私が、出張料理人として全国にお伺い出来るのは、クール便でも普通便でも、約束の時間に、きっちり配達してくださる「ヤマト宅急便さん」のおかげだと、いつも感謝しています。
そのヤマトさんの地元営業所で、もう20年近く、いつも、にこやかに対応してくださっていた方が、最近、御病気で、いらっしゃらなくて、気になっていたのですが、先日、お電話をくださって、大変な闘病生活をご自宅でしていらっしゃることを知りました。
特に、奥様には、大変な御負担をかけていて、お誕生日のお祝いもしてあげられないと、御電話の向こうで、涙ぐんでいらっしゃいました。
それで、是非、私の御料理を食べたいと言って頂き、先日、下見に行かせて頂いたのですが、酸素吸入を手放せない、大変な状況に、まず、びっくりしました。
そんな状況の中「妻と私に、まず、作ってほしいです。そして、日を改めて、妻の実家でもお願いします」と、やっとのことで言葉を絞り出して頂きました。
私は、直感で「急がなければ」と思い、スケジュールを調整して、4日後に御料理させて頂く御約束をしたのですが、お会いした2日後の朝に、天国に行かれてしまいました。
「こんなことなら」と、無念と後悔の気持ちでいっぱいでしたが、お通夜にもお伺いさせて頂き、気を取り直して、本日、奥様のご実家で、御料理させて頂きました。
御主人様の意を汲んで、大きな花束も、ご用意させて頂き、心を込めて御料理させて頂きましたが、とても喜んで頂けて良かったです。
謹んで、ご冥福をお祈り致します。