダビで生産されているようですね。
夜になりますと、地上828m、160階建ての超高層ビル「バージュ・ハリファ」を取り囲む人造湖では、ダイナミックな噴水ショー「ドバイ・ファウンテン」が30分ごとに行われていました。日が暮れても、蒸し暑さは相変わらずですので、湖の周りには、涼を求める人々でごった返していましたね。ラスベガス・ベラッジオ前の噴水ショーに似ているなと思っていましたら、ショーの構成は、同じ方が手掛けているようですね。セリーヌ・ディオンの曲が何ともショーにマッチしていて良かったです。
ラクダミルクのチョコレートは、いかにもドバイらしいですよね
王室御用達のチョコレート店「BATEEL」のショーウインドです
ドバイのジェラートショップは、オシャレな品揃えが多かったです
外は猛暑ですので、どこのジェラートショップも長蛇の列でした
観光客にも人気の回転寿司店ですが、味は(?)でしたね(笑)
一生懸命に太巻きを作る従業員さん達の手際は見事でしたよ
大型の「オーガニックショップ」には、かなりの品揃えがあり、嬉しくなってきました
完全オーガニックで上質のオリーブオイルも世界中から集められていました
日本製のワカメやヒジキ、ソバ、うどん、お茶までオーガニックが揃っていました
水族館も併設されており、メインの大きな水槽は、無料開放されています
ドバイ・モール内には「永遠の命の象徴」でもある大きなオリーブの木が何本もありました
ダイナミックな噴水ショーは、涼を求める人々で賑わっていました
2012年6月下旬にブラジルのリオデジャネイロを訪れ、ブラジルの食文化の取材をして来ました。
ブラジルを代表する料理と言いますと、肉の塊に岩塩を振りかけて焼き上げたブラジル風バーベキュー「シュハスコ」が有名でして、その専門店を「シュハスカリア」と言いますが、私も、地元で
の評判が高い「シュハスカリア」に伺い、汗びっしょりになりながら、大型ストーブの前で、大きな塊の肉を焼かせて頂きました。普段は、ローストビーフを焼く時でも、温度設定をきちっとしたオープンを使うものですから、経験と感覚が頼りの炭焼きグリルは、コツがつかめるまで、かなり大変でしたね(笑)。
このお店では、どの肉も食べ放題でして、肉好きなブラジル人のお客様がいつもおかわりの列を作っていましたが、人気の部位は「クッピン」という、コブ付き牛のコブの部分の肉でした。私も、その珍しい部位の肉を食べてみましたが、とても固くてビックリでした(笑)。日本人は、肉の美味しさを「柔らかくて美味しい」と表現しますので、これは、日本人には無理だなと思いましたね。
世界を回ると、色々な食文化、食の価値観があるものだということを、改めて実感致しました。
付け合わせの野菜、豆類は、それ自体がとても美味しいので、シンプルにグリルしたり茹でて、ハーブを混ぜただけの料理が多かったですね。野菜料理は、日本人にも合う優しい味わいで良かったです。
リオデジャネイロで有名な「シュハスカリア」に伺い、ブラジル風バーベキュー「シュハスコ」
を焼かせて頂きました
オープンを使わずに、炭火だけで大きな肉の塊を焼き上げるのは、かなり大変ですね
「自家製の腸詰め」を炭火で焼くと、とても香ばしくなり、美味しかったですよ
付け合わせには、シンプルにグリルした野菜がとてもよく合いますね。オリーブオイルを
かけたら最高です!
チーズと香味野菜、オリーブを合わせたサラダもサッパリとしていて、肉料理と良く合います
「蒸しカボチャ」にハーブを合わせたものですが、素材の良さが生きていて美味しいですね
「地豆の茹で煮」ですが、これもシンプルに豆の美味しさが楽しめて良かったです
デザートには、シナモンシュガーを振っただけのバナナが良く合いますね
2012年6月下旬にブラジルのリオデジャネイロを訪れ、ブラジルの食文化の取材をして来ました。
今でも人気の「ブラジルの伝統料理」と言いますと、開拓時代に奴隷が食べたとされる「黒豆を煮込んだポタージュスープ(カウデフュージョン)」や「黒豆とクズ肉の煮込み(フュージョントロペイド)」が有名なのですが、私も現地のシェフにお願いしまして、それらを一緒に作らせて頂きました。
「コストと時間をかけずに、栄養(カロリー)のある物を奴隷達に食べさせる」という発想から生まれたからでしょうが、黒豆は、シンプルに水だけで煮込み、カロリーをアップさせるために、ラードをかなりたくさん加えて仕上げるスープには、「色々な想い」が込められているのだと思いました。
スープのアレンジバージョンとして、牛や豚のクズ肉を加えて煮込む料理にも、同じことを感じました。どちらも、作り方は簡単ですが、そこに込められた「想い」は、決して単純なものではないことを忘れてはならないと思いますね。
「黒豆とクズ肉の煮込み」の付け合わせには「焼きパイン」が合うことも知りました。サトウキビから作ったブランディー「カサッシャ」を飲みながら頂くそれらの料理は、とても美味しく、奴隷制度が無くなった今でも、食べ続けられている理由がよく分かりました。
その他には、ブラジルの朝食の定番「ポン・デ・ケージョ」も作らせて頂きました。
これは、マンジョーカという芋の澱粉を加えて作る、たこ焼きに似た形のチーズパンなのですが、モチモチしていて、とても美味しいのです。それぞれに「家庭の味」があるようですので、色々と食べ比べてみたかったですね(笑)。
ブラジル料理には、オリーブの実も良く使われますので、オリーブオイルを使った「万能・野菜ドレッシング」の作り方を、今回の御礼に御披露させて頂きましたが、ステーキ等のソースとしても応用できますので、色々と活用して頂けたら嬉しいですね。
リオデジャネイロの有名レストランで「ブラジルの伝統料理」を作らせて頂きました
仕込んだソースのペースやパン生地等が並んでいます
焼きあがった「ポン・デ・ケージョ」は、見た目「たこ焼き」のようですね
私が作った「万能・野菜オリーブオイルソース」は、ステーキソースにも応用出来ます
「黒豆のポタージュスープ」には、パセリ、玉葱、炒ったラード等を
加えて食べます
サトウキビのブランディー「カサッシャ」と「ブラジル伝統料理」の
相性は抜群ですよ
「黒豆とクズ肉の煮込み」も、シンプルながら、とてもコクがあり、美味しかったです
「黒豆とクズ肉の煮込み」の付け合わせには、「焼きパイン」がよく合います
2012年6月下旬にブラジルのリオデジャネイロを訪れ、ブラジルの食文化の取材をして来ました。
地元で人気のスーパーマーケット「Zona Sul」にも行ってみましたが、珍しい商品、食材もいくつかありましたので、早速、御紹介させて頂きます。
まずは「コパカバーナビーチ」が近いということで、水着やビーチタオルもたくさん並んでいましたが、タオルの絵柄に「ブラジルらしさ」を感じましたね(笑)。
私も、現地で作らせて頂いた、たこ焼きみたいな形で美味しいチーズパン「ポン・デ・ケージョ」も、水だけ加えれば生地が出来るインスタント品が売られていて「御土産にいいな」と思いました。ブラジルでは、お米もよく食べますが、「モミジ」という銘柄の日本米に似たお米(カリフォルニア米)も売っていました。ブラジル人は「甘い物」が大好きで、コーヒーにも砂糖をたくさん入れますが、お菓子類も同様で、甘い物が多かったです。写真は、ブラジルで人気のお菓子の銘柄2種類です。
このお店で一番興味深かった物は「グアバのゼリー」です。色々な銘柄がありましたが、現地の方に食べ方をお聞きしましたら、ブラジルのチーズは塩味がきついので、それを和らげるために一緒に食べるのだそうです。「グアバのゼリー」自体は、かなり甘いのですが、確かに、チーズと一緒に食べると、まろやかになりましたね(笑)。
