先日、辻調理師専門学校フランス校時代の親友であり、宮城県多賀城市の人気製菓店「パティスリー・カズノリ・ムラタ」オーナーシェフの叢田 一範 君と久々に再会し、本場フランスの雰囲気を感じる店内を案内して頂きました。
今では、多賀城の街並みもきれいになり、叢田君のお店も、何もなかったかのような活気に満ちていますが、「3・11」の被害は、かなり大きかったようです。なにしろ、押し寄せてきた津波で、巨大な冷蔵庫が浮き上がり、天井を突き破ってしまったのですから。キッチン入口の白い扉の、高さ151㎝の位置に、短い線が刻まれていましたが、この高さまで浸水したそうです。莫大な借金を抱え、当時の叢田君の気持ちを考えると、本当に胸が痛みますが、震災直後に食料等の物資が不足した時には、真っ先に3階のストッカーに保存していて無事だった御菓子500万円分以上を避難所に届け、地元のみなさんの「命を繋ぐ御手伝い」をしたそうです。「いっときだけでも、辛さを忘れられる、その美味しさ」に、みなさんから、とても感謝され、それからの御縁で買いに来て下さる御客様が増えたことは、我がことのように嬉しいですね。
ここまでの御話を聞いていて、私は感動のあまり、泣きそうになりましたが、グッとこらえて、私も、美味しいケーキを御馳走になりました。震災以降「何のために御菓子を作るのか」に気付いたスタッフのみなさんのモチベーションが上がり、それが理由か、今では、売上げも伸び、借金も完済出来たそうです。本当に「良かった!」です。
叢田 君は、フランス修業時代から、その才能をフランス人にも認められていました。特に「マカロン」は、おそらく「日本一美味しい」と思います。アーモンドに拘り、それを挽くところからスタートするのですから。みなさんも、チャンスがありましたら、「愛情溢れる美味しい御菓子」の数々を是非、食べてみて下さいね。「マカロン」は、地方発送もして下さいます。御電話(022-362-7767)してみて下さいね。