「フルーツ」も色々ありました。特に、南半球は秋という季節柄、リンゴや洋ナシが多かったですね。「野菜類」も豊富に揃っていましたが、やはり、玉葱やイモ類の種類の多さには「南米らしさ」を感じましたね。カボチャやトマト、カリフラワー等も新鮮な物がたくさんありました。
ブラジルは、元々ポルトガル系の国ですから、オリーブオイルやテーブルオリーブ(オリーブの実)も、よく使われており、ここのスーパーにも種類豊富に並んでいましたね。オリーブオイルにつきましては、かなり上質な物もありましたし、収穫したての「ヌーボー」があったのには、感激致しました。
ビーチタオルや水着にも「ブラジルらしさ」が漂っていましたね
インスタントの「ポン・デ・ケージョ」は、御土産にいいですね
お米をよく食べるブラジルでは、日本米に近い銘柄品もありました
ブラジルで人気のお菓子2種類ですが、甘さもブラジル的でした(笑)
「グアバゼリー」は、塩味の強いチーズと一緒に食べます
リンゴ、洋ナシを中心に、色々なフルーツが揃っていました
南米らしく、玉葱、イモ類の種類が多かったですね
トマトやカリフラワー等も新鮮な物がたくさんありました
「オリーブオイル」も上質な物が多くて、嬉しくなりました
「オリーブの実」も、ブラジル料理では、よく使われます
2012年6月下旬にブラジルのリオデジャネイロを訪れましたので、簡単に観光名所の御紹介をさせて頂きます。
まずは、リオの代名詞的存在のビーチ「コパカバーナ海岸」ですが、日中は日光浴や海水浴、フットサルやビーチバレーを楽しむ人達で大変に賑わっていました。そして、私が滞在したホテルは、ビーチの目の前でしたので、朝、夕の素晴らしい景色を堪能することが出来て良かったです。特に、朝焼けは、本当に幻想的で、言葉を失ってしまうほどの美しさでしたね。朝の散歩が、本当に気持ち良かったです。朝食の後、コーヒーを頂きながら、地元紙をめくってみたのですが、まず、コーヒーに付いてくる砂糖の多さにビックリ致しました(笑)。ブラジル人は、甘いコーヒーが大好きなのですね。そして、新聞ですが、トップニュースの殆どがサッカーでして、「ブラジル人のサッカー好き」が良く分かりました(笑)。
「コルコバードの丘」にも登ってみました。海抜709mの絶壁の頂に建つ「キリスト像」は、リオのシンボルであり、絵葉書などにも、よく登場しますよね。ここからの眺めは雄大で、しかも繊細。「神の創造」を連想させるほどの美しさでした。丘の麓には、国名である「ブラジル」の由来となった染料の原木「パウ・ブラジル」も植えられていましたね。
夜には、「本場のサンバショー」も鑑賞致しました。劇場のステージで見るだけでも大迫力なのですから、2月に開催される「リオのカーニバル」は、さらに物凄いのでしょうね。想像を絶しますね(笑)。
世界的に有名な「コパカバーナ海岸」の朝焼けです。本当に幻想的で、言葉を失うほどの
美しさでした
ホテルの自室から見た夕暮れ時の「コパカバーナ海岸」も、雰囲気があって良かったです
朝早く、ビーチ沿いをウォーキングする人々も多かったですね。ココナッツジュースの売店
も人気でした
地元紙は、その殆どがサッカー記事をトップにするほど「サッカー好きな国」なのですね
コーヒーにたくさんの砂糖を入れるのが、甘党ブラジル人流の飲み方らしいです
「コルコバードの丘」からの景色は、とても雄大かつ繊細で「神の創造」を連想させるほど
の美しさでした
「コルコバードの丘」の絶壁に建つ巨大な「キリスト像」と同じポーズ
で記念の1枚です
国名の由来となった染料の原木「パウ・ブラジル」も、丘の麓に植
えられていました
「サンバショー」の会場には、海外からの観光客も多く、かなり盛り上がりました
大柄のダンサー達による華やかで迫力ある「サンバショー」が繰り広げられました
とても豪華な重装備の衣装で登場する場面もありました
ショーの最後には、ダンサーさん達と記念撮影させて頂きました
2012年6月下旬に、ブラジルとアルゼンチンの国境にかかる世界三大瀑布のひとつ「イグアスの滝」に行って来ました。
まずは、ヘリコプターに乗り、その全貌を上空から観察致しました。亜熱帯性の密林に覆われた大地を、豊かな水量をたたえて流れる「イグアス川」。その川面が突然、大地の縁に飲み込まれ、数㎞先からでも分かるほどの膨大な水しぶきの白煙を上げて、世界最大の大瀑布を形成しています。これが、驚異的な迫力と神秘的な美しさで世界に知られる「イグアスの滝」なのですが、全長4㎞、落差80mの間に大小約300の滝が段を成して連なり、上空から見ましても、まさに圧巻でした。
地上からは、まず、アルゼンチン側の「悪魔の喉笛」と呼ばれているスポットに行ってみました。上空写真で言いますと、一番手前で激しく落下している地点なのですが、マイナスイオンを全身に浴びながら、1億2000万年前には既に存在し、先住民族の間で「聖地」としてあがめられていた「パワースポット」のエネルギーを、存分に吸収して来ました(笑)。その後、ブラジル側の展望台に渡るころには、美しい虹のアーチもかかり、「イグアスの滝」の様々な表情を肌で感じながら、
その醍醐味をたっぷりと満喫させて頂きました。
帰り際に渡ったイグアス川にかかる橋には、ブラジルとアルゼンチンの国境を知らせるラインがあり、思わず車を止めて写真を撮りました。さらに、アルゼンチン側のイグアス空港近くには、アルゼンチン・ブラジル・パラグアイの「3国・国境地帯のモニュメント」があり、そこでも記念撮影致しました。近隣諸国が、自然の財産を共有し、共に発展していくのは、とても良いことですよね。
(日本の)パラグアイ大使公邸には、しばしば出張料理で伺わせて頂いており、親近感もありますので、3ヶ国の将来の発展がすごく楽しみです。
「イグアスの滝」を上空から見るために、ヘリコプターに乗りました
「イグアスの滝」の周りはジャングルであることがよく分かりますね
イグアス川が、大地の縁に飲み込まれる瞬間、すごい迫力です
手前が「悪魔の喉笛」と呼ばれるスポットです
いくつもの小さな滝があることが分かりますね
大小300以上の滝が段を成して連なっています
アルゼンチン側「悪魔の喉笛」と呼ばれるスポットは大迫力です
ブラジル側の展望台で、国旗を持って記念撮影です
細い滝が、長く連なっている様子も圧巻です
ブラジル側より、美しいアーチの虹がかかっていますね
イグアス川に架かる橋の、ブラジル・アルゼンチン国境ラインです
イグアス空港近くの「3ヶ国・国境地帯モニュメント」です
2012年7月上旬に、上質なオリーブオイルや食材を求め、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスを訪れました。以前から、アルゼンチン産の天然塩やワイン、オリーブオイルの質が高いことは知っていましたが、実際に現地では、どの程度の物があるのか知りたくなり、ブラジルからラン航空で、アルゼンチンに入りました。
現地の市場やマーケットでは、確かに、かなりの種類のオリーブオイルやテーブルオリーブが売られていましたが、日本では売られていない銘柄が多く、とても興味深かったですね。試食用に15種類ほどのオリーブオイルを購入しましたが、すべてピン類ですので、かなり重く、スーツケースの重量オーバーが気になりましたが、帰りの空港で交渉しまして、何とか持ち帰ることが出来ました(笑)。
その他、ワインも安くて美味しい物がたくさんありましたが、さすがにワインは、スーツケースに入れますと、気圧と温度の変化で、風味が劣化しますので、現地での試飲だけに致しました。
南米は、肥沃な大地が多いですから、野菜や果物類も、新鮮なものが種類豊富にありましたね。
ブエノスアイレスの街中を歩いていますと、さすがに「南米のパリ」と言われるだけありまして、フランス風の建物が多く、テラスのあるカフェやケーキ屋さんもオシャレなお店が多かったですね。
28年前のフランス修業時代を思い出し、この地で、アルゼンチンの豊富な食材と上質なオリーブオイルを使った「コグレ流オリーブオイルクッキング」を御披露させて頂くことになりました。
ブエノスアイレスは「南米のパリ」と言われるだけあり、街中には御洒落なカフェもありました
「HAVANNA」は、チョコレートショップの老舗で、日本の「とらや」のようなお店です
野菜類は、新鮮で上質なものが南米全土から集まり、種類豊富に揃っています
花野菜やトマトもあります。中央にあるのは「水カボチャ」で、スープ用にします
イモ類や玉葱が山積みされていて、さすがに南米らしいですね
「南米のパリ」らしく、フルーツ類も色とりどり、種類豊富に揃っていましたね
「オリーブオイル」は、本当に風味が良く高品質な物がたくさんありました
日本では珍しい「缶入りのオリーブオイル」もたくさんありましたね
「テーブルオリーブ」も、色々な種類、形状の物が揃っていました
アルゼンチン産ワインだけでも、こんなに豊富に揃っています
「エンパナーダ」という具だくさんのパイは、アルゼンチンのスナックの代表格です
スポンジ生地にホワイトチョコレートをかけた、現地で人気のお菓子です
2012年7月上旬に、上質なオリーブオイルと食材を求め、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスを訪れました。市場やローカルマーケットも見て回りましたが、さすがに「南米のパリ」と呼ばれるだけあり、食材の品揃えの豊富さは、本場パリを凌ぐほどの素晴らしさでしたね。せっかく、地球の裏側のアルゼンチンで「上質のオリーブオイル」と出会えましたので、知人の紹介で現地のローカルレストランに伺いまして、「コグレ流和風オリーブオイルクッキング」を御披露させて頂くことになりました。日本からは、「コグレ流」に欠かせない「味噌」、「醤油」、「味醂」、「昆布・若芽」等を持参していましたので、現地の素晴らしい食材の数々を前にして、創作意欲が掻き立てられ、存分に腕を奮わせて頂きました(笑)。本来は、お店のスタッフのみなさんだけに食べて頂く予定だったのですが、興味津々で味見をした支配人さんが「これは美味しい!是非、一般のお客様にも食べて頂こう!」ということになりまして、気が付きましたら、すでに、客席に、私の料理が回っていました(笑)。
積極的な「ラテン系の乗り」って、いいですよね(笑)。思わぬサービスに、お客様達も大喜びで、私も、お客様の前で御挨拶させて頂きますと、一瞬にして「ヒーロー」になったようで、大喝采を頂きました。「ウケ」を狙ったわけではないのですが、サッカー・アルゼンチン代表のエース「メッシ」の10番のユニフォームを着ていましたので、「シェフ!メッシ!」の掛け声で、大いに盛り上がりました。「長時間かけて、アルゼンチンまで来て良かった!」と、つくづく思いましたね。「素晴らしい想い出」が出来まして、本当に感激致しました。
ブエノスアイレスのレストランで「コグレ流和風オリーブオイルクッキング」を御披露させて
頂きました
とても人気のあるレストランで、いつも多くの御客様で賑わっています
「骨付き牛バラ肉のグリル」を切り分けているところです。焼く前にオリーブオイルと醤油で
マリネしておきます
「野菜たっぷりのピザ」の隠し味には、味噌と味醂、オリーブオイルを使っています
「野菜のソテー」の仕上げにも、醤油とオリーブオイルを使っています
自家製パスタを持って支配人氏と記念撮影です。彼が「シェフ!メッシ!」と呼び始めました(笑)
「ジェラート用のコーンカップ」の生地にもオリーブオイルを加えました
楽しく雑談しながら、「皿洗いのお手伝い」もさせてもらいました
串焼きした肉類の盛り合わせにも「オリーブオイルと醤油」をかけて頂きます
「海苔と若芽が入ったキッシュタルト」にもオリーブオイルを使っています
「イカの味噌・オリーブオイル合え」も、香ばしさが良いと好評でした
「小玉葱のオリーブ醤油煮」は肉類の付け合わせとして喜ばれました
「パスタサラダ」の野菜類は醤油とオリーブオイルでソテーしています
白みそとオリーブオイルがベースの「ライスサラダ」も、ヘルシーさが
好評でした
2012年7月上旬に「南米のパリ」と称されるアルゼンチンの首都・ブエノスアイレスを訪れましたので、代表的な観光名所のいくつかを御紹介させて頂きます。
まずは、アルゼンチンと言えば「タンゴ」ですよね。タンゴの生演奏とプロの踊りが楽しめるお店を「タンゲリーア」と言いますが、私も、その老舗「ラ・ペンタナ」に行って、素晴らしいショーを堪能させて頂きました。店内では、食事をしながら鑑賞することも出来ますし、2ドリンク付きでの鑑賞もOKでした。壁には、今までに訪れた有名人の写真も多数飾られており、歴史を感じましたが、アルゼンチン出身の革命家「チェ・ゲバラ」や、サッカーの王様「マラドーナ」の写真には、親近感が湧いて嬉しくなりました(笑)。
次に、「タンゴ発祥の地」として有名なスポット「ボカ地区」に行ってみました。かつて、ボカには、造船工場や賭博場があり、労働者や船乗り達の溜まり場でした。そんな男達を相手にする安酒場やバーも、この辺りに密集していて、あの官能的なタンゴのステップも、そんな暗いバーの片隅から生まれたようです。
ボカ地区には「カミニート(小径)」と呼ばれる小さな通りがありまして、そこに並ぶ家々の壁やテラスや屋根は、大胆に塗り分けられていて、独特の雰囲気に包まれているのですが、このアイディアは、ボカ生まれの画家「キンケラ・マルティン」によるもので、愛する故郷を活性化したい気持ちが原点にあったようですね。「カミニート」には、ユニークな外装の御土産屋さんやカフェなども立ち並び、どこも観光客でいっぱいで、テーマーパークに来たような楽しさでしたが、タンゴダンサーの衣装を着たモデルさんとダンスポーズをとって写真撮影させてくれるサービスもあり、とても良い記念になりました(笑)。
ボカ地区には、マラドーナ選手も在籍した南米屈指のサッカークラブ「ボカ・ジュニアーズ」のスタジアムもあり、試合の無い日には、メインスタンドや博物館の見学も出来るそうですので、次回は試合観戦も兼ねて、ゆっくり滞在したいと思いました。
ブエノスアイレスには、現存する中では一番古い「木造の地下鉄(A線)」があることでも有名でして、それは「銀座線」のモデルにもなったそうです。早速、乗ってみましたが、色は違えど、子供の頃に乗った銀座線そのもので、懐かしさが込み上げてきましたね。ここで今走っている車両には日本製も多く、赤いボディーに白いラインの丸ノ内線(B線)や、名古屋の東山線(D線)の古い車両も見ることが出来て嬉しかったです。
木造の地下鉄A線の終着駅を上がったところに「5月広場」があります。植民地としてスペイン政府に操られることに耐えられなくなった民衆達が1810年5月25日に引き起こした「5月革命」では、この広場で「独立宣言」が採択され、多くの人々が、ここで喜びに浸ったそうです。
最後に「レコレータ地区」にある「レコレータ墓地」には、「エビータ」の愛称で知られるアルゼンチンのファン・ペロン元大統領夫人「マリア・エバ・ペロン」さんのお墓があります。下層階級の家に生まれ育ちながら、大統領夫人にまで上りつめた、そのシンデレラストーリーは、とても感動的でマドンナさん主演の映画「エビータ」を御覧になった方も多いのではないでしようか。
まだまだ、ブエノスアイレスには、見どころがたくさんありますので、次回、訪れる際には、もう少し長く滞在して「南米のパリ」を満喫したいと思いました。
「ラ・ペンタナ」で、本場のアルゼンチンタンゴを堪能しました
アルゼンチンタンゴの「決めのポーズ」と言ったらこれですよね
超満員の雰囲気のある会場では、食事しながら鑑賞することも出来ます
会場の壁には、サッカーの神様・マラドーナさんの写真もありました
素晴らしかった余韻に浸りながら、会場出口で記念の1枚です
ボカ地区で、タンゴダンサー姿のモデルさんとポーズを決めました(笑)
ボカ地区「カミニート」の入り口にある建物は、よく絵葉書に登場します
地元の英雄・マラドーナ選手の人形は、あちこちにありましたね
カラフルな建物や壁が「カミニート」を有名にしました
カラフルな壁には、タンゴを踊る人々の絵もありました
「カミニート」のカフェやお土産屋さんもカラフルでした
「カミニート」のメインストリートは、いつもごった返しています
マラドーナ選手も在籍した「ボカ・ジュニアス」のスタジアムです
現存する世界で1番古い木造地下鉄は「銀座線」のモデルでもあります
「5月広場」で、スペイン政府からの独立宣言が採択されました
「エビータ」ペロン元大統領夫人のお墓はレコレータ墓地にあります
2012年6月上旬に、旧ソ連のヨーロッパ部分の最南端に位置するコーカサス地方「アゼルバイジャン」を訪れ、カスピ海沿岸の一般家庭で、「本物のカスピ海ヨーグルト」と「バター」の作り方を教わって来ました。日本でも、数年前に「カスピ海ヨーグルト」がブームになりましたが、現地での、各家庭ごとに受け継がれている「我が家流の作り方」には興味深いものがありました。
まず、ベースとなるヨーグルトですが、「タネ」と「ミルク」を1対3で合わせ、15℃前後に保ちながら2時間以上置きますと固まってきます。ヨーグルトに水ときゅうり、香草のディルを加えた物を「アイランド」と呼び、ヨーグルトに水と塩、ディルとお米を加えて30分程度煮た物は「ドブハム」と言い
ます。ヨーグルトは、そのまま食べるだけでなく、色々な物を加えた「ヨーグルト料理」が多かったのは、新鮮な発見でしたね。
「本物のバター」も作らせて頂きました。その伝統的製法とは、長細いツボにヨーグルトと水を3対1で加えて、フタをし、ひたすら2時間かけてシェイクするだけなのですが、これには、根気が必要ですね。2時間経ち、ツボの中から、固まりかけたバターを取り出した時の感動は、今でも忘れら
れません(笑)。早速、完成したバターをパンに塗って食べてみましたが、本当にピュアな感じがして美味しかったです。
何でも便利になってゆく世の中ですが、家族が力を合わせ、手間暇かけて作る「本物の美味し
さ」を、次の世代に受け継いでいくことが大切なのだと改めて思いました。
カスピ海沿岸のお宅で「カスピ海ヨーグルト」の正しい作り方を
教えて頂きました
手前が「牛乳」、奥が「カスピ海ヨーグルトのタネ」です。3対1で
合わせます
教えて下さったお父さんと、出来立ての「カスピ海ヨーグルト」を持って記念の1枚です
カスピ海ヨーグルトに「ディル」や「キュウリ」を加えた物を「アイランド」と言います
ツボに「ヨーグルト」と「水」を3対1で入れてシェイクすると「バター」が出来ます
出来立てのバターをパンに塗って食べてみました。最高の美味しさでしたね!
2012年6月上旬に、旧ソ連・ヨーロッパ部分の最南端に位置する、コーカサス地方「アゼルバイジ
ャン」の首都「バクー」を訪れ、上質のオリーブオイルと食材を探して来ました。
コーカサス地方で最も大きな町であるバクーは、カスピ海で採掘される石油によって発展し、住
民の中でも油田関係の仕事に就いている人が多く、あちこちで「石油櫓」を見かけることが出来ました。さらに、バクーの郊外には、炎が噴き出している山「マンマンディ」があるのですが、地下に
は天然ガスがあり、地表の割れ目から、それが噴き出していて、おそらく、これからも永遠に消えることなく、燃え続けることでしょう。資源節約の観点から言えば、何かに有効活用出来たらいいなと思うのですが・・・。
この時期のアゼルパイジャンは、降水量も少なく、砂漠のような気候なのですが、そんな条件の
中でも枯れることなく育つ、生命力に満ち溢れた「オリーブの木々」をあちこちで見つけました。
地元のスーパーマーケットには、アゼルバイジャン製の上質なオリーブオイルやテーブルオリーブ(食用のオリーブの実)も揃っていましたので、早速、購入し、オリーブオイルは、日焼け止め用に毎日全身に塗っていました(笑)。
アゼルパイジャン製のワインも、安価で美味しい物がたくさんあり、将来的には、日本にも輸入される日が近いのではないかと思いました。
「ローカルなフルーツマーケット」にも立ち寄りました。この時期は、チェリーやプラム系の新鮮なフルーツが多く、色も鮮やかで、とても奇麗な品揃えでしたが、保存食としての「瓶詰」も、みな農家さんの手作りだそうで、かなり充実していましたね。珍しかったのは、日の丸形に薄く延ばされた「プラムのドライペースト」です。このまま、食べても美味しいですし、現地では、煮込み料理の隠し味として使うこともあるそうです。農家さん手作りの「蜂蜜」も、濃厚で美味しかったですね。まるで水飴のようなコシの強さで、カスピ海ヨーグルトにかけて食べると、最高でしたよ!
「アゼルバイジャンの食文化」には、その殆どに「手作りの良さ」が残されており、そこには、人の手のぬくもりが感じられて、素晴らしいなと思いました。日本でも、「ケミカルな物に頼らない伝統的食文化」に、もっとスポットライトを当てるべきで、そこから「地域活性化のヒント」が見えてくることを、多くのみなさまに知って頂きたいと思っています。
アゼルバイジャンの首都バクーでは、カスピ海から採掘するための「石油櫓」を色々な所で
見かけました
地下の天然ガスが噴き出し、燃え続けているバクー郊外の「炎の山・マンマンディ」です
バクー郊外の排火教寺院内にも「オリーブの木々」がありました
バクー旧市街のあちこちで「オリーブの木々」を見つけました
アゼルバイジャンの各所では、まだ小さい「オリーブの実」がたくさん成っていました
アゼルバイジャン製の「上質なオリーブオイル」を、何種類も見つけました
テーブルオリーブ(食用オリーブの実)も、たくさんあり、嬉しくなってきました
「アゼルバイジャン製のワイン」だけでも、こんなにあり、安くて美味しかったです
「プラムのペースト」を丸いシート状に伸ばして売っているのは珍しいですね
「ローカルなフルーツマーケット」には、色鮮やで新鮮な果物が豊富にありました
フルーツマーケットのおばちゃんと、笑顔で記念撮影させてもらいました
保存食用でもある農家さん自家製の「フルーツや野菜の瓶詰」が豊富にありました
地元の農家さん自家製の「蜂蜜」も、水飴のような濃厚さで、最高の美味しさでした
どちらも濃厚な「蜂蜜」と「ヨーグルト」の相性は抜群で、本当に美味しかったです!
2012年6月上旬に、旧ソ連・ヨーロッパ部分の最南端に位置する、コーカサス地方「アゼルバイジャンの首都「バクー」を訪れ、伝統的食文化の取材をして来ました。この辺りは、かつて、隊商が行き交う「シルクロード」の中継地として栄えた歴史がありますので、食文化にも、その影響を感じることが出来ました。
現地の食卓に必ず登場する「定番料理」の一皿目と言いますと、まずは、何の味付けもされてい
ない、「たっぷりの新鮮なハーブと、トマト、キュウリの盛り合わせ」ですね。特に、ドレッシングソ
ースをかけるわけでもなく、軽く塩を振って食べるのですが、慣れてくると病みつきになってくるから不思議です(笑)。次に出てくるのが、「地元産の塩味が効いたチーズ」です。このチーズは、それだけで食べますと、本当に塩辛いですから、味の付いていないトマトやキュウリと一緒に食べるのが良さそうです。パンに挟むのもいいですね。
その後からは、いわゆる「料理らしい物」が出てきます(笑)。「焼きナスとトマトの和え物」は、シン
プルながら、とても美味しいですし、トルコやギリシャにもありそうな「挽肉のナス包み」も、酸味の効いたソースとの相性が良く、安心して食べられる味ですね。インドのタンドリーチキンに似た「鶏肉のグリル」や、アラブ諸国の定番料理でもある、ミンチ肉を棒状にして焼いた「ケパブ風の料理」も、トルティーヤのような生地に巻いて食べますと、すごく美味しかったです。「ハーブたっぷりの白身魚のスープ」も、サッパリしていて食べ易かったですね。上からオリーブオイルをかけたくなりました(笑)。「サージ」と言う、肉の鍋焼き料理も、素材の持ち味が味わえて美味しかったです。具たくさんで、見た目も華やかですし、様々な食材の旨味を鍋底の方で吸収した「じゃが芋」が、特に絶品でした。「サージ」に必ず添えられるチェリーには、加熱すると甘くなる「料理用」があることも、初めて知りました。「パン」も、色々な種類を頂きましたが、小麦粉の旨味が生きていて、美味しかったですね。
スイーツ系では、「ホワイトチェリーのシロップ煮」や「アーモンド風味の焼き菓子」、「クルミとココ
ナッツのケーキ」等を頂きましたが、どれも素朴な美味しさでしたね。全体的に、甘味が強いので、さっぱりとしたミントティー等を飲みながら頂くのが良さそうです。
かつての隊商宿「キャラバンサライ」をレストランにしており、タイムスリップしたようですね
中庭にも隊商宿の面影が残されていて、「水タバコ」があったり、とても興味深かったです
かつての「ラクダ小屋」も、開放的で、とてもオシャレな客席になっていました
レストランの中庭も、夜になると心地良い風が通り、雰囲気がグッと良くなります
美味しい地ビールを飲みながら、「アゼルバイジャンの定番料理」を
堪能しました
アゼルバイジャン産の「美味しい赤ワイン」の銘柄です
たっぷりの新鮮なハーブと、トマト、きゅうりを、そのまま頂くのがアゼルバイジャン流です
塩分の強い地元産のチーズも、数種類が食事の最初に出てきますが、オリーブオイルを
かけたら、まろやかになりそうですね
「焼きナスとトマトの和え物」は、とてもシンプルで、美味しかったです
トルコ辺りにもある「挽肉のナス包み」は、酸味のあるソースで食べます
インド風の「タンドリーチキン」や「ケパブ」、「野菜のグリル」もシンプルで美味しいです
「ハーブたっぷり白身魚のスープ」には、オリーブオイルをかけたくなりますね(笑)
「サージ」という、肉と野菜の鍋焼き料理も、旨味が引き出されて美味しかったです
生では甘くなく、加熱すると甘くなる「料理用のチェリー」があることを初めて知りました
「サージ」の美味しい音と香りに思わずVサインです(笑)
「パン」も、小麦の旨味が生きていて美味しかったですね
「ホワイトチェリーのシロップ煮」は、とても珍しいですよね
「アーモンド風味の焼き菓子」は、素朴な味わいで良かったです
やや甘めのスィーツには、サッパリとした「ミントティー」が良く合います
ココナッツとクルミがベースのケーキも、地元で人気の1品です
2012年6月上旬に、旧ソ連・ヨーロッパ部分の最南端に位置する、コーカサス地方「グルジア」を訪れ、「伝統的食文化」の取材をして来ました。
まずは、ワインの生産地として有名な「カへチ地方」のブドウ農家さんに伺い、自家製の美味しいワインを頂きながら、「伝統的な家庭料理」の作り方を伝授して頂きました。
最初に、広々とした中庭に案内して頂き「豚肉の串焼き」に挑戦させて頂きましたが、シンプルに塩・胡椒を振ったものを「ブドウの枝」を薪にして焼くだけで、本当に香ばしく、美味しそうでした。農家のお爺さん曰く、「ブドウの枝を薪に使うことがポイント」だそうで、これが「旨さの秘訣」だそうです。
キッチンでは、目の前の畑で収穫した「豆やインゲン類」をスープで煮込んだり、「ナスとトマト」を軽く炒めた物、「チキン」の煮込み等を手際よく作っていきました。どれも、素朴な家庭料理ですから、特に手の込んだレシピではありませんが、食べてみますと、ホッと安心出来る味で、食材の旨さが引き出されており、しみじみと美味しかったですね。
「パン」も、自家製の小麦粉を使って焼かせて頂きましたが、食感と風味が良く、煮込み料理との相性も抜群でしたし、「チーズ」も自家製で、塩味が少し強いものの、パンと一緒に食べると、美味しかったですね。
デザートには、やはり自家製の「蜂蜜」と「ヨーグルト」を用意して頂きました。「蜂蜜」は、その美しい輝きを見ただけで、本物であることが分かりましたし、ヨーグルトとの相性も抜群で、とても美味しかったです。
ワインで有名な「カへチ地方」の農家さんに伺い「伝統的家庭料理」を伝授して頂きました
農家さんの周辺は、どこまでも続く広大なワイン用の「ブドウ畑」でした
農園内には「リンゴの木」もたくさん有り、まだ青い実をつけていました
自家製の美味しい蜂蜜を採取するための「手作りの蜂小屋」もありました
家族の一員である、毛並みの美しい「農耕馬」も、静かに草を食んでいました
農家のお爺さんと一緒に、ブドウの枝を薪にして「豚肉の串焼き」を焼かせて頂きました
キッチンでは、自家製の食材を使った「素朴で美味しい家庭料理」が次々に完成しました
農家のお父さん、一番下の息子さんと一緒に記念撮影させて頂きました
自家製の美味しくて濃厚な「カスピ海ヨーグルト」を、デザート用に盛り付け中です
農家の友人のみなさん達と、ワインを片手に楽しい食卓を囲ませて頂きました
「自家製ワイン」と「伝統的家庭料理」の相性は、抜群でした
「白ワイン」は、ロゼワインのように美しいピンク色でした
自家製の小麦粉で作った「パン」も、風味と香りがあって美味しかったです
手作りの「チーズ」は、塩味が強めですが、パンと一緒に食べると最高です
歌を披露してくれた可愛らしいお嬢さんも、お手伝いしてくれました
「自家製蜂蜜」の輝きを見ただけで、素晴らしさが分かりますよね!
2012年6月上旬に、旧ソ連・ヨーロッパ部分の最南端に位置する、コーカサス地方「グルジア」を訪れ、「伝統的食文化」の取材をして来ました。
首都「トビリシ」では、現地で人気のローカルレストランを食べ歩き、「グルジアの食文化」を存分に体験させて頂きました。
早速、料理の写真と共に、簡単な解説をさせて頂きたいと思います。
どこのお店でも、生の「トマト」と「きゅうり」は、なぜか最初に必ず出されますね
「スルクン」と言う、カッテージチーズを巻いたグルジア風の美味しいクレープです
「焼きナス」にクルミのペーストを塗るのがグルジア風で、とても美味しい前菜です
きゅうりや唐辛子、ハーブの「ピクルス」も、ビールによく合うおつまみの定番ですね
キャベツとツナの「マヨネーズ合えサラダ」も、シンプルながら、グルジアで人気です
ホウレン草の「マヨネーズ合えサラダ」も、グルジアでよく出される前菜のひとつですね
ハーブ風味の「野菜コンソメスープ」は、控え目ながらコクがあり美味しかったです
「ポークのトマト煮込み」ですが、ハーブがアクセントとなり、かなりアッサリしていました
グルジア風水餃子「ヒンカリ」は、旨味たっぷり「小籠包」のようで美味しかったです
レストランの厨房では、大人気メニュー「ヒンカリ」作りにフル回転していました
「ヒンカリ」は、大鍋で大胆に茹でますが、この煮汁が美味しそうですよね
「マッシュルームのオリーブオイル煮」は、ガーリック・唐辛子風味で香ばしかったです
「グルジア風の前菜」を盛り合わせたお皿を持って、記念の1枚です
「ポテトフライ」が、とても甘くてコクがあり、美味しかったですね
グルジア風チーズパイ「ハチャブリ」も、お店ごとに個性があり、興味深かったですね
「ローストチキン」は、カリッと焼いた後からガーリックを塗るのがグルジア風です
デザートとしての「フルーツの盛り合わせ」も、新鮮で、かなり斬新な盛り付け方ですね
ローカルレストランでは、華麗な民族舞踊を鑑賞しながら食事することが出来ます
2012年6月上旬に、旧ソ連・ヨーロッパ部分の最南端に位置する、コーカサス地方「アルメニア」を訪れ、「伝統的食文化」の取材をして来ました。
首都エレバンの郊外「ガルニ村」では、現地で人気の農家レストランに伺い、伝統的なアルメニアのパン「ラバッシュ」を作らせて頂きました。シンプルなパン生地を麺棒で薄く延ばし、薪が燃料の窯の内側に貼り付けて焼くのですが、似たような焼き方のパンは、中央アジア・シルクロード近くの国々でも見かけたことがありますので、おそらく、食文化の交流もあったのだろうと思います。
パン焼き窯の隣には、大きなグリル用の炉があり、日本でいう「つくね」のような「ケパブ」とか「ポークの串焼き」、「セバン湖産のマスのグリル」等も焼かせて頂きました。
まだ、ガス、電気の無かった古代から、加熱調理の基本は、薪で火をおこしての「グリル」だったことを再認識しましたし、普段は、便利なオープンを使っていますので、慣れるまでは、火加減が大変でしたが、「美味しくなるように、料理に愛情を込める」という初心を思い出すことが出来まして、とても貴重な経験になりました。
アルメニアの伝統的製法によるパン「ラバッシュ」の生地を延ばしているところです
「窯の内側に貼り付けて焼く」という原始的な方法が、とても新鮮で楽しかったです
焼き上がった薄い「ラバッシュ」は、とても香ばしくて美味しかったですよ
レストランの支配人氏と一緒に「ポークの串焼き」を焼かせて頂きました
スパイシーポテトを添えた「ケパブ」は、現地のみなさんも大好きです
大きな網に挟んで「セバン湖産のマス」を皮面からカリっと焼いて行きます
歴史を感じさせる、石造りの「パン焼き小屋」と「グリル用の炉」です
昼から晩まで、様々な食材を上手にグリルしているスタッフのみなさんです
美味しそうに焼き上がった「マスのグリル」を持って、記念の1枚です
御覧の前菜は、メインディッシュと一緒に食べても美味しかったですね
デザートは、アップルジャムを挟んだ甘いパンですが、素朴で良かったです
農家レストランの中庭で、解放感に浸りながらの楽しい食事は、最高ですね!
2012年6月上旬に、旧ソ連・ヨーロッパ部分の最南端に位置する、コーカサス地方「アルメニア」を訪れ、「伝統的食文化」の取材をして来ました。
首都エレバン郊外のローカルレストランでは、現地で人気の「伝統的なアルメニア料理」にオリーブオイルのアレンジを加えた料理を作らせて頂きまして、それが、思った以上に大好評で、嬉しかったです(笑)。特に、和食も大好きというシェフとオーナー氏は、私の作る料理のすべてに興味津々で、帰り際には「是非とも、期間限定でもOKなので、今後もこのレストランで指導して欲しい!」という大変に有難いオファーを頂きました。アルメニアを含めたコーカサス地方は、自然の恵みも豊かですし、まだまだ食文化の面で、発展してゆく余地は十分にありますので、タイミングをみて、また伺いたいと思いました。
アルメニア郊外のローカルレストランで、シェフとオーナー氏です
キッチンスタッフのみなさんは、とてもフレンドリーで良かったです
大きな布袋に入った「自家製ヨーグルト」は、デザートや料理に使います
「ヨーグルト」は、とても濃厚で、上質なクリームチーズのようでした
「ポテトのオープン焼き」にも、オリーブオイルが良い相性でしたね
「テーブルオリーブの実」も、アルメニアでは前菜として人気があります
上質なチキンやポーク、野菜類を「炭火でグリル」すると美味しいですよ
肉類は、「オリーブオイルでマリネ」しておくと、美味しさがアップします
グリル担当のみなさんとも、すぐに親しくなり、記念撮影させて頂きました
「地粉で作ったパン」は、とても風味が良くて、しっとり美味しかったですよ
キッチンスタッフの女性達は、サービスも兼任でよく働き、大忙し
でしたね
冷えた「地ビール」も、コクと旨味があり、アルメニア料理に合って
いました
「地元産の野菜中心の前菜」は、オリーブオイルとの相性が抜群に良かったです
「アルメニア風の雑炊」にも、仕上げにオリーブオイルをかけて食べました
オリーブオイルでマリネした「ポークのグリル」は、香ばしくて最高でしたよ
「トルマ」という「挽肉のブドウの葉包み」も、地元で人気の逸品でしたね
「自家製バニラアイスクリーム」は、ものすごく濃厚で美味しかったですよ
地元産のスイートな「ザクロ酒」は、ボトルもユニークで、食後酒に最適です
2012年8月下旬に、イタリアの首都・ローマを訪れ、「伝統的食文化」の取材をして来ましたので、その模様を数回に分けてレポートさせて頂きます。
まずは、ローマ・テルミネ駅近くの大型市場「ビクトリア・マーケット」を御紹介させて頂きます。
15年前にも、食材の仕入れで、こちらに来たことがありますが、その時には、まだ、青空市場で、日差しが強くなるお昼前には、撤収してしまう感じでしたが、今回、訪れてみますと、解放感溢れる室内に、食材ごとに分かれて、オシャレなディスプレイのお店が並んでおり、15年という時間の流れを実感致しました(笑)。
まずは「青果コーナー」ですが、イタリア料理でよく使われるナスやトマトが、山積みされており、しかも、日本には無い種類も多くて、感激致しました。夏らしく、インゲンやゴーヤ、ズッキーニ、ウリ等もたくさん有りましたが、サイズや形も様々で「生命力に満ちた食材」は、見ていて本当に飽きないですね。イタリア家庭料理の定番食材として欠かせない玉葱、にんにく、イモ類も、地元の人々が並んで買っていましたし、「フルーツコーナー」にも、色鮮やかで新鮮な物が豊富に揃っており、「さすがに、大都市ローマだな!」と思いました。
以前に比べ「魚介コーナー」のスペースが広くなっていることからも「時代の流れ」を感じました。イタリア人は、肉類が大好きで、元々、肉屋さんの数は、多かったのですが、最近は、世界的傾向として、ヘルシー志向になり、魚介類を好む人が確実に増えているのだと思います。魚屋さんの店先には、近海の小魚から、大型のマグロ類、甲殻類まで豊富に揃っていましたし、それらの鮮度も、以前に比べて抜群に良かったのが、印象的でした。
「テーブルオリーブ(食用のオリーブの実)」や「ドライトマト」も、美味しい物が豊富に有り、しかも、値段もかなり安くて、嬉しくなってきましたね(笑)。
イタリアの市場では、日本のような「小分けパック」は無く、基本は「量り売り」ですから、色々と買い物すると、ものすごい量になり、それらを持ち運ぶのは、かなりの重労働ですので、買い物客は男性(お父さん)が多く、その点は15年前と変わっていませんでしたね(笑)。
15年前は青空市場だった、ローマ・テルミネ駅近くの「ビクトリア・マーケット」の入り口です
南イタリア料理に欠かせない「ナス」も、色々な種類、大きさが有り、生命力を感じますよね
夏が旬の「ゴーヤ」や「インゲン」等は、日本のそれとは、サイズが違い興味深かったです
イタリア家庭料理の定番食材「玉葱」、「ニンニク」、「イモ類」も山積みで迫力が有りました
チーズや生ハムと相性の良い、色鮮やかな「フルーツ類」も、種類豊富に揃っていました
南イタリアでよく見かける「ウチワサボテンの実」は、フルーツとして、皮をむいて食べます
市場内では、とても美味しい「地元産のフレッシュチーズ」も、種類豊富に並んでいました
南イタリアでは、種類豊富な「豆料理」も人気ですので、市場内には「豆専門店」もあります
ヘルシー志向の最近では「鮮魚コーナー」も人気があり、新鮮な魚介類が豊富にありました
イタリア各地の市場内では、重い荷物を持つ買い物は、男性(お父さん)の仕事のようですね
「テーブルオリーブコーナー」では、全種類の試食をさせて頂き、その後に満足の1枚です
「テーブルオリーブ」だけでも、美味しくて安い物が、こんなに種類豊富にあり、感動しました
2012年8月下旬に、イタリアの首都・ローマを訪れ、「伝統的食文化」の取材をして来ました。
「イタリア版ファストフード」と言いますと、「ピザ」や「パニーニ(サンドイッチ)」が有名ですが、お店によって、形や味わいも様々でして、それが、とても興味深かったですね。
特に、美味しくて個性的だったお店の商品の一部を、ここで御紹介させて頂きます。
まずは、ローマ・テルミネ駅近くの大型市場「ビクトリア・マーケット」内のパン屋さんです。さすがに、人気市場内に出店しているだけあって、どれも美味しくて、いつも長蛇の列が出来ていました。フレッシュチーズやハーブをふんだんに使った「贅沢なピザ」をはじめ、シンプルな「オリーブのフォッカチャヤ」、「紙のように薄く延ばしたピザ」等、どれも個性的で美味しかったです。
ローマの街中、各所にある、チェーン展開のパン屋さんも人気でした。ここのお店では、「ボリューム感が売り」のようでして、「クロワッサン」も大きかったですし、「フランクフルトソーセージやフライドポテトを巻き込んだピザ」、「チキンカツとフライドポテトを巻き込んだピザ」、「具沢山のトルティーヤ」等々、どれも大型で味も良かったですね。「フレッシュジュース」も数種類用意してあり、大きなピザを食べながら飲むフレッシュジュースに「イタリア」を実感致しました(笑)。
この時期のローマは、昼間の気温が40℃近くにもなるために、冷たいドリンク類を売る屋台やジェラートショップも大人気でしたね。
一方で、外国のファストフード店も各所にあり、特に「寿司バー」は、大人気でした。中には、「シャンパンと寿司をコラボさせた」カウンター式のオシャレなお店もあり、ここでも、ヘルシー志向の高まりを実感致しました。
ローマ・テルミネ駅近く「ヴィクトリア市場内」で、美味しいパン屋さんを見つけました
イタリアらしく「フレッシュチーズやハーブを贅沢に使ったピザ」も人気がありましたね
シンプルながら美味しい「オリーブ風味のフォッカチャヤ」です
「ミートソースやチーズを乗せて薄く延ばしたピザ」もありました
ローマ各所で、チェーン展開しているパン屋さんは「ボリューム感が売り」でした
「フランクフルトソーセージやポテトフライを包み込んだ巨大ピザ」には驚きましたね(笑)
イタリアらしく「チキンカツやポテトフライを包み込んだ巨大ピザ」も人気商品でした
「具沢山のトルティーヤ」と「ズッキーニたっぷりのピザ」は、アッサリしていて美味しいです
「シーフードパニーニ(サンドイッチ)」も御覧のようなボリューム感ですが、食べ易いですよ
少し甘めの「フレッシュジュース」も数種類あり、ピザとセットで購入することが出来ます
猛暑のローマでしたので、冷たい飲み物を売る屋台は、いつも長蛇の列でしたね
「イタリアのジェラート」は、種類も豊富で美味しくて、食べ比べも楽しかったですよ
シャンパンとコラボさせた、カウンター式の「オシャレな寿司バー」も人気でしたね
マグロの寿司は、サーモンと共に人気商品で、「ヘルシー志向の高まり」を実感しました
2012年8月下旬に、イタリアの首都・ローマを訪れ、「伝統的食文化」の取材をして来ました。
ローマの夏は、とても暑いですから、涼しくなる夕方からオープンする「ナイトマーケット」がありまして、場所によっては、お子さん向けの遊園地も併設し、深夜まで営業しているところもありました。
私も、早速、ローマ近郊の大規模な「ナイトマーケット」に行って来ましたが、ここでも「伝統的な食文化」を垣間見ることが出来まして、とても楽しかったです。
まずは「スィーツ」ですが、アーモンド生地で作った「マジパン細工」が、色々ありました。バナナやオレンジ、栗etc。実に巧く作ってあり、日本の緻密な「和菓子」に通ずるところがあるように思いました。
香ばしく炒ったナッツ類にキャラメルを絡ませた「ヌガー類」も、良い匂いがしていました。ヌガー職人のおじさんが、鉄板の上にナッツとキャラメルを流しこみ、ヌガー作りの実演をしていましたが、あまりの手際の良さに、しばらく見惚れてしまいました。
トッピングが色鮮やかで、イタリアらしいドーナツがたくさん並んでいる「ドーナツ屋さん」もありました。店員さんにカメラを向けますと、陽気にポーズをとってくれまして、「ラテン系の明るいノリ」
に、私まで嬉しくなってきました(笑)。
日本でいうところの「駄菓子屋さん」もありましたが、ディスプレイがとてもユニークで、子供達が好きそうな「おもちゃ」がぶら下がっていたりして、「おもちゃ屋さん」と間違えそうでしたね。
「鉢植えのオリーブの木」を売っているお店もあるのには、驚きました。「さすがは、イタリアの首都・ローマ!」ですよね。
「オリーブオイル」を売っているお店もありましたが、「白トリュフ風味のオリーブオイル」は、ちょっと珍しいので、試食用に購入しました。
「イタリア版ファストフード」のお店も、色々あって興味深かったですね。
まずは、イタリア人も大好きな「トリッパ(牛の臓物)屋さん」ですが、トマトソースでじっくり煮込んだトリッパは、本当に美味しそうでした。お客さんのリクエストに応じて、パンに挟んでくれたり、そ
のまま、器に入れてくれたりして、「素朴なイタリア家庭料理の原点」を見たような気がします。
「クレープ屋さん」も、お店(屋台)の作りからしてオシャレな感じでしたね。トッピングのチョコレートソースをたっぷりかけるのが「イタリア流」です。
「巨大なシュー生地を揚げているお店」もありました。トッピングには、シナモンシュガーやチョコレートソースをたっぷりとかけていましたが、そのボリューム感は、かなりのものでしたね。
「屋台のお店」には、「組み立て式のもの」と「移動車を利用したもの」がありましたが、特に、移動車は、イタリアらしくユニークなデザインのものが多くて、興味深かったです。
「ホットドック屋さん」も人気がありました。挟む物も「ソーセージ」以外に「野菜のマリネ」であったり、「子豚の丸焼き」であったりして、自由な発想で「ホットドックを楽しんでいる」ようでしたね。
最後に「パニーニ(ホットサンド)屋さん」ですが、このホットサンドは、イタリアでは、定番中の定番でして、「ナイトマーケット」の数ある飲食店の中でも、かなりの人気でした。
それにしましても、イタリアの子供達は、本当に元気ですね。すでに、23時を過ぎていましても、たくさんの子供達が、歓声を上げながら、隣の遊園地で明るく遊んでいましたよ(笑)。「子供達の元気」も、このような「イタリアの伝統的食文化」が「源」なのでしょうね。
ローマ近郊の「ナイトマーケット」は、遊園地も併設していました
アーモンド生地で作った「マジパン細工」は、完成度が高いですね
ナッツ類にキャラメルを混ぜた「ヌガー」は、イタリアでも人気です
ヌガー職人のおじさんが、鉄板の上で「ヌガー作り」を実演していました
「ドーナツ屋さん」も、ラテン系のノリで、明るくポーズしてくれました
おもちゃ屋さんのようなディスプレイの「イタリア版駄菓子屋さん」です
「オリーブの鉢植え」を売っているところが「イタリアらしい」ですよね
とても珍しい「白トリュフ風味のオリーブオイル」も売っていましたよ
「イタリア家庭料理の原点」を感じる「トリッパ(牛の臓物)屋さん」です
「クレープ屋さん」も、イタリアらしく、オシャレな作りで人気でした
「巨大な揚げシュー」には、たっぷりのシナモンシュガーが良く合います
「屋台用移動車」のデザインも、イタリアらしくユニークだと思いました
イタリア式「ホットドック屋さん」では、トッピングも色々ありました
「子豚の丸焼き」も、ホットドックのトッピングとして大人気でした
「パニーニ(ホットサンド)屋さん」は、いつも行列が出来ていました
「パニーニ」は、「イタリア版ファストフード」の定番中の定番ですね
6月下旬のブラジル滞在中には、「スィーツ」の食べ歩きもかなり致しました。そして気が付いたのですが、「どこで食べても、ブラジルのプリンは、濃厚で美味しい」のです。その理由を考えてみました。かつて、ブラジルは、ポルトガル領でした。ポルトガルと言いますと、「エッグタルト」をはじめ、卵を使った美味しいスィーツが多いですから、その流れを汲んでいるのでしょうか。また、ブラジルは、鶏肉の生産量が世界的に多いことでも有名ですので、卵の質もいいのでしょうか。ミルク、生クリームといった乳製品の脂肪分も影響しているかもしれませんね。この写真は、リオで食べた美味しいプリンなのですが、もし、みなさんがブラジルに行く機会がありましたら、「濃厚で美味しいプリン」を食べてみて下さいね。
「ブラジルのプリン」は、どこで食べても濃厚で美味しくて、感激致しました
秋にイタリアを訪れますと、青果市場には、濃いオレンジ色の「完熟した柿」が、たくさん売られています。
イタリア語でも「柿」は、「カキ(CAKI)」と呼びますが、食べ方は、まさにイタリア流で、とてもオシャレですので、みなさまにも御紹介させて頂きます。
まず、完熟した柿にナイフを入れて、皮をはぎ、EXVオリーブオイルをかけながら、スプーンで果肉と混ぜて、そのまま、アイスクリームを食べる要領で、食べます。または、トーストしたパンに載せ、ジャムの感覚で食べることもあります。一般的なジャムは、砂糖がものすごく入りますが、この食べ方ですと、一切の砂糖を加えていないにも関わらずに、とても甘くてコクがあり、ヘルシーで美味しいのです。
是非、みなさまも、青果店で、完熟した柿を見つけましたら、お試し下さいね。「目からウロコ」の美味しさに感動しますよ(笑)。
イタリアでは、完熟した柿(CAKI)をスプーンですくって食べます。少し凍らせると、美味しい
シャーベットになりますよ!
皮をむき、上質なEXVオリーブオイルをかけて食べると最高の美味しさです
EXVオリーブオイルは、惜しまずに、たっぷりかけた方が美味しいですね(笑)
この素晴らしい色ツヤを見ただけで、美味しいことが分かりますよね
砂糖不使用のヘルシーなジャムとして、パンに載せて食べても美味しいですよ!
2月18日に天草市五和町コミュニティーセンターを会場に「神秘のシャングリラ・ブータンを訪ねて」と題した講演会を開催させて頂きました。
「GNH・国民総幸福量」で注目されているブータンを何度か訪れている私が、ブータンの人々の暮らしぶり(衣・食・住・家族関係)の解説をさせて頂きながら、「なぜ、経済発展よりも国民の真の幸福を国家の目標にしているのか」、「日本人が忘れかけている幸せの国ブータンの思想とは」等々について、体験談を交えながら、分かり易くお話させて頂きました。そして、これを機会に、ブータン以上に素晴らしい伝統的文化が残されている天草のみなさんにも「本当の幸福とは何か」を考えて頂くきっかけになれば嬉しいですね。
この講演会に呼んで下さった「五和まちづくり協議会」、「天草市」関係者のみなさまには、心より御礼を申し上げます。スライドを事前に用意して頂いたり、本当に有難う御座いました。
「ブータンの幸福度数」がテーマの講演をさせて頂くのは初めてで
したが、天草のみなさんの心に響く良いお話が出来たと思います
私が撮影した写真を見て頂きながら、「ブータンの人々の暮らしぶり」を幅広く解説をさせて
頂きました
「ブータンの食文化」のお話には、特に熱がこもりました(笑)
「伝統的食文化」を良い形で次の世代に遺していくことが大切ですね
講演後の著書の販売コーナーも大好評で、有難かったです。お子さん向けの「食の大切さ」
がテーマの講演の依頼も頂きました
みなさん、気持ちの良い5月ですが、如何お過ごしでしょうか?船橋にあります「コグレオリーブ農園」では、40本以上あるオリーブの木々と共に「レモンやオレンジ等の柑橘類」も、多数植えています。これは、13年前に初めて伺った、南イタリア・シシリアの名門オリーブ園のやり方を見習ったものなのですが、オリーブも柑橘類も、同じ5月頃に開花しますので、お互いの花粉を受粉しあい「よりフルーティーで美味しいオリーブの実」が出来るのです。
昔から戦争の舞台として翻弄されてきた歴史のあるシシリアでは、「明日、生きていられる保証は無かった」のです。しかし、前向きに「だったら、神様が下さった貴重な今日一日、この奇跡を、みんなで美味しいものを食べ、歌って踊って、感謝しながら、有難く楽しく過ごそうよ!明日は、分からないのだから・・・」という「決して生産効率主義ではない」シシリアのみなさんの「ハート」を知り、「シシリア産のオリーブオイルは本物だ!」と惚れ込みました(笑)。
この写真は、今朝撮影した「咲き始めたレモンの白い花と、開花寸前のオリーブ」です。美しいですよね。
「咲き始めたレモンの白い花と、開花寸前のオリーブ」です。美しく可憐ですよね
オリーブと柑橘類を近くに植えますと、同じ5月頃に開花しますので、お互いの花粉を受粉
しあい「よりフルーティーで美味しいオリーブの実」が出来るのです
ブログ「小暮BLOG」のカテゴリ「世界の食文化・旅日記」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。
